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日本の援助交際に言及した国連特別報告書の大失態
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2015年11月12日 天木直人のブログ 新党憲法9条
2日ほど前の夜、フジテレビだったか夕刊フジだったか忘れたが、記者が私に電話で取材を申し込んできた。
国連の特別報告書が「日本の女子生徒の13%が援助交際をしている」と言及していることについて、菅官房長官が抗議を申し入れた。これをどう思うか、と聞いてきたのだ。
これに対し、私はすかさずこう答えた。
抗議は当然だ。
日本の援助交際が社会現象として横行していることは日本の事情に詳しい者には周知の事実であるとしても、いやしくも国連の特別報告書でここまで具体的数字を入れて断定的に発表したことは異例だ。
これは、日本の国際的評判を貶める者たちに影響された作為的な政治的報告書ではないとさえ思える。
日本政府は日本の名誉にかけても、その根拠の明示を求め、そのような報告書をわざわざこのタイミングで発表した背景の説明を国連に求めなければいけない、外務省は厳しく対応すべきだ、と。
安倍・菅政権に一貫して批判的な言動をとってきた私だから、この問題も私が菅官房長官を批判するのではないかと思って聞いてきたのだろう。
意外な答えに接し、その記者は面くらったような声で電話を切った。
果たして私のコメントはどのように使われたのか、それともボツになったのか。
そう思っていたら、きょうの各紙が小さく報じた。
菅官房長官がきのう11月11日の記者会見で明らかにしたと。
国連人権高等弁務官事務所を通して在ジュネーブ国際機関代表部に特別報告書から書簡が届いたと。
その書簡では「数値を裏付ける公的な最近のデータはなく、誤解を招くものだった」、「今後、この数値を使用するつもりはなく、国連人権理事会に提出する報告書でも言及しない」と書かれていたという。
これは、事実上の撤回である。
国連特別報告書を作成し、記者会見を開いて公表した者の大失態である。
しかし、その書簡には明確な謝罪や経緯の説明はなかったという。
菅官房長官は引き続き客観的データに基づく報告書の作成を求めて行くという。
これも正しい。
私と菅官房長官の意見が一致した初めてのケースだ。
何でもかんでも菅官房長官を批判するのが私の本意ではない。
正しければほめる。
悪すぎるから批判するのだ。
それだけの話である(了)
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