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航空自衛隊のC130輸送機 (c)朝日新聞社
「戦死」ではなく「公務死」? 自衛官、いまそこにある危機〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151113-00000003-sasahi-soci
週刊朝日 2015年11月20日号より抜粋
自衛官にとっての「危機」は、すぐそこに迫っている。自衛隊が南スーダンで実施している国連平和維持活動(PKO)の任務に、来年11月の派遣部隊の交代時から、今回の法改正によって合法とされた「駆けつけ警護」を加えることが検討されているのだ。
他国軍やNGO職員が武装集団に襲われた場合などに、武装した自衛隊が救援に向かう「駆けつけ警護」。それがもし実行された場合、何が起きるのか。元陸上自衛隊レンジャー隊員の井筒高雄氏がこう語る。
「『警護』といっても、実態は戦闘にほかなりません。2ケタ単位、最悪3ケタの死者が出ることもあり得る。特に、今のまま自衛隊が戦えば、負傷者中の死者の比率が高くなることは避けられない。自衛隊は諸外国の軍隊のように救急救命の制度が整っておらず、医師法や薬事法の制約で衛生兵による現場での治療や薬の投与も十分にできない。演習場の近くに治療施設のある普段の訓練時とはまったく状況が違うのに、命を守る備えができていないのです」
創設60年を超える自衛隊に、初めて「戦死者」が出る事態が、いよいよ現実味を帯びてきているのだ。
その瞬間を迎えたとき、どうなるのか――。2003年から行われた自衛隊のイラク派遣の際、派遣部隊が現地に棺を持参していたのは有名な話だが、実はさらに踏み込んだプランが極秘に持ち上がっていたという。
「日本武道館を借り切って、総理大臣出席の壮大な国葬を行うことが検討されていたそうです。今後、戦死者が出た場合も、このプランが踏襲される可能性は十分にある。もちろん慰霊の意味もあるでしょうが、戦死者を美化して国威を発揚する側面もあるでしょう。政府は『戦死』をテコに『今の体制が不十分だから戦死者が出た。やはり憲法9条を改正して、国防軍を創設するべきだ』などという宣伝を始めるのではないか」(前出の井筒氏)
そもそも戦死という言葉すら使われないと指摘するのは、元防衛省幹部で国際地政学研究所理事長の柳澤協二氏だ。
「日本が他国に攻められて個別的自衛権で防衛出動する場合は別ですが、それ以外の戦争は憲法上、しないことになっている。政府としては戦死という言葉は使えず、『公務死』などと表現するのではないか」
こうした現実が目の前にたたきつけられるだけでも国民には相当に衝撃的な出来事だろうが、葬儀が終わっても、その後の戦死者の慰霊の問題が残る。現状の制度はどうなっているのか。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏が解説する。
「イラク派遣の際、自衛隊の『戦死者』を靖国神社に合祀(ごうし)できるかが真剣に検討されましたが、憲法の定める政教分離の規定などから不可能という結論になった。それで、東京・市谷の防衛省敷地内に大規模な式典も行えるような慰霊碑地区(メモリアルゾーン)が整備されました。毎年秋に行われる追悼式には、かつてほとんど出席しなかった首相が毎年、出席するようになっています」
03年9月に完成した現在のメモリアルゾーンには、富士山をかたどった慰霊碑が立つ。初めて国費を支出し、老朽化していたそれまでの慰霊碑などを集約して拡張・整備されたものだ。ここに、1950年の警察予備隊創設以来、事故などによって殉職した1800人以上の自衛官の銘板が納められている。
ただ、メモリアルゾーンは防衛省の敷地内にあるため、事前予約制の見学ツアーに申し込む以外は、一般人が自由に立ち入ることはできない。防衛省の広報によれば、殉職自衛官の遺族であっても、立ち入れるのは基本的に年1回の追悼式のときのみだ。
国民にメモリアルゾーンの存在があまり浸透していない中で、自衛官の一部には「個人的には、戦死したら靖国神社に祀(まつ)られたい。(太平洋戦争時の連合艦隊司令長官の)山本五十六のそばがいい」(陸上自衛隊1尉)などと、靖国神社への合祀を望む意見も根強いようだ。
靖国神社は今年8月、共同通信の取材に「今後戦死した隊員が出た場合でも合祀はしない」という見解を明らかにした。自衛官が生前、個人的に望んだ場合も合祀されないのか。京都産業大学名誉教授(日本法制文化史)で、靖国神社崇敬者総代の所功氏がこう語る。
「靖国神社は戦前、戦中は陸海軍、戦後は厚生労働省が認定した戦死者の名簿をもとに合祀をしてきた。今後もその原則を簡単に曲げることはないと思われ、たとえ個人が望んでも合祀はされないでしょう。現憲法下でできることを考えれば、今のメモリアルゾーンできちんと慰霊する以外の道はない。その原則のもとで今後、一般人も立ち入れるように規模を拡大することや、追悼式への天皇陛下のお出ましがかなう方法を模索するなど検討課題はあるでしょう」
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