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2015年11月20日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆米軍は、陸軍、海軍、空軍、海兵隊の4軍と戦時に軍隊となる「コースト・ガード」(沿岸警備隊)の5軍によって編成されている。
大日本帝国でも、帝国陸軍と帝国海軍が、並立して主導権争いを行い、「陸主海従」などと言われて、「セクト主義」に陥り、その弊害によって大東亜戦争(日中戦争、太平洋戦争などの複合的戦争)に大敗し、亡国の憂き目をみた。
軍隊内の「セクト主義」は、米軍においても存在している。それが如実に表れているのが、沖縄県宜野湾市にある米海兵隊普天間飛行場(国連指定施設でもあり、沖縄周辺を運航する米空軍や海軍の航空機も利用)の名護市辺野古への移設だ。
普天間飛行場は、那覇空港から北に約10km、嘉手納空軍基地からは南に約5kmの位置にあり、普天間飛行場はほとんどの航空機を支援できる機能を持ち備えているという。普天間飛行場の移設問題が持ち上がったとき、一時期、海兵隊を「嘉手納空軍基地」に異動させて、空軍と共有させる案が検討されたことがある。
ところが、米海兵隊は「普天間飛行場の海兵隊を嘉手納基地(空軍管理下)へ移設・統合する案」に.猛烈に反対した。米海兵隊としては、「単独で使用できる飛行場」を持ちたかかった。つまり、「空軍と共用は嫌だ」といういわゆる「セクト主義」に固執していた。米国防総省(ペンタゴン)も海兵隊から強い突き上げを受けて、拒否できなかった。
沖縄県も、政府から沖縄振興資金をタップリ支出させようと考え、「辺野古への移設」を選んだ。「嘉手納空軍基地」を共用させたのでは、旨みがないからである。
◆つまり、オバマ大統領、ケリー国務長官、カーター国防長官、安倍晋三首相、中谷元防衛相、菅義偉官房長官らが、「抑止力を維持・強化するには、辺野古移設しか選択肢は、あり得ない」というのは、実は「大うそ」なのである。「抑止力を維持・強化する」ためには、「嘉手納空軍基地」を共用することで十分果たせるからだ。米上院外交委員会東アジア太平洋小委員長のウェッブ議員(元海兵隊員)は、「嘉手納基地への統合するのが最も合理的だ」と発言していたという話がある。
「普天間飛行場の海兵隊を嘉手納基地(空軍管理下)へ移設・統合する案」に反対してきた米海兵隊は、「自分たちだけで使える飛行場が欲しい」と我儘、かつての沖縄県と県民の一部は「国から補償金や新興資金の増額が望める」といういずれも卑しい根性から、「辺野古への移設」にこだわっていると言える。いまでも、「カネの亡者」は、安倍晋三首相、菅義偉官房長官から「札束」で頬を叩かれて、尻尾を振りながら辺野古への移設に賛成している者も少なくない。
◆沖縄県の翁長雄志知事は11月17日夕、県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場移設に関する代執行訴訟が提起されたことを受け、自身による埋め立て承認取り消し処分の効力を国が停止したことに対し抗告訴訟を起こして、全面的に争うと表明している。
安倍晋三首相、中谷元防衛相、菅義偉官房長官は、「抑止力の維持・強化には辺野古しかない」「日米で合意したことは守らなければならない」と強弁しているけれど、「普天間飛行場の海兵隊を嘉手納基地(空軍管理下)へ移設・統合する案」を米海兵隊がタダをこねて反対したという本当のことを、沖縄県が裁判で主張すれば、政府に理がないことが証明されるはずである。
辺野古への移設には、隠された目的、つまり秘密がある。米海兵隊のための飛行場建設と言うのは表向きであり、裏では、ドサクサに紛れて「米原子力潜水艦寄港の基地」をつくろうとしていると言われている。「米原子力潜水艦寄港の基地」なら、辺野古にこだわらなくても、沖縄県内に「良港」に相応しい適地があるはずである。小賢しい、姑息なことを考えて、沖縄県民を騙すべきではない。
【参考引用】
沖縄タイムス11月18日午前7時、「辺野古代執行訴訟 翁長知事会見全文」
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=142017
本日は、第1に国土交通相が代執行の訴えの提起を行ったことについて、第2に沖縄防衛局によるコンクリート製構造物設置にかかる調査結果について報告する。
