前日からの偏頭痛が残っていたので、集会には遅れて参加した。地下鉄の代々木公園で下車、地上に出ると雨が降っているではないか。家を出るときは晴れていたのに、NHK西門前のコンビニの傘は売れてしまわないかな、と。 公園沿いに急いでいると、音楽を流しながら街宣車がやってくる。今日の集会のかしらと、車体の横断幕をみると「NHK職員の給料は、民間平均の4倍!」等の大きな文字が見える。これって今日の集会の横断幕ではないはず、ここまでえげつないことは言わないはず? その横断幕の下の端に「籾井会長頑張れ!」の小さなポスターがあった。そういえば、NHK近くで、田母神氏らの団体も集会を開いている由、聞いていた。彼らの言う、NHK職員の高給は知られるところで、平均1200万円(籾井会長は3000万)というから、私とても叫びたいところだ。籾井会長にはやめてもらいたいが、職員には「給料に見合う仕事をしてください。何しろ、その財源は受信料なのですから」と。
集会中の列を縫って、 まず、傘を買おうと、コンビニに向かう途中で、佐倉の知り合いに出会った。傘なら、まとめ買いした一本が残っているからと、ビニール傘を差し出してくださった。カンパですよ、との言葉にありがたく頂戴した。知っているだけでも佐倉からは8人が参加していますよ、とのことだった。事前にチラシを配ってくださったMさん、メールで拡散してくださったSさんも。
肝心の集会は、すでに終盤、リレートーク7人の最後は、沖縄辺野古で基地反対活動を撮り続けている映画監督の影山あさ子さんだった。前にもシンポジウムのパネリストとしての発言を聞いたことがある。沖縄の基地反対運動の実態を克明に撮影して来て見えること、ほとんどのメディアがその実態を伝えていないこと、とくにNHKは豊かな人材と機器を持ちながら、遠く離れた地点から、あるいは上空から取材するだけだという。しかも、ふだんの取材はなく、何か「ヤバイ」ことが起こりそうな時だけ、どういうわけか取材に現れるという不思議も語っていた。また、東京から派遣された機動隊員は、朝の30分で、座り込みの人たちを排除して、一泊1万円もするホテルに引き上げるという。ほかにする仕事はないらしい。「本工事に着工」と本土のメディアは報じるけれど、なにも始まってはいない。既成事実をつくるのに手を貸しているメディアが少なくない中で、零細の映画製作者の影山さんたちは、潜水をいとわない取材、そのためにはカヌーが欲しいという。皆さん一度辺野古に来てください、と締めくくった。メモを見るでもなく、堂々とした話しぶりだった。
NHK西門前からデモ出発点の宮下公園までは、歩道での移動であった。8月25日の第1回NHK 包囲行動の時の帰り道と同じコースである。週末だけあって、渋谷駅に近くなると、さすがに街はにぎやかでもあり、眩しいくらい華やかにも見えた。公園での小集会、一緒に歩いた知り合いの東京のSさんは、公園の隅に、大きなミカンの木と沢山の実をつけたキンカンの木を見つけた。よくも人知れずこんな街中の公園にと二人で感心したのだった。私は、出発までに、まだ実行委員の手元にたくさんあったデモコースが載るチラシと「NHKは政権の介入に屈するな!」「安倍政権はNO,報道への介入をやめろ!」などのプラスター、まだの人いませんか、お持ちでない人いませんかと配ってみた。
いよいよ、デモの出発。NHK正門前の交差点では、「NHKをアベチャンネルにするな」「マイナーバーで受信料を徴収するな」「籾井会長やめろ」のコールも一段と盛り上がる。公園通りを渋谷駅に向かえば、歩行者は俄然多くなるが、このデモは?パレードは何?といった表情で、立ち止まる人、信号を待つ人も多いので、手元に残るチラシを撒くことにした。若いカップルはチラシになかなか手を出してはくれない。なかには「ゴメンね」とことわる高校生もいる。グループで歩いている人たちはおしゃべりに夢中だ。受け取ってくれるのは中高年の男性が多い。中年の女性に声を掛けたら、「バスが遅れて困っているのよ」と叱られてしまった。さまざまな反応を見るのが楽しみというのも、図々しくなった証拠、年の功?だったりして。
偏頭痛は、すっかり消えていた。歩いたのがよかったのかもしれない。
デモをする人々、沿道の人々・・・
11月9日のNHK世論調査報道によれば、安倍政権への支持率47%、不支持39%の由、8月の調査では、支持37%、不支持46%だった。この結果をどう見るのか。
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