1. 2015年11月24日 04:22:07
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ジリ貧の民主党は共産党の提案に乗ったらどうか 自民党のつまらないスキャンダル追及をしている場合ではない 2015.11.24(火) 筆坂 秀世 民主党の前原誠司元外相が、また“とんでも発言”を行った。民主党を解党して、維新の党と合流すべきだと言うのだ。 前原氏と言えば、元民主党代表でもある。民主党政権では国土交通相、外相、政調会長など政府と党の要職についてきた。今日の民主党に大きな責任を負っている1人である。それが現在の執行部と何の相談もなしに「党を解体しろ」というのである。 こういう人は政党人ではない しみじみ思うのは、政党人として、本当の苦労をしたことがないのだろうな、ということである。 民主党には、最高時より減らしたとはいえ、2014年9月27日現在で1309人の地方議員がいる(一番多いのが自民党で3015人、次が公明党で2939人、その次が共産党の2679人となっている)。 都道府県議だけを見ると、自民党の1246人に次いで多い401人となっている。最近で言えば、11月15日投票で行われた福島県議選では、自民党が2議席減らしたのに対して、民主党は3議席増やしているのである。 前原氏は、この地方議員の声を聞いたのであろうか。民主党公認で当選したばかりの人に「解党しましょう」と言うのだろうか。 小沢一郎氏にあやかりたい前原氏 しかも11月14日、読売テレビに出演した前原氏は、2003年の民主党と自由党の合併の際のことを持ち出し、「(当時は)小沢一郎さんという剛腕がいて『党名も民主党でいい』と言った。それぐらいの度量を持って、どう野党をまとめて、自民、公明の対抗勢力をつくっていくか。これしか私はいま考えていない」と語っている。 当時の自由党は、中心的メンバーであった二階俊博氏や扇千景らが離党し、結党時から大幅に議席を減らし、先細りの状態であった。だからこそ民主党の誘いや京セラ名誉会長の稲森和夫氏らの働きかけもあって、民主党による吸収合併の道を選んだのである。民主党を解体しての民由合併などではなかったということだ。 そもそも自らの党に誇りを持っているなら、簡単に解党などとは言えないはずだ。小沢氏は、もともと自らつくった政党に誇りなど持っていないはずだ。そうでなければ「生活の党と山本太郎となかまたち」というような奇妙奇天烈な政党をつくるはずがない。ただただ政党助成金が欲しいだけとしか思えない。 この小沢一郎氏にあやかろうというのだからうまくいくわけがない。自らの政党に誇りを持てないような人間に政党や政界再編を語る資格などないと言わざるを得ない。かつて産経新聞に揶揄されたとおりの「言うだけ番長」だから、さしたる影響もないのだろうが。 なぜ「国民連合政府」構想に乗らないのか 前原氏をはじめとして、民主党内には共産党の「国民連合政府」構想に反対の勢力が少なくないようだ。 蓮舫参院議員などは、「革命ということを目指している政党とはいかがなものか」などとテレビのインタビューに答えていた。そんなことを言い出せば、共産党との連携などあり得ないことになる。 蓮舫氏がどれほど共産党の研究をしているか知らないが、共産党が次の選挙で「革命」を目指しているとでも思っているのだろうか。共産党が200議席も、300議席も持っているというのなら、そんな心配も必要かもしれないが、衆議院21議席、参議院11議席、合計32議席に過ぎない。しかも共産党は、いま社会主義革命を目指しているわけではない。民主主義をあらゆる分野に徹底する「民主主義革命」を目指すと言っている。 ましてやいま共産党が提案しているのは、安保法制と集団的自衛権行使を決めた閣議決定の廃止と取り消しの1点に絞った政権をつくろうということである。そのために選挙協力をしようというのである。 政権を取りたければ「何でもやる」べき 民主党が政権を取った2009年の第45回衆議院選挙で、共産党はそれまでのほぼ全区立候補という方針を改め、300小選挙区のうち約半数の152選挙区しか候補者を立てなかった。