第1に、代執行の訴えの提起について、本日、国土交通相が福岡高等裁判所那覇支部に対して提起した「地方自治法245条の8第3項の規定に基づく埋立承認処分取消処分取消命令請求事件」の訴状を受け取った。このたびの訴えの提起は法律に基づくものであるとはいえ、沖縄県民にとっては「銃剣とブルドーザー」による強制接収を思い起こさせる。辺野古の美しい海を埋め立て、新基地建設を強行しようとする政府の態度は多くの県民には理解することすらできない。一方で、県外では米軍基地や部隊の移設に対し、政府がたびたび断念していることを私たちは知っている。沖縄に対しては、「安全保障は国の専権事項」と主張し、県外では「地方自治の尊重」をいう政府の態度は完全なダブルスタンダードであり、日本国憲法の理念にももとるものだ。また、米国においては、沖縄に集中する米軍基地はミサイル攻撃に対し脆弱(ぜいじゃく)であるとのリスクが指摘されており、政府の主張する「沖縄の地理的優位性」は逆に安全保障上の足かせになりつつある。それにもかかわらず、「基地は沖縄に置き続ければよい」との固定観念で一方的に基地を押しつける政府の対応は沖縄差別の現れであり、法治国家の法の下の平等の原則に反するものといわれても仕方ない。
仲井真前知事が2期目の選挙において、「普天間飛行場の県外移設」を公約に掲げ知事に就任したものの、その公約を破り、県内移設の道を開(ひら)く公有水面埋め立て承認を行ったことが現在に至る状況を招いたものと考えている。その承認について、県では第三者委員会の検証結果報告を受け、精査した結果、取り消し得るべき瑕疵(かし)が認められたことから、これを取り消した。官房長官は繰り返し「すでに行政判断は出ている」といっているが、埋め立ての承認および取り消しの審査権限は沖縄県知事にある。政府から、私が適法に行った承認取り消しを違法と決めつけられるいわれはない。
首相も官房長官も16年前、当時の知事や名護市長が辺野古基地を受け入れたと言っている。しかし、当時は、代替施設を軍民共用空港とし、15年の使用期限を付するなど厳しい条件を前提に、苦渋の決断の末、受け入れを認めたものだ。その後、条件を盛り込んだ閣議決定が行われたが、2006年に一方的に廃止されてしまった。既に実態を失った16年前の条件付き受け入れ表明を、今になって引き合いに出し、沖縄側が辺野古移設を受け入れているとする政府の主張は事実無根であり、詳しい経緯を知らない国民・県民を欺くための論弁と断ずるほかない。
県としては、今後、訴訟の場においてわれわれの考えが正当であることを主張・立証していく。裁判所には、憲法と法律に照らしたご判断をいただきたいと思う。
第2に、沖縄防衛局によるコンクリート製構造物設置に関して県が行った調査の結果だが、当該構造物の設置に伴い岩礁破砕がなされたかにつきましては、残念ながら判断することはできないとの結論に至った。ご承知のとおり、半年以上も立ち入り調査が認められず、その間、台風などの影響か、あるいは人為的関与があったのか検証は不可能だが、いずれにしろ2月時点に比べ、9月の現況調査では構造物周辺に相当の変化が認められ、海底地形の改変の痕跡が一掃されてしまったような状況だった。本来、県は許認可権者として速やかに現状確認を行えるのが当然だが、本件では政府の不条理極まる対応により、結果として、このような結論に至ったことを誠に苦々しく思っている。
最後に、私は保守の政治家としてこれまで政治に携わってきた。日本国を大事に思い、日米安全保障体制に理解を示している。だからこそ、国土面積の0・6%にすぎない沖縄県に米軍専用施設の約73・8%を集中させ続けるという状況に甘んじることなく、安全保障について日本全体で議論し、負担を分かち合っていくことこそ、品格ある、世界に冠たる日米安全保障体制につながるものと信じている。沖縄の将来にとって、自然豊かな辺野古の海を埋め立て、県民の手が届かない国有地に、耐用年数200年ともいわれる基地を建設することは、やはり何があっても容認することはできない。私は、今後とも辺野古に新基地は造らせないとの公約の実現に向け、不退転の決意で取り組んでまいる。県民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げる。
【一問一答】
−これまで銃剣とブルドーザーなど沖縄の歴史について発言してきたが、口頭弁論の中でどのような主張をするか。沖縄の基地問題の歴史に触れるか。
