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「米国は日本を守る」という虚構で成り立つ日本の安保政策
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2015年11月26日 天木直人のブログ 新党憲法9条
きょう11月26日発売の週刊文春12月3日号に、ジャーナリスト春名幹男氏の国民必読の記事がある。
その趣旨は、米国の機密外交文書によって在日米軍は日本防衛に関与しないという米政府の方針が確認された、という驚きの事実だ。
すなわち、春名氏が米国立公文書館で発見したという、1971年にジョンソン国務長官代行がニクソン大統領に宛てたメモには、次のように書かれているという。
「在日米軍は日本本土を防衛するために駐留しているわけではなく、韓国、台湾、および東南アジアの戦略的防衛の為に駐留している」
さらにまた、ニクソン政権の後に続くフォード政権下で作成された統合参謀本部の文書にはこう明記されているという。
「在日米軍および基地は日本の防衛に直接関与しない」
そして春名氏は言う。
これらは一例にすぎず、調べて行けば驚くべき内容が次々と見つかったと。
それらの文書で明らかになった事は、在日米軍は、日本を守るために存在しているのではないという米国の基本的な考え方が、70年代以降、現在に至るまで脈々と受け継がれている事実だと。
冷戦最中の1970年代でさえ日本を守るためではなかったのだから、冷戦後の1989年以降はなおさらだ。
在日米軍と基地は、完全に米国に戦争のためにあるということを春名氏は動かぬ証拠を突きつけて教えてくれたのだ。
しかも、そのことは官僚たちは知っていると春名氏は書いている。
元防衛官僚にこの機密文書を見せたら、「政治家は誰も知らないでしょうが、私は気づいていました」と言ってのけたという。
確かではない事は気づいてもそれ以上調べようとしない。
都合が悪くなるからだ。
こうして事実を覆い隠そうとするのが官僚たちなのだ。
安保法議論の真っただ中で、安倍首相が国会で繰り返したのは「血の同盟」論だ。
すなわち日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します、と。
だから日本も自衛隊が米軍を支援できるようにして日米同盟を強化しなけばいけませんと。
虚妄の上に築かれた日本の安保政策であり、そのツケとしての対米従属のすべてがここにある。
この週刊文春の春名氏の記事は、国会で徹底的に議論して国民に知らしめなければいけない。
それでも国民が日米同盟を憲法9条より優先させるなら、何をかいわんやである(了)
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