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空爆で「世界の安定」は約束されるのか?
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2015/12/13/post-510.html
サンデー毎日 2015年12月13日号
牧太郎の青い空白い雲 連載549
祖国の子どもたちよ、
栄光の日がやってきた!
我らに向かって、暴君の血塗られた軍旗がかかげられた
血塗られた軍旗がかかげられた
どう猛な兵士たちが、野原でうごめいているのが聞こえるか?
子どもや妻たちの首をかっ切るために、やつらは我々の元へやってきているのだ!
武器をとれ、市民たちよ
自らの軍を組織せよ
前進しよう、前進しよう!
我らの田畑に、汚れた血を飲み込ませてやるために!
× × ×
この詩を改めて読んだ時、過激派組織「イスラム国」(IS)の歌か?と思った。でも、これは、ISではなくフランスの国歌「ラ・マルセイエーズ(La Marseillaise)」だ。
革命歌だから「戦闘的」であることは理解できるが......オランド大統領が「フランスはいま戦争状態にある!」と叫び、議員全員が朗々と「ラ・マルセイエーズ」を歌う。
"IS"の田畑に、汚れた血を飲み込ませてやるために......国歌と共に当分、空爆が続く。
× × ×
パリ同時テロから2週間以上が経(た)った。G20(主要20カ国・地域)が対テロ戦争で「連帯」を表明して、米仏の空爆が強化された。が、有志連合が言うように、武力攻撃でテロを封じ込めることができるのか? できれば結構だが......多分、それは無理だろう。オランドも、オバマも、プーチンも(若干の違いはあるとしても)「無理だ!」と思っている。彼らは「中東が、イスラムが、アラブがこれまで不当な差別を受けていた」と知っている。「報復の連鎖」は何十年も続いている。
9・11以降、アメリカがアフガニスタン、イラクで行ったことが、さらに事態を悪化させた。石油で大金持ちになったサウジアラビアが湾岸戦争以降、アメリカの言いなりになったことも、事態を悪化させた。アメリカに対する「積年の恨み」は空爆では解決されない。それは、世界の指導者の「共通な認識」である。にもかかわらず「テロには屈しない!」と言わざるを得ない。彼らは(威勢の良いフリをするけれど)苦悩している。革命国歌を歌いながら、苦悩している。
× × ×
日本は(少なくともちょっと前までは)欧米とは違う「スタンス」を保っていた。中東、イスラム、アラブから恨みを買わない立場にいた。彼らが敵視するのは、第二次大戦後、イスラエルを利用して、中東を支配しようとしたアメリカであり、アラブを裏切ったサウジ、ヨルダンなど親米国家である。日本とは違う。イラク攻撃に血道を上げたブッシュ元米大統領を応援した小泉政権に彼らは失望した。が、それでも、日本は差し迫った「テロの対象」ではなかった。だから、日本は「独自の立場」で中東と「距離」を置くことができた。
それが、安倍政権になって事態は変わった。日本はアメリカの属国になり「有志連合の一員としてISと戦う」と言い出した。日本は明確にISの敵になった。
お坊ちゃまの安倍政権が、日本を対テロ戦争の泥沼に追い込もうとしている。「中東での話し合いの仲裁」になり得る可能性さえあったのに......安保法制が成立した後、パリ同時テロが起こったのは「歴史の皮肉」だろう。安保法制→アメリカの属国化→パリ同時テロの報復......日本の悲劇、いや、歴史に学ぼうとしない「日本の喜劇」が始まろうとしている。
× × ×
これまで、アルカイダとISは敵対していたが、空爆強化で両者が連帯する可能性まで考えなくてはならない。それこそ「テロに屈しない!」の掛け声が世界的規模の大戦争を引き起こすかもしれない。日本はどうしたらいいか?
(1)テロは間違っている(2)国内的に徹底的なテロの対策を講じる(3)しかし、武力では解決しない......この立場しかない、と僕は思う。
冷静になろう。早く安倍政権を打倒して、安保法制を廃案にして平和憲法の原点に戻る。「武力」で紛争を解決しない国に戻るのだ。カナダのトルドー首相は、空爆参加を中止すると表明しているではないか。
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