このことも民主党の躍進、政権交代の実現に一役買ったことは疑いない。 仮に政権ができた場合、閣外協力でも構わないという態度も表明している。志位委員長は「安倍政権を倒すためには何でもやる」とまで明言している。 共産党との連携にアレルギーがあるようだが、大阪知事選、市長選挙では、事実上、自民党と共産党が連携し、自民党は橋下徹大阪市長から「悪魔と手を結んだ」と非難されながらもこの路線を押し切った。 前原氏は民由合併での小沢一郎氏の剛腕を懐かしんでいたが、その小沢氏は共産党の提案に、ただちに大賛成だという態度表明を行っている。 いまでは自民党と公明党の連立は当然のようになっているが、かつては自民党が創価学会・公明党を激しく攻撃したこともあった。政党の合従連衡とは、政権を取るためには手段を選ばないものだ。「昨日の敵は今日の友」などということは、政界では日常茶飯事である。 いまの民主党にとって、共産党の提案は渡りに船ではないか。以前、公明党委員長だった矢野絢也氏が私も含む4人の対談の中で、「岡田代表が代々木を訪問して、頭を下げて協力を求めるぐらいのことをやらなければ駄目だ」という趣旨の発言をされていたことがある。剛腕発揮と言うのなら、こういう思い切った戦術も真剣に検討すべきではないのか。 安倍自民党も盤石ではない 安倍自民党政権の支持率は、若干盛り返しているが、だからといって自民党も決して盤石ではない。 安保法制への危惧の声は小さくない。TPPへの批判も農業を中心に強い。アベノミクスも第1の矢の大胆な金融政策、第2の矢の機動的な財政政策までは、円安や企業業績の改善、株高などとりあえずは成果をあげているが、3本目の矢である民間投資を喚起する成長戦略は上手くは進んでいない。10月16日、官邸で安倍首相や閣僚と経済3団体と企業経営者による会合が行われた。会合の目的は、内部留保を設備投資に積極的に回すよう政府が民間側に求めるためであった。だが依然として民間設備投資は伸びていない。 非生産的な解党論議などに明け暮れるのではなく、安倍自民党と野党第一党としてどう対決していくのか、そのことに神経を集中してもらいたいものだ。 経済政策でも、外交でも、安倍政権はそれなりの成果をあげてきている。この政権に立ち向かうのは、そう簡単なことではない。経済政策で言えば、原発再稼働問題や人口減少と少子高齢化などの進行を考えると経済成長至上主義でよいのか、ということも問われているはずだ。35年後には人口が1億人を割ることになっている。いまより2000万人も3000万人も人口が減れば、経済成長が不可能なことは明らかだ。それでもある豊かさを実感できる日本にしていかなければならない。こうしたことも真剣に検討する時代になっている。答えは簡単ではないが、こういうことを真剣に研究してもらいたい。 安倍首相にとって痛くもかゆくもないスキャンダル追及 そしてつまらぬことをいちいち国会で取り上げるべきではない。ある女性議員が妻子ある男性議員と路上でいちゃついていたとか、ある女性委員長が委員会の開会に数分遅れたからといって吊し上げのような質問をして泣かせてしまうようなことに何の意味があるのか。私など、追及された女性議員に同情心が募った。 何十年も前の下着泥棒の疑惑がかけられた大臣がいるが、それを国会で取り上げて、いったい何になるのか。国民の多くは、国会にそんなことを期待しているわけではない。それどころか冷ややかに見ているだけだということを民主党は知るべきだ。 野党が与党の弱点を突くのは良いことだ。しかし、内容によりけりである。いま民主党がやっているようなスキャンダル追及は、安倍首相にとって痛くもかゆくもないことだ。 TPPやISによるテロなど、日本にとって大事な問題は山積している。これに正面から取り組み、安倍政権に論争を挑んでいく力をこそつけてもらいたい。 国会には、いつの時代にも強力な野党が必要である。それこそが国政の重大事が真剣に議論される前提だからである。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45332
[32初期非表示理由]:担当:関連が薄い長文 |