知事 まだ具体的にたとえば時間的な問題とか、日にちの問題とか、まだつめるところがあるようなのでその辺のことについて話をするのは難しいところだ。それと別にして話をさせてもらうと、私の意見を申し上げる機会があるならば、今回、海上での銃剣とブルドーザーの様相を呈してきているということは、やはり沖縄県の自己決定権のなさについては、70年前も今回もそうは違わないなというようなことを、今度は米軍ではなくて日本政府が法律を盾にとって、やることだが、この法律も私どもからすると、なかなか合点がいかないということだ。そういったことは大変重要なことではあるが、客観的にどういう形で意見の陳述をするようなことがあるかどうか分からないので、この件についての私の考えも裁判で言うかどうかは少し保留にしたい。
−政府は訴状の中で行政処分の信頼・安定性確保のため、違法な行政処分であってもその取り消しは制限されていると主張している。
知事 私は先ほどの報告の中で、埋め立ての承認および取り消しの審査権限は沖縄県知事にあるということを申し上げた。だから政府から私が適法に行った承認取り消しを違法と決めつけられるいわれはない。そしてまた、国と県の係争処理委員会に申し出た中で、やはり国がダブルスタンダードで私人と国というものをごっちゃにして、私は目くらまし戦法と言ったが、法律的には普通は考えられない。そういったような状況をもって物事に対処するようなものについてはたいへん残念に思っている。だから今回ももろもろの今日までの経緯については沖縄県の正当な主張、権利として今日までやってきたというふうに思っている。
−裁判に臨むにあたって、これまでの国の手法をどうとらえているか。
知事 つい先日、県から公開質問状を国に提出した。その意味では、まともな回答はないわけだが、その中で、いわゆる法律というのは、なかなか国民、県民が理解をしにくい。そしてまさしく今回のものは行政法学者でも多くの方が、連名でおかしいというような形で記者会見をしている。国が米軍基地を造るに当たって私人としてそれを行ったことを理由に、一つはこの裁判をやった。それから今度は、代執行の場合には、まさしく国としてそれをやっていくということなので、これの分かりやすい説明をお願いしたところ。菅官房長官などの記者との質問のやりとりなどを私なりに見させてもらっているが、やはりまともなこれに対する説明がない。自信があるならば「県はこう言っているが私たちはこう思う」という、国民や県民への説明があってしかるべきだと思う。しかしそれもないまま、国は法治国家であると。前(知事)の行政判断がすべてだと。あるいは先ほど私が否定した、19年前に知事も名護市長もOKしたんだというような、国民が過去の経緯も分からない中で「なるほど」というような形で物事を押しつけてくることについては、私はたいへん遺憾に思うし、法治国家というよりは、すれすれ法治国家という感じがする。いわゆるこれから日本国民として若い人たちが成長していく時に、社会一般のあり方というものが、こういうふうに強引に押しつけるんだと、いうようなことをみるときの順法精神というか、法律に関しての考え方、国と地方自治の考え方、こういったものについて大変残念な結果になるのではないかと思っている。
−県が裁判を闘っている間、国は本体工事を進めていく。これに対して抗告訴訟を起こす考えは。
知事 先ほど来申し上げているとおり、沖縄県の主張は正しいというような形で物事を進めているので、まずはそれをご理解いただけるような判断をもらえるという形で突き進んでいきたい。そういう中で、裁判というものはいろんな場面が想定されるので、私どももあらゆる手段を尽くすということは、そういった面でも変わりはない。抗告訴訟については、これも一つの考え方としては十二分に成り立つものだと思っている。だからこの推移を見極めながら、こういうことも視野に入れながら、物事を進めていきたい。弁護士の先生方とも相談しながら、時期的な問題などもあろうと思うので、判断していきたい。
−選挙で選ばれたのが昨年の11月16日。ほぼ1年たった今日の日に裁判になった。1年を振り返りながら受け止めを。
知事 去年の昨日に当選をして、選挙期間中に訴えてきたことを公約として一切ぶれることなく、やっていく決意を確認した。沖縄の政治が、県民の政治に対する考え方に対して初めて追いついたと思う。県民の皆さま方は心を一つにして、沖縄県の歴史を思い、今日の状況を思い、県民の誇りを大切にする中から豊かさを考えてもらいたいということを政治的にも、ただイデオロギーで対立するのではなく、この思いを共有できるものをやってもらいたいというものが強くあったと思う。それで当選して私自身、それを胸に描きながら今日まで来た。何度も申し上げているが、(政府の閣僚に)お会いすらできなかったのが当初なので、4月ごろから各閣僚とお会いできるようになり、その以降、国民の世論調査でも私たちにとってありがたい結果が出てきたというような状況。