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辺野古に新基地はつくらせない!〜東京でも広がる抵抗の連帯
http://www.labornetjp.org/news/2015/1107nisinaka
2015-11-07 18:17:55 西中誠一郎(1ヶ月まとめレポート) レイバーネット日本
10月13日に翁長沖縄県知事が、辺野古での米軍新基地建設に伴う公有水面埋め立ての承認を取り消してから約1ヶ月が経過した。この間、沖縄防衛局が「私人」になりすまして、国土交通大臣へ「埋立て承認取消」を不服として行政不服審査請求と執行停止を申し立て(10月14日)、これを受けて石井啓一国交相は承認取消の執行停止を決定(27日)、翌28日に政府は地方自治法に基づき、県知事に代って承認取消を撤回する「代執行」手続きの開始を宣言、沖縄県警が警視庁に要請し機動隊員100数十名を増強し、辺野古キャンプシュワブゲート前で非暴力の抗議活動を続ける住民たちを暴力的に排除して、本体工事の準備を強行するなど、日本政府の性急で身勝手な強権の発動が際立っている。
このような日本政府の露骨な沖縄差別に抗議し、翁長県知事の「埋立て承認取消」を支持する緊急行動や、防衛省や国交省に対する抗議デモや政府交渉などが、東京でも連日のように行われてきた。
11月1日には新宿で「辺野古の海を埋め立てるな!緊急デモ」が開催され、数日の呼びかけで800人近くが参加した(主催:辺野古への基地建設を許さない実行委員会)。デモ出発前の集会では、この間、脱法的に続く日本政府の強権発動や、この数日の辺野古現地の緊迫した状況について怒りのメッセージが相次いだ。
辺野古に常駐する国際環境NGO「FoE Japan」のメンバーが現地報告した。
「一昨日まで辺野古にいました。キャンプシュワブのゲートでは多くの工事用車両が出入りし、海でもボーリング調査のため進入防止用のフロート作業を再開しました。もっと大勢の人に、今こそ辺野古に集まって欲しい。数十人では厳しい。辺野古、大浦湾の埋め立てを絶対に許さない。決して屈しません」
「翁長知事は専門的な『第三者委員会』を設置して、仲井眞前知事の『埋立て承認手続き』を慎重に検証し、今年7月に第三者委員会は『辺野古埋立て承認には4つの大きな法的な瑕疵がある』という内容の報告書を提出し、この報告書に基づいて翁長知事は10月13日に『承認取消』を決定しました。
※リーフレット「辺野古の埋立て4つの誤り」(「辺野古•高江を守ろう!NGOネットワーク」)https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/henoko_leaflet.pdf
国土交通省は、沖縄防衛局の行政不服審査請求を受けて『承認取消』の執行停止を認めましたが、『日米関係が重要』と繰り返すだけで、第三者委員会の報告書の検証も、沖縄県側の法的な問題についても全く説明していません。29日に国交省と防衛省を相手に行った政府交渉でもそのことが明らかになりました。
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『私人』になりすまして行政不服審査請求したり、説明なしで『承認取消』を執行停止し、さらに今度は「国」の立場で代執行の手続きを始める。こんなムチャクチャな政府のやり方は民主主義を踏みにじるものです」
一坪反戦地主関東ブロックの女性の切実な訴えが続いた。
「ヤマトの人に訴えます。日本政府の暴虐は許せません。今、辺野古で何が起っているのか、胸がつまって、悔しくて悲しくて言葉になりません。今、沖縄県警と政府は、警視庁の機動隊を100人から200人沖縄に投入して、辺野古で非暴力で闘っている市民を暴力で排除しようとしています。
一昨日の出来事ですが、無抵抗の男性を機動隊が押し倒し羽交い締めにしました。男性は心筋梗塞を起こし意識不明で入院しました。
なんで沖縄がこんな酷い目にあわなければいけないのか?むき出しの敵意と憎悪が日本政府から沖縄に向いています。この敵意と憎悪は、今後、日本の善意あるひとたちにも向けられるかもしれません。安倍政権は戦争法を通してから、辺野古新基地を作ろうとして、アメリカの犬になって沖縄を集中攻撃しています。
ヤマトの皆さん、許してはいけません。なんとかして辺野古に新基地を造ることを止めさせましょう。500人とか1000人の人がゲート前に集まれば、国の暴力を止められるかもしれません。一緒に闘いましょう!」
新宿の休日の繁華街をデモ隊が出発した。
「海の埋め立て絶対反対!」「沖縄辺野古に基地はいらない!」「工事を止めろ!今直ぐ止めろ!」「機動隊は暴力止めろ!座り込みへの暴力止めろ!」「海を守ろう!辺野古を守ろう!」。デモ隊に手を振り、エールを送る沿道の人々が何人もいた。
デモ隊が西新宿の高層ビル群の一角に差し掛かった。「大成建設は軍事基地建設を止めろ!戦争協力を止めろ!」「海を壊すな!沖縄の声を聞け!」というコールが鳴り響いた。新宿センタービルの中に大成建設本社が入っている。
大成建設は2014年6月から仮設桟橋建設などの準備工事に着手し、今年1月には大浦湾に最大45tの大型コンクリートブロックを大量に投入し、貴重な珊瑚を破壊してきた。これは仲井眞前沖縄県知事が許可した「岩礁破砕」の範囲外で行われたとして、翁長県知事が工事中止を指示し、埋め立て申請そのものにも「法的瑕疵がある」と判断した。このため1年間余り、全国各地にある大成建設の支社や、新宿の本社前で抗議と申し入れ行動が毎月行われてきた。http://stop-henoko-umetate.blogspot.jp/ 「命の海を埋めさせない!」「大成建設は企業の社会的責任を果たせ!」
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デモ隊が解散地点に近づくと、「警視庁は機動隊を沖縄に派遣するな!」という声が上がった。10月30日には警視庁機動隊100数十人が辺野古に投入されるという情報がNHKなどのマスコミで報道され、11月4日には沖縄タイムスや琉球新報などが、辺野古現地で激化する市民と機動隊の衝突や、積年の日米両政府の沖縄差別を理解せずに、非暴力の市民の抵抗運動を露骨に弾圧するヤマトの安倍政権に対する市民の怒りの声を詳細に報道した。
東京でも戦争法案反対の国会周辺デモに対する、警察の過剰警備や相次ぐ不当逮捕が問題になったが、それ以前から警察庁は沖縄県外の警察の機動隊を辺野古現地に派遣し、市民運動を弾圧してきた。安倍政権の強権に対する怒りの声が広がり、10月6日には警察庁前で抗議行動が行われた。11月8日にも警視庁前で抗議行動が行われる。https://henokorelay.wordpress.com/2015/11/05/action-4/
辺野古現地での新基地建設反対の抵抗運動に連帯する、日本各地の様々な闘いの広がりと深化が、豊かな海の命を守り、安倍政権によって蹂躙されつつある民主主義や人権を守ることに繋がると、痛感した一ヶ月だった。
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