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既存勢力でない大きな旗の下に主権者が結集するー(植草一秀氏)
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28th Nov 2015 市村 悦延 · @hellotomhanks
11月28日の東京新聞=中日新聞『こちら特報部』
に、鳩山友紀夫元首相へのインタビューが掲載された。
鳩山氏は議員を辞任してから、氏名表記を鳩山由紀夫から鳩山友紀夫に変えられた。
「友愛」の一字を名に用いたのである。
記事の表記は由紀夫のままにしたと「デスクメモ」に記述があるが、
本人が氏名表記を友紀夫に変えたのだから、記事表記も友紀夫に変えるのが適正だ。
戸籍名での表記にこだわるなら、ペンネームを使っている作家なども、
すべて戸籍登録の氏名表記にしなければならないということになる。
本人が鳩山友紀夫の表記を使用しているのだから、こちらを尊重するべきである。
記事の見出しには
「たたかれ続ける元首相鳩山氏に聞く」
とあるが、これもおかしな表現である。
「たたく人」もいれば、「敬う人」もいる。
当たり前のことだ。
安倍首相にしても、
「敬う人」がいるかも知れないが「たたく人」は数えきれないほど存在する。
私の知る限り、「敬う人」は数名で、圧倒的多数が「たたく人」である。
それでも、安倍氏を取り扱う際に
「たたかれ続ける首相安倍氏」
とは表記しない。
とはいえ、鳩山元首相の発言を、紙面を割いて報じる姿勢には敬意を表したい。
鳩山氏を「敬う」のも「たたく」のも、それは、各個人の自由裁量に委ねられる。
「敬え」
と言うのも、
「たたけ」
と言うのも、
どちらもおかしい。
主義主張を明確にしているのだから、その言動に対して、賛否両論が生じるのは当然のことだ。
鳩山元首相を批判する者が存在するのは事実だが、
他方に、鳩山元首相を極めて高く評価する主権者が極めて多数存在することも間違いのない真実である。
マスメディアが、あたかも「たたく人」が圧倒的多数であるかのような、
「刷り込み報道」を行うことは慎むべきである。
記事の前半は沖縄問題を扱っている。
鳩山首相が、最後まで「最低でも県外」の方針を貫けなかったのは、大きな失敗であったと言ってよい。
そのために、かけがえのない鳩山政権が崩壊してしまったことは、日本の主権者にとっての悲劇だった。
しかし、その背後には、民主党内の面従腹背の悪徳衆の存在、面従腹背の官僚機構の存在があった。
裏で糸を引いていた司令塔は日米合同委員会であったこともはっきりしている。
米国が支配する日本、そして、米国にひれ伏す日本人
の構造を変えなければ、日本は永久に米国の植民地のままである。
これが日本最大の問題であると言っても過言でない。
日本の真の独立は敗戦から70年たったいまも実現していないのだ。
記事の後半に、現下の最重要問題についてのメッセージが示された。
「民主は解党 出直せ」
の見出しが示された。
鳩山氏は
「民主はいったん解党して出直すしかない」
と発言している。
そして、民主党が
「安倍政権への明確な対抗軸を作れるはずなのに、何を目指しているのか見えない」
と一刀両断する。
そのうえで、
「既存勢力でないところに大きな旗を立て、そこに一人一人が結集する」
と述べた。
これが
オールジャパン平和と共生
である。
10月8日総決起集会ののち、今後の本格活動に向けて準備期間を経ているが、
これから2016年参院選に向けて、本格活動が始動する。
鳩山元首相は日本政治を再刷新するために、本格的に活動を展開されることになると思われる。
私は10月8日の総決起集会で、
「単純な野党共闘には乗れない」
と述べた。
その理由を鳩山元首相がインタビューの中で明解に示されている。
「安倍政権への明確な対抗軸を作れるはずなのに、何を目指しているのか見えない」
のだ。
「何を目指しているのか見えない」
以上に、
「安倍政権への明確な対抗軸」
を作る意思を有していないのではないかと考えられる。
私は、
渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、岡田克也
野田佳彦、前原誠司、安住淳、枝野幸男、玄葉光一郎
の10氏を
民主党悪徳10人衆
と称してきた。
さらにこの周辺を悪徳軍団が取り巻いている。
これらの勢力は、既得権勢力に対峙する主権者勢力ではないのである。
米国・官僚・大資本の米官業トライアングルが既得権勢力であるが、
彼らは基本的にこの既得権勢力の側に立つ者たちなのだ。
民主党政権を樹立した二人の牽引者は、小沢一郎氏と鳩山友紀夫氏である。
2009年に民主党が主軸になって政権を樹立した際、既得権の政治を打破する明確な公約が示された。
米国にも言うべきことを言う
官僚の天下り利権を根絶する
企業団体献金を全面禁止する
ことが、明確な公約として明示された。
米官業が支配する日本を、主権者が支配する日本に刷新することが目指されたのである。
小沢−鳩山主導で政権交代が成就されたが、
鳩山首相は、実は面従腹背な者どもに、重要ポストを配分してしまった。
そして、面従腹背の悪徳10人衆たちが、2010年6月に政変を挙行して、
権力をかすめ取ってしまったのである。
岡田、前原は民主党を崩壊寸前に誘導した人物である。
その実績を顧みることもなく、
小沢−鳩山主導で実現した政権樹立の果実だけをかすめ取り、
自分のポストだけに執着し続けてきた人物である。
菅直人、野田佳彦によって、小沢−鳩山が築き上げた遺産は、すべて食い尽くされた。
それでもなお、悪徳10人衆が、過去の遺産にしがみついて離れない。
このような民主党を軸に、主権者が結集できる可能性は皆無なのだ。
だから、既存の野党の野合ではなく、
「既存勢力でないところに大きな旗を立て」
「そこに一人一人が結集する」
ことが必要不可欠なのである。
具体的にどのようなことをするべきなのか。
第一に、進むべき政策の方向を明示すること
第二に、主権者が結集すること
第三に、日本全体の運動にすること
が必要不可欠である。
「政策」が明確でなければならぬ。
「主役」は主権者でなければならぬ。
「オールジャパン=全日本」の運動にしなければならぬ。
政策の柱は、
原発・憲法・TPP
そして、
弱肉強食から共生へ
さらに
辺野古に基地を作らせない
ことを明確に掲げることが必要だ。
三つのNO!と一つのYES!
と述べた。
一つのTES!とは、
すべての国民の所得と生活を保障することだ。
1.すべての労働者の正規化
2.すべての国民に対する一定水準の所得の保証=ベーシック・インカム
3.総合所得課税による所得税中心主義の確立
を実現してゆくべきである。
政策を明確にして、公約を明示できる候補者を一選挙区に一人選定して、オールジャパンで支援する。
政党同士の談合ではなく、主権者が政策を基軸にオールジャパン候補を選定するのである。
これを
「オールジャパン候補」
として
「オールジャパン支援候補者一覧」
として、オールジャパンに浸透させる。
政党主導ではない、主権者主導の政治運動を日本全体に広げて、決戦の国政選挙三連戦に臨む。
この考え方を広めてゆくことが何よりも求められている。
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