それからワシントンDCとか国連にも行き、世界的な意味で訴えもできた。それが相当の国で記事になったことも資料として持っている。その意味では私たちが沖縄の尊厳をかけて、あるいは日本の品格ある民主主義を求め、あるいは日米安保体制の世界における品格を、そういった問題からいいかたちで訴えがご理解をいただけてきたのではないかな、という意味ではこの1年間、去年の今ごろの想像よりは私どもの思いを伝えるという意味からすると、多くの方々に伝えられたと思っているが、いかんせん、日本政府にはそれがなかなか通じていないというようなことだ。だからこういう形で法律的なところまで来たと思うが、しっかり主張しながら物事のあり方、本質を県民や国民に見ていただきたい。
記者 20年前の(大田県政での)代理署名訴訟で県と国の法廷闘争になった。そのころ、知事は自民党県議だったと思うが20年たった今、今度は被告として国と対峙(たいじ)する。20年前の訴訟で(県が)訴えられた、今回また訴えられることをどう考えるか。
知事 前にも触れたが、菅さんの言葉の中に「15年前はあなた(知事)は辺野古を認めていたじゃないか」と言うような話がある。そういう話をすると、自民党の国会議員含め県の関係者はみんなはほんの2、3年前までは総じて県外(移設)だった。総じてひっくり返ったことを考えると、そういうことを題材にするのであれば、2、3年前に(当時の自民党幹事長だった)石破さんが5人の国会議員を前にあのような会見したことの反省が国として政府としてないのではないかと思う。20年前の話を思い起こすと、私も20年間の長い期間は、私自身の思いと政治的な表し方は大変苦渋の選択もたくさんあった。稲嶺さんの軍民共用で、基地を認める15年で返してくださいといったのは、基地を認める代わりの県民のほとばしる気持ちを表現して理解した。本当は嫌だと言いたかったけど、今も言われるような「日本政府と対立するのか」「お前たちは独立するのか」と、ほかの都道府県の人たちには言い得ないような言葉を言ってくるような形があの時にあった。その思いを持ちながらやってきたことの検証、官房長官はもともと沖縄の歴史は分からないとおっしゃっていたので、どんなに説明しても分かりにくいと思うが、いずれにしても、そういった気持ちを持ちながら沖縄の政治家も一人一人今日まで来ている。(元知事の)大田さんのあの時の出来事も、私たちからすると、ほかの政治家もすっきりと物事を進めたのではなく、県民同士で苦渋な気持ちを持ちながら、それぞれの寄って立つところ、20年前の価値観に基づいて、冷戦構造が終わったばかりで、村山政権ができた時でもあったので、世界的な背景を含めての政治的な一つ一つの表し方だと思うので。20年前からすると、私が去年当選したときに、こういうふうに思いましたよと、県民の気持ちに政治が近づいてきたなと、これは20年かけて、苦渋と言いたくても言えない気持ちが、20年かけて県民の気持ちを政治が表すことになった意味では、私は沖縄県が大変強くなったのだと思う。
−20年たって、またも沖縄県が国から訴えられることはどう考えるか。
知事 国という意味では、まったく変わらないと言うこと。世論調査、あるいは民間のやっている辺野古基金とかで多くの本土の国民がご理解をいただいている現状がある。日本国民全体で沖縄の加重負担を理解し、沖縄振興策も従来考えているような法外な振興策ではなく法律にのっとって(米軍統治の)27年の穴を埋めるという形で物事が推移する中で、一番沖縄をもらっている訳ではない、基地で食べているというのは該当しないと理解いただいている。そういったことを踏まえると、多くの国民がそういったことに気づいた。政府はそれを知っていても日本の安全保障、中国の脅威と言って、他の46都道府県には何らしわ寄せをしない形で、沖縄で物事を処理しようとしているところが、この20年間で変わらない。しかし国民は変わったということは、大変思い、考えがある。
−今の政府の立場は、おそらく辺野古に移設することが宜野湾市民の危険性除去で一番早いという立場だが、宜野湾市長選でも争点になると思うが、知事は宜野湾市民の危険性除去をするためにどういうことが一番早いと考えるか。
