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現憲法の恩恵受け長続き 東京国際大名誉教授 原彬久氏
――なぜ自民党は長続きできたのでしょうか。
「社会主義的な政策をも取り込んだ包括政党だったからだ。GHQ(連合国軍総司令部)の実力者ホイットニーは憲法原案を吉田茂に手渡した際、『あなたたち反動的保守が生き残るにはこれを受け入れるしかない』と言った。事実そうなった。つまり『左への急旋回』を強制され、保守は中道化して生き永らえた。皮肉なことだが、自民党を含む保守勢力は現憲法から恩恵を受けてきた、といえる」
「一方、自民党のライバル社会党は『ソ連型社会主義』を目指して反体制化し、政権担当能力を持たなかった。例えば自民党が汚職で弱体化しても、野党が依然として弱ければ自民党は相対的に『強い』ということになる。もし日本に西欧流の社民勢力が育っていれば、少なくとも、池田内閣以降何度か政権交代があったはずだ。そうなれば日本の議会制民主主義はもっと発展していた」
――吉田の軽武装と岸信介の自主独立の2つの路線が併存しました。
「岸は『吉田はマッカーサーの下請けとして米国への従属構造をつくった。自分はそれへの挑戦者』と位置付けていた。戦後、A級戦犯容疑者として巣鴨プリズンに勾留されたわけだから、マッカーサー主導の戦後体制とは相いれない道理だ。現憲法もその一つ。独立後も在日米軍の既得権益の存続を認めた旧日米安保条約には不満だった」
「本来ならばまず憲法を改正して集団的自衛権行使を可能にし、陸海空の防衛軍を持ち、米国に『グアムやサイパンぐらいは日本が守ってやる』と言えるようにして安保を真の相互防衛条約にしたかった。改憲は容易ではないぞ、ということで安保改定が先になった。だから、双務性に欠ける新条約にも岸は満足していなかった」
――岸は国民年金創設などにも尽力しました。
「岸の社会主義は根っこが深い。学生時代に北一輝の国家社会主義に傾倒した。北は私有財産を制限し、私企業の利益を労働者に配分すべきことを主張している。岸は戦後、社会党から選挙に出ようとしたくらいだ」
――安倍晋三首相に岸的な要素を感じますか。
「著書『美しい国へ』を読んでそう思った。実際、政府主導で経済を動かそうというアベノミクスには統制経済の要素がなくもない。規制緩和を進める一方で、経営者側に『賃金上げ』を迫るのは安倍政権の特徴をよく示している」
[日経新聞11月14日朝刊P.6]
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