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前原、細野ら民主党右派がこのたび党の「解散」を求めるという行動に出ようとしていることには、いくつか理由・狙いがあり、そのうちにはかなり危険なものがある。
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「阿修羅」では、右派なんか追い出せとか、自分から出て行ってしまえ、とかいう言いかたも見られる。
しかしもちろんそうはならない。
まず、彼らに党規違反・処分理由がないのだから「追い出す」ことはできない。(今回の行動が処分ものだという向きもあるが、とりあえず、そんなことにはならない。)
自分から「出て行く」ことは、次の理由から、ない。
第一の理由は、言われているように、金だ。自ら脱退したら、その年の政党交付金の分け前がない。
第二に、これも言われているように、維新の党の・とくに比例選出議員たちと合同することは、既存の「民主党」があっては、できない(公職選挙法)。
そのためには「新党」でなくてはならないが、上の理由から、自ら脱退し分派として新党をつくることはできない。
だから、第一と第二の合わせ技として、維新と合同して「新党」を形成するためには、その前提として、今ある「民主党」は解党・消滅しなければならない。
以上は既に言われている、客観的に明らかな、大きな理由だ。
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しかし、さらに考えられる理由が、2つある。
第三の理由。
イメージされるのは、国鉄解体・民営化のときの、従業員(労組員)のあつかい。
つまり、一度は全員解雇して、選別・再雇用するとしたあのやりかただ。
今の場合でいえば、民主党は解党(解散・消滅)して、その大多数(と彼らは考えている)が再結集し新党を結成する。そしてその過程で、気に入らない部分は切って捨てる(=受け入れない)、これが彼らの狙いだ。
これなら、何の処分理由もなしに・合法的に左派(?)を排除することができる(と彼らは考えている)。
これだけでもかなり危険な、警戒すべきことだと思う。
この場合にはその危険の行く先は、右派連中の考えるように左派が少数派として切り捨てられる結果になるのか・あるいはその逆か、結局いずれが沈没・消滅のみちをたどるのか、は勢力分布しだいということになる。(かつての日本社会党 → 社民党・新社会党の変動のときを思い出してみればよい。)
しかし、これまでの民主党を見れば、ほおっておけば多くの部分が雪崩をうって右派へ=維新と合同し右寄りな新政党を結成しようというがわへ身を寄せていくことになりそうだ。
だからわれわれ国民はこれを監視し、右派への批判を強め、彼らには国民の支持がないということを示していかなければならない。左派をはげまし強めていかなければならない。
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かなり危険な、第四の理由がある。
戦争法成立後のいま、自民党(およびアメリカ)の次の狙いは、「改憲」である。これが仕上げだ。
そのためにはいきなり本丸の「九条」でなく、とりあえずは「国家緊急事態」条項の整備あたりからだろう。まずは国民の「改憲アレルギー」をマヒさせる。
さきの国会(閉会中審査)でも、わざわざ与党質問でとりあげ安倍首相に滔々と答弁させるなど、その狙いは明白で、しかも急いでいる様子がありありと分かる。
なぜかくも急ぐのか。それは彼ら(およびアメリカ)から言わせれば、急ぐ理由・必要はつねにあるだろう。
そして時期的には連中は、戦争諸法の成立した今こそ、ここぞとばかりに「改憲」ムードへ進むべきときだと見たのだろうか。
むしろその逆の想定こそ、危険な、警戒を要するケースだと思う。
つまり、戦争法は成立したが、ムードはとてもじゃないが「一気に改憲へ」なんてものじゃない。つぎの参院選勝利もおぼつかない。
と、彼らがこう考えた場合だ。
もちろん、自民党は正面切ってそう宣伝してくるだろうが、「つぎの参院選で自公その他の改憲勢力の勝利、3分の2を占め=国民の支持を得て、改憲の発議」の場合も、大いに警戒し阻止運動を強めなければならないことに変わりはない。
しかし連中がその逆を想定している場合も大いにある。むしろもっと始末が悪い。警戒を要する。
「戦争法は成立したが、ムードは悪い。つぎの参院選も、それどころか当分のあいだ、3分の2なんて無理だ。遠のいた」、とこう考えた場合だ。
「それならいっそのこと、参院選のまえ今のうちに、やってしまえ」とならないとも限らない。
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その場合に出てくるのが、「民主党解散」だ。
民主党は解散し、非同調分子を排除したうえで、維新と合同し新党を結成する。
この新党が、改憲賛成に回る(これを加えて、参院で3分の2を上回る)。
民主党はもうないのだから各議員は、かつての綱領やマニフェスト・選挙公約に縛られることはない。つぎの選挙前でも堂々と、改憲賛成できる。
確信派だけでなく、(9条まではともかく)「緊急事態」条項くらいはいい、という者もいるだろう。
あるいは「9条でなく緊急事態条項なのだから」という口実で、大勢に盲従する分子も続々と出てくるだろう。
いずれにしてもこのようにして、「民主党解散」し・公約の縛りがなくなれば、こんなことも可能だ。
何しろ、やらないと言っていた消費税増税を平気でやったくらいの党だ。縛りがなくなればつぎの選挙前でも改憲発議賛成なんてこともやりかねない。
これが、警戒を要する、民主党解散の第四の狙いです。
こうして国民の「改憲アレルギー」解消ができ、民主党解党してできた新党も「用なし」になれば、見捨てられ消滅に向かうかもしれません。(かつての日本社会党消滅の過程を見よ。)
しかしそれにしてもこれが危険な、警戒を要する可能性であることには変わりありません。
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もっとも、国民投票で過半数の賛成を得る可能性がなければ連中もこんなことを仕掛けてくることはない。
だからわれわれ国民は、現在焦眉の課題である戦争法廃止のための野党共同のため(つまり攻勢)とともに、上のような「緊急事態条項のための改憲策動」阻止のためにも(=守勢でも)、民主党右派への批判を強め左派をはげまし、国民の支持のありかをはっきりと示すこと、及びあわせて、そのような改憲策動にたいしてはたとえそれが「緊急事態条項」などという超危険では一見なさそうなものであっても批判を強め国民投票での支持は決してないぞということをはっきりと表明していかねばならない。
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