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日本はテロとの戦いにかかわってはいけない
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2015年11月15日 天木直人のブログ 新党憲法9条
きょうの各紙はパリの同時多発テロ事件の事ばかりだ。
それほど衝撃的な事件が起きたということだ。
しかし、誰も気づかないが、パリの同時多発テロの直前に、やはりISの自爆テロがレバノンで起きていた。
きのう11月14日の東京新聞が、一段の小さな見出しの下で、カイロ発中村禎一郎記者の記事として書いていた。
レバノンの首都ベイルートで12日、自爆テロが相次ぎ、少なくとも43人が死亡し、200人がけがをした、ISが犯行声明を出したと。
私が注目したのは、この自爆テロがヒズボラの拠点をを狙ったテロであったと書かれていた事だ。
そして、ヒズボラが、「テロリスト(IS)との戦いを続ける」とすかさず声明を発表をしたと書かれていたことだ。
ついに究極の戦いがレバノンで起きたのだ。
そしてレバノンで起きることはいつも中東情勢を予言する。
私がレバノンにいた時、レバノンで起きるテロは反米武装抵抗組織であるヒズボラによるものだと相場が決まっていた。
しかし、事情通が私に言っていた事は、本当の脅威はスンニ派のテロだということだった。
すなわち、イランの影響下にあるシーア派のヒズボラのテロは、米国の中東支配に抗するイランの代理戦争のテロというべきものだ。
だから外交的に解決することは可能だ。
しかし、スンニ派原理主義のテロは、イスラムの教えに背いた堕落したサウジ王制に抵抗するテロだ。
より狂信的で、激しく、外交的に解決出来ないテロだと。
ISのテロがサウジアラビアの王制を倒した時、中東の本当の混乱が始まる。
このレバノンにおけるISのテロのニュースのほかに、もうひとつの重要なニュースが、やはり今回のパリの同時多発テロ事件の直前に報じられていた。
すなわち、かつて対立関係にあったアルカイダとISが共闘し始めたというのだ。
今度のパリの同時多発テロもアルカイダとイスラム国の共謀だと推測されている。
もしこれが事実なら、テロの勢いはさらに強化される事になる。
どちらもスンニ派であるアルカイダとISの共闘が、最後に向かう究極の敵は、やはりスンニ派のパレスチナ人を弾圧するイスラエルである。
そしてイスラエルのパレスチナ弾圧は、国際社会の無関心をいいことに、第三次インティファーダ(パレスチナ人の人民蜂起)を起こすほどに深刻な事態を招いている。
アルカイダとISが手を結び、パレスチナ武装抵抗組織ハマスを支援するようになれば、イスラエルを巻き込だ中東戦争が起きる。
いわゆる最終戦争だ。
そうなれば、もはや外交は一切通用しなくなる。
いくら欧米の主要国が、対テロ戦争で結束を謳っても、中東情勢の根本問題を解決出来ない限り、事態は悪化するばかりだろう。
パレスチナで、イラクで、シリアで、アフガンで、イスラム教の弱者たちが不条理に苦しめられている中で、同じく差別され続けている世界中のイスラム教の弱者たちが、自爆を覚悟でテロに参加する。
それを欧米の強者、支配者が、対テロ戦争を叫んで、結束して押さえつけようとする。
そんな対テロ戦争が終わるはずがない。
日本はそんなテロとの戦いに関わってはいけない(了)
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