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パリの惨劇は対岸の火事ではない AP/AFLO
東京がISテロの標的になる可能性「十分あり得る」と専門家
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151117-00000010-pseven-soci
NEWS ポストセブン 11月17日(火)7時6分配信
フランス・パリの中心部で起きた同時多発テロ。一版市民や観光客など120人以上が犠牲になった無差別テロの恐怖は世界中に広がっている。
フランス政府は、声明を出しているイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国(IS)」による犯行と断定。「シリアのイスラム国拠点を空爆したことに対する報復ではないか」との見方も広がっている。
だが、「もはや過激派テロ組織のターゲットは欧米だけにとどまらず、日本が狙われてもおかしくない」と指摘するのは、青森中央学院大学教授で、国際テロリズム研究を専攻する大泉光一氏だ。同氏が日本の脆弱な危機管理体制に警鐘を鳴らす。
――今年は湯川遥菜さん、後藤健二がイスラム国によって拘束され、殺害される事件も起きた。日本人が過激派集団に狙われるリスクは高まっている。
大泉:安倍首相の中東訪問によるイスラム国対策費の支援表明に続き、湯川さん、後藤さんが殺害された後に「テロには屈しない」というメッセージを世界中に発信したことで、日本人が過激派テロ組織に命を狙われる危険レベルは、欧米人と何ら変わらなくなっています。
イスラム国は中東地域にいる日本人のみならず、インドネシアやマレーシアなどイスラム教徒が多い国の支持者を使い、日本の大使館を攻撃するよう呼びかけているとの報道もありました。東南アジアは日本からの進出企業も多く、家族とともに暮らす駐在員もたくさんいます。そういう意味では日本人が標的になる危険性は世界中に広がりつつあります。
――フランスの惨事ように、日本国内で大規模なテロが発生する可能性もあるか。
大泉:もちろん可能性は十分にあります。日本には過激思想を持つイスラム教徒の不法滞在者もいますし、ネットの勧誘に賛同してテロに参加したいと思う日本人の若者が出てきても不思議はありません。
もちろん、日本ではフランスのテロで使われたようなカラシニコフ型の自動小銃など銃火器を入手するのは困難ですが、爆発物を製造するのに転用可能な薬物は容易に調達できます。こうした爆発物を大量にトラックに積んで建物に突っ込まれたら、ひとたまりもありません。
――狙われやすいのは、フランステロのようにライブ会場やレストランなど人が多く集まる場所か。
大泉:そうです。テロ集団は一人でも多くの被害を与えることが目的なので、人口密集地を狙う。日本でいえば首都の東京です。また、劇場やホールなど「密室」で大人数が集まるところは、昔からテロの標的になりやすい場所と言われています。今回のように多くの人質を取りやすいことがその理由です。
――日本ではテロ対策強化策として、イベント会場の手荷物検査などは厳しくなっている。
大泉:いくら会場の入口で手荷物検査を強化しても、フランスのように外から侵入、襲撃されれば意味がありません。
――では、どうすればいいのか。
大泉:テロは“見えない敵”。どこからどう襲ってくるか分からないため、完全に防ぐことは難しいと思いますが、日本のようにマニュアル型の警備・治安対策ではテロ集団の思うつぼです。
まずは、不審者の身体検査を強化できるようにするとか、化学薬品の取り扱いを厳しくするなど、法的な面の洗い直しをする必要があります。そして、国民も街中でもっと目を光らせ、不審者や不審物に警戒するような意識を持たなければなりません。人を疑わない国民性は日本人の良い点ではありますが、これだけ世界中の治安が悪くなる中、日本も決して安全な国ではないのです。
来年は伊勢志摩サミットがありますし、2020年には東京五輪もあります。国際的なイベントはテロ組織にとって存在感を見せつける格好のターゲットになり得ます。日本は今後、いかにテロ対策でソフトとハードの充実を図ることができるか――。大きな課題を抱えたままといえるでしょう。
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