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財務相も本心では増税延期派〔PHOTO〕gettyimages
消費税10%は結局、導入できない〜化けの皮が剥がれた「アベクロ理論」、日銀・財務省の悲願は露と消える 2016年の「景気と経済」大予測
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46249
2015年11月13日(金) 週刊現代 :現代ビジネス
■誰も負担に耐えられない
「消費税の話になると、安倍晋三総理は途端に奥歯に物のはさまったような話し方になります。ホンネでは'17年4月に予定されている8%から10%への増税を再延期したいのでしょう」
こう語るのは全国紙政治部記者。消費増税再延期というテーマが、'16年に大きな論争を呼びそうだ。第一生命経済研究所の主席エコノミスト永濱利廣氏も、増税延期の可能性があると見る。
「軽減税率適用の範囲をめぐって、与党内でも相当揉めています。自民党と公明党のあいだで軽減税率の合意が難しいと、いっそのこと増税を延期してしまおうというムードになるかもしれない」
そもそも、日本経済は、さらなる消費増税に耐えられるような状況ではない。'14年の消費増税の際、予想以上に景気が落ち込んでしまったことは記憶に新しい。
当時はまだ海外投資家からもアベノミクスへの信認があったし、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のような機関投資家が株価を買い支える余力も大きかった。だが来年にはそのようなビッグマネーが日本経済を下支えしてくれる可能性はない。
来年7月には参議院選挙も控えている。参院選で圧勝し、悲願の憲法改正をなしとげたい安倍総理が、景気減速の引き金になる消費増税を封印したいと考えるのは自然なことだ。
「一部では、安倍総理が参院選前に衆議院も解散し、消費増税再延期を打ち出して衆参ダブル選の賭けに出るかもしれないという憶測も流れています。日銀や財務省は、総理が消費増税に消極的なことを察知し、警戒心を強めている」(前出の政治部記者)
先日も、官邸サイドと日銀・財務省の亀裂が垣間見える瞬間があった。麻生太郎財務相が、10月23日、閣議後の記者会見で「物価上昇を金融でやれる範囲は限られている。世の中にはおカネではなく、需要がない」と述べたのだ。
日銀の金融政策には、もはや効果がないという意味にも取れる財務相の発言は、官邸サイドがこれ以上の物価上昇を望んでいないことの証拠だ。アセットベストパートナーズのエコノミスト中原圭介氏が解説する。
「政権交代当初は『アベクロ経済』といわれるほど、安倍総理と黒田東彦日銀総裁の歩調はぴったり合っていました。
ところが今年の9月に発表された、第二次アベノミクスの三本の矢には、金融政策の文字はなかった。金融緩和をして円安に誘導したところで、食料品などの物価が上がるばかりで、実質賃金は増えないと気付いた官邸は、もはや日銀主導の経済政策では国民の理解を得られないと考えているのです」
■アベクロ理論はウソだった
事実、金融緩和によって経済の底上げを図るという第一次アベノミクスの化けの皮は、はがれつつある。
名目賃金から物価上昇の影響を除いた実質賃金は'10年を100とした場合、'12年に99・2、'13年には98・3、'14年には95・5と急速に下がり続けている。また、前述した通り、GDPも2四半期連続のマイナスでリセッション入りする可能性が高い。
金融緩和で円安になれば輸出が増えて、大企業が儲かる。徐々に国民全体の賃金も増えて、消費が刺激されるというのがアベクロ経済の基本理論だった。
だが、ふたを開けてみれば、円安によって輸入価格が上がり、物価上昇は見られたものの、企業の賃上げペースはまったく追いついていない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査部長、鈴木明彦氏が解説する。
「日本の景気回復は前回の消費増税があった'14年春に終了していたというのが、私の見方です。
増税に加えて、さらに根源的な問題として輸出が伸びていません。輸出競争力の低下に海外景気の減速も加わり、円安で輸出金額が増えても輸出数量は増えない。これでは景気回復のエンジンが動くはずがない」
消費税を8%から10%へ引き上げると6兆円もの増税になる。'16年の世界経済がふるわないことは確実。そんなときに「財政再建」というお題目のために消費増税を強行すれば、日本発の大恐慌だって起こりかねないのだ。間違いなく日本の景気は腰折れするだろう。
元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏も、消費増税は現実的には不可能だと見ている。
「打つ手と言えば、日銀が向こう3ヵ月くらいで若干の金融緩和を行い、政府が年明けに景気対策の補正予算を組むくらいしかない。それですぐさま物価が上昇したり、実感できるほど景気が回復したりすることはないでしょう」
仮にさらに大規模な補正予算が組まれたとしても、人手不足が深刻化している現在の日本では、公共事業が消化しきれないので、その効果は限定的。
消費税10%という日銀や財務省の悲願は、'16年に露と消えることになる。国民にとっては、悪い話ではないが。
「週刊現代」2015年11月14日号より
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