知事 私はまず、菅官房長官が「普天間の危険性除去」というそのものが大変疑問だ。早く(辺野古新基地建設)やることで、宜野湾市民、あるいはその周辺の危険性除去をする気持ちは、まったく私に「なるほどね、日本政府も温かい気持ちを持っているんだね」とは伝わらない。なぜかというと、一昨年前、前知事が承認にいった四つの項目の一番大きな内容が普天間の5年以内の運用停止だった。あれは私が選挙に当選する8カ月前が起点だが、その間何もしていないし、米軍は何も聞いていない。もともと5年以内の運用停止はなかったのではないか、あるいは極端に言うと(前知事と政府の)双方が理解しつつ辺野古の埋め立てにつなげていったのではと。今思えば疑問もある。そして、普天間の危険性除去というが、辺野古は順調にいって10年、万が一いろいろ想定される中で15年かかる。それは固定化と言わないのか。10年15年はどういうことかと(県と政府との)集中協議で質問をしても、まったく返事がない。それぞれ仕方がないと考えているのか。私どもがんばって20年、30年(造らせないと)がんばれば普天間は動かないのか、新辺野古基地ができない場合は普天間は固定化するのかという話をしても返事がない。そういった状況証拠を踏まえると、普天間は老朽化、賞味期限切れ。宜野湾市民のことを考えているのではなく、新しいもっと強力な基地がほしいんだという表れが、辺野古の160ヘクタール、軍港機能があり、弾薬庫が配備され、V字型の2本の滑走路になる。宜野湾市民への愛情ではなく、あくまで日米安保体制、あるいは日本の独自の防衛の思いのためではないかと考えざるを得ない。菅さんの言葉の中には愛情は感じられない。大変、政治的にクールに物事をやる中に、やはり沖縄は他の都道府県と違うと見せつける中で今の物事が一つ一つ進んでいるのは、沖縄知事としては当選させていただいて、私がやるべき事ははっきり分かっているつもりだ。
−先日、自ら意見陳述をしたいとの意向を示したが、12月2日に弁論となるが、知事自ら意見陳述する思いに変わりはないか。どういった思い、決意で臨むか。
知事 思いはまったく変わらないし、かえって、そういった機会をいただければ全力でやりたい。ただ、ちょうどこれから、弁護士の先生から聞かないと分からないが、これからの進め方についてなどが話し合われているようなので、その中で、形式的物理的に不可能なことがあるのかどうか、私には分かりませんので、気持ちとして、ぜひそこで話をしたい。
−法廷に立って意見を述べる意義、意味合いは。
知事 一番は昨年の10万票の大差で勝った民意。そして一連の四つの選挙で勝った民意は同じ考え方を申し上げて全員当選したので。そういう思いを胸に秘めることになる。そういった中で、いろんな私どもの意見書、弁明書など、第三者委員会の判断もあるので、客観的な意味でも新辺野古基地は造らせていけませんよと。加えて、沖縄の置かれてきた歴史的にいくら何でもひどいじゃないですかと。人は、忘却とは忘れ去ることなりと、昔からあるが、日本の国の在り方として、やられ損というか、いったん何か起きたら、沖縄はこうした長いものがある。福島の問題にしてももう4、5年たって、だんだん厳しい状況になっている。特に安倍晋三首相は、米との交渉の時だったか、アンダーコントロールと発言した時に、びっくり仰天した。あんな大きな事件、事故、人類の生き方に関するもので、あれだけの段階でアンダーコントロールという言葉を使い、切り離してしまう。このことが、沖縄では象徴的に表れている。これからも核のごみの問題や地方自治に関する重要な問題が出てくると思うが、あのような姿勢でやられれば、日本の国の中で皆で助け合おうと言うことを政府自ら壊している感じがする。
−今回、裁判になったことで一つの決着、司法判断が下される。その判断に知事はどのように対応するか。矛を収めて政府と対話をするのか、それとも、なおあらゆる手段で闘い続けるのか。それに伴い、政府からは設計変更などの申請も来ると思うが、そうしたものにどう対応するか。
知事 まず、それは私どもに質問するより政府に聞いた方がいいのではないか。私たちの負けを想定するのではなく、政府が負けたときは辺野古はやめるんですねと、ぜひ聞いていただきたい。私どもは私たちの考えは正論、正しい権利を主張しているので、その意味ではまったく、そういった想定に答えるのは今の時点で意味がないと思う。
もう一つは設計変更は、許認可権者として当たり前のことなので、前知事が留意事項として事前協議や環境監視委員会など、あれは私ではなく、あの前知事でもそれはやってちょうだいと、5年以内もやってちょうだいといったことが全部ほごにされつつあることが問題だ。いわゆる設計変更などについて、事前協議を含めては大切なことで、当然のことなので私自身もしっかりと検証したいと思う。
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