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JAL厳戒態勢…日本の旅客機と新幹線が「テロの標的」になる
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/169938
2015年11月20日 日刊ゲンダイ
日本もテロに巻き込まれるのか(C)日刊ゲンダイ
18日も激しい銃撃戦が繰り広げられ、テロから5日経った今もフランスは緊張に包まれている。こうなると不安なのが日本だ。イスラム国は機関誌「ダビク」で「安倍晋三の愚かさにより、すべての日本国民が戦闘員の標的となった」と宣言しているからだ。狙われるとしたら、どこが危険なのか。
パリでは劇場などの“ソフトターゲット”が標的となった。テロリストはダメージを与えられるなら標的はどこでもいい。警備が手薄な場所を狙ってくるのは間違いない。
先月末、エジプトで発生したロシア機墜落もやっぱりテロだった。「イスラム国」の関与が指摘されている。空港職員が機内に爆弾を持ち込んだという。日本の旅客機が狙われる可能性も高い。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏が言う。
「テロリストが日本に向かう飛行機をターゲットにすることは十分考えられます。厳しい入国審査をすり抜けて日本でテロを実行するより、現地の方が容易だからです。日本の航空会社は利用者の手荷物はもちろん、貨物室に収容するトランクの中まで厳しくチェックしていますが、国外の空港では同じようにはいかないでしょう。ロシア機のテロは、エジプトの空港職員の関与が疑われています。中東や東南アジアなどの貧しい国々では、貧困層が空港関係者として働いていることもある。日本に向かう便の空港関係者が何者かに買収され、爆発物の搬入に協力することはあると思います。積極的に関与しなくても“トランクの中身に気が付かなかった”と見て見ぬふりをすることは可能でしょう」
「9.11」でテロリストに襲われたのは、アメリカン航空とユナイテッド航空。いずれもナショナルフラッグ級の航空会社の飛行機だった。日本人にショックを与えるために、JALを狙ってくるかもしれない。
■海外出張は緊張を強いられることに
すでにJALは厳戒態勢を敷いている。
「当社社員はもちろん、海外の提携航空会社の関係者も厳しくセキュリティーチェックしています。安全上の問題は全くありません。国外から日本に向かう便も同様です」(JAL広報担当者)
ただ、18日、米国発パリ行きのエールフランス便2機が爆破予告で緊急着陸したように、「脅迫」や「いたずら」でも交通はマヒしてしまう。テロリストが日本をパニックに陥れるのは難しくなさそうだ。
新幹線も要注意だ。今年6月、「のぞみ225号」で男性がガソリンをかぶって焼身自殺し、乗客27人が巻き込まれて死傷したのは記憶に新しい。東海道新幹線は1日平均42万人も乗車する。テロリストが紛れ込んでいても、一人一人完全にチェックするのは不可能だ。
「あれは事故でしたが、テロリストなら綿密に計画を立て、トンネルに入る瞬間を狙って先頭車両を爆発させようとするでしょう。脱線と衝撃波、火災で数百人の死者が出るはずです。機関誌でTATP、HMTDといった手製爆弾の製造方法を公開しています。そこそこの化学知識があれば薬局やスーパーで材料を入手して作れてしまいます」(世良光弘氏)
実際、02年に国内で逮捕されたアルカイダのメンバーのひとりは新幹線の運行システムに関する資料を入手していた。
いまさら、新幹線にユーロスターのような手荷物検査を導入するのは現実的ではないし、ノウハウも持ち合わせていない。出張で飛行機や新幹線を利用する機会が多いサラリーマンは常に緊張を強いられることになる。安倍首相が「イスラム国」を刺激したため、日本もテロに巻き込まれる恐れが強まっている。
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