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2015年11月15日
前原、細野の民主党解体論は、おそらく、自分たちの政治家としての存在価値が危うくなったことによる仕掛けと解釈できる。ただ、海外逃亡のスケジュールを詰めこむに良いだけ詰め込み、逃げまくる安倍政権が憲法違反(奴らは解釈の違いと言っているが)までして、臨時国会を開かないのだから、永田町ネタが殆どなく、あちこちとほじくり返してパンツ泥棒でひと騒動していた状況だけに、マスメディアの政治部の連中にしてみれば、飛んで火にいる夏の虫並みの好材料、寄ってたかって弄りまわしている。
今や消滅の危機とさえ言われている民主党で、まともな役にも就いていない前原誠司にしてみれば、個人的にも存亡の危機に面していた。つまり、水面下の小沢一郎の裏工作が身を結び、共産党が『国民連合政府』などと云う構想をぶち上げたおかげで、岡田も目を白黒させただろうが、外野に置かれた前原誠司にしてみれば、生きた心地もしなかったに違いない。メディアへの露出が少なすぎると焦っていたのが実情だ。そこで、起こしたのが、口先介入政治は十八番なのだから、口先誠司たらんと行動するのは、彼の基本中の基本原理だ。
しかし、口先誠司だと知っていても、永田町ネタのないマスメディアの記者連中にしては、最高の餌だった。もうダボハゼ状態で入れ食い状態になっている(笑)。前原誠司は、テレビのニュース番組にも引っ張りだこで、もう有頂天だ。“共産党はシロアリだ”等と野田佳彦張りの嘘をかましている。共産党がシロアリなら、民主党や前原グループは蛆虫だろう(笑)。おそらく、松下政経塾出身者が、民主党の現執行部、岡田と枝野を突きまくっているのが真実だろう。現実には、マスメディアが取り上げている十分の一の力量もないものと思われる。
仮に松野や江田の維新と新政党作ったとしても、以前の“みんなの党”や“日本維新の会”のような第三局現象は起きないだろう。構造的には、市場原理主義、超親米体質、軍産複合企業体質なわけで、自民党の玉石混交よりも、より右寄りな連中の集団を想起させる。今は自民党内の反安倍勢力も、安倍官邸のあまりの強権支配に度肝を抜かれ、殻に閉じこもっているが、いずれ春が来たと思えば、ノコノコとリベラルな立場を取るだろうが、何せ「日本会議系」の勢力には、暴力辞さずの人間も多数いるだけに、政治生命の前に、生命そのものを奪われる恐怖を味わっているのだから、致し方ない部分もある。しかし、松下政経塾中心の彼らは、高市総務大臣よりも右派だ。
おそらく、裏官邸からの援護射撃もあるのだろうが、明らかに共産党の構想に度肝を抜かれて動きだした前原の動きだ。岡田と枝野が、共産党が提示した『国民連合政府』に一定の評価をしていることに焦ったのだろう。多分官邸も慌てている。江田にしても松野にしても、それ程政治力があるわけではないし、前原、細野に政治力がないのは、万人の知るところである。共産党が提示した「場合によれば、閣外協力も辞さない」に、民主党のコアは強く反応している。
前原は読売とのインタビューで≪なぜかというと自由党との合併が大きかった。小沢一郎さんという剛腕がいて『党名も民主党でいい』『政策も民主党のままでいい』とおっしゃった。小沢さんはおそらく軒先を借りて母屋を取るという自信があったのだと思うが、それぐらいの度量を持って、どうやって野党をまとめて自公の対抗勢力を作っていくか、これしか考えていない≫と言っている。そして、民主党を出ていく気はない。単に、問題提起だと言っている。昔の前原仙谷ライン時代と変わっていない。共産党の志位委員長の方が、よっぽど気風が良い。まさに、小沢一郎張りの勝負に出ている。
仮に本気であったら、事前に江田、前原、細野会談をするぞ、するぞと、マスコミに垂れ流すわけがない。検察のリーク以上に貧乏くさいが、あまりにも暇を持余していた永田町のメディアブローカーには美味しい政局話だったと云うだけだ。前原は、今頃になって、「理念や政策を一致させて」なんて幼稚園児のような事を言っている。理念や政策が一致しているのは日本会議や軍産複合企業との関係だろう。それでなくても「理念や政策を一致させて」が出来ないから、現存の政党があるわけだ。
明らかに、パワーがあり、インパクト抜群で、現実路線に近いのが、共産党の『国民連合政府』構想だろう。兎に角、理屈抜きに、立憲主義に徹した政治に戻ろう。つまりは、共産党から、民主主義の原点から出発し直しましょうと言われたのだから、如何に、現在の自民党や公明党、維新系の連中、民主党の連合頼り政党では、間違いなく民主主義の原点さえ違えている。
まあ、筆者の場合は、個人的に21世紀におけるデモクラシーの制度疲労。グローバル世界における、国の目指す方向は日本独自の道もあると思うが、その点は言い出すときりがないので、現時点では、前原らの、騒乱口出しにウカウカと乗らないことだ。まあ、枝野は、その辺は読んでいるだろう。そう期待する。
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