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【こちら特報部】「新三本の矢「介護離職ゼロ」の的外れ」2015/11/06(東京新聞)
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-12092734808.html
2015-11-07 01:15:49NEW ! 大友涼介です。
東京新聞:【こちら特報部】「新三本の矢「介護離職ゼロ」の的外れ」2015/11/06(東京新聞):特報(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2015110602000145.html
<引用開始→
安倍政権が掲げる「新三本の矢」の目玉政策である「介護離職ゼロ」。福祉の現場では当初、「介護職員の離職ゼロ」と誤解した人もいたが、介護のために離職する人をなくす意味と知り、首をかしげたという。というのも、この間の政権の政策は介護職員の離職を促し、ひいては介護環境を悪化させてきたからだ。今回の内容も特別養護老人ホームの増設など、的外れ感が強い。期待は急速にしぼんでいる。 (白名正和・中山洋子記者)
<書き起こし開始→
◆介護業者の倒産加速
政府のしてきたことは現場の望みとは懸け離れている。『介護離職ゼロ』と聞いて、介護職の待遇改善をしてくれるのかと期待した職員もいた。このままでは、介護現場の厳しさはますます深刻化する」
「介護離職ゼロ」は九月に自民党総裁に再選された際の首相会見で登場した。親の介護で勤めをやめる人をなくす政策だという。
総務省の二〇一二年の就業構造基本調査では、会社や役所で働きながら介護をしている人は、全国で約二百三十九万九千人。一方、介護を理由に離職した人は二〇一一年十月〜一二月九月の一年間で約十万一千人で、初めて十万人を超えた。
◆実際の施策は逆行
この数字を念頭に、首相は団塊世代が全員七十歳以上になる二〇年までに、介護離職ゼロを目指すとしている。しかし、政権の従来の施策は、この宣言とまったく逆行している。
そもそも二〇〇〇年に始まった介護保険制度では、社会保障費の抑制のために「施設介護から在宅介護へ」というスローガンのもと、自助努力が奨励された。
安倍政権もその路線を継承し、今年四月には介護事業者に支払われる介護報酬を2・27%引き下げた。施設を運営する社会福祉法人の少なくとも約三割が「内部保留を蓄積している」と指摘されたためだ。必然的に事業者は減収となり、職員の待遇にも影響した。
信用調査会社・東京商工リサーチによると、介護事業者の倒産は今年一〜九月で五十七件となり、過去最多タイだった昨年一年間の五十四件を既に超えた。
多くはデイサービスをする通所・短期入所介護事業や訪問介護事業など、特養には入れない人を下支えしている事業者で、介護報酬引き下げやそれに伴う職員離れが直撃した形だ。
八月からは単身者で年金収入が年間二百八十万円以上ある人などは、介護保険料の自己負担分が一割から二割に引き上げられた。このため、サービス利用を手控えざるを得なくなったという声が上がっている。
また四月からは特養の新規入居者は原則、要介護3以上の人に限定された。全国に約五十二万人(一三年度時点)いる特養の入所待機者対策とされるが、目が離せない認知症の高齢者の多くが要介護2以下。
傍ら、政府は認知症を早期診断する「認知症初期集中支援チーム」を全自治体に設置する方針だ。だが、本年度中に設置予定なのは全自治体の17・6%にとどまっており、初期支援も掛け声倒れになっている。
認知症など要介護2の妻を自宅で在宅介護する都内の七十代男性は「特養を利用したいと思っても対象外では、一家が共倒れになってしまわないか、不安な日々だ」と呟いた。
◆現場無視の特養増設 職員不足解消せず
最大の問題は政権が福祉現場を全く理解していないことだ。「介護離職ゼロ」を目指し、加藤勝信・一億総活躍担当相が示したのは国有地を安く特養の事業者らに貸し出す考えだ。
だが、現場ではハコではなく、介護職員の人手不足こそが最大の悩みだ。一四年十一月の厚生労働省の発表では、福祉施設介護職員の平均賃金は月二十一万九千円で、全産業平均より十万円以上も低い。離職者は年間約二十万人に上る。
金沢市で在宅介護に就く女性(五十五)は「そもそもスタッフがいないでしょ。ここ数年は新卒職員がどんどん減っている」と戸惑う。
「『誰でもできる』と言い放った政治家もいた。あらゆることの目配りが必要で、在宅でその人らしい生活を支える面白みもある仕事だけど、理解されていない。せめて看護師並の給料があれば、意欲的な人材も増えると思うけど」
全国介護者支援協議会の上原善光理事長も「現実には高齢者福祉施設のベッドは多くで余っている。必要な職員を確保できていないから受け入れができないだけだ」と実情を語る。
公益財団法人介護労働安定センターによる昨年度の介護労働実態調査でも、六割の事業所が「従業員不足」に悩むと回答。介護労働者側の不満も「人出が足りない」(48・3%)、「仕事内容の割に賃金が低い」(42・3%)と続く。
上原氏は「コンビニの募集を見ると時給八百五十〜九百円くらいだが、それより安いくらい。低賃金だから職員が確保できず、厳しい労働環境が良質なスタッフを遠ざける負のスパイラルに陥っている。介護報酬を引き下げておいて、施設だけを増やす施策は根本的に間違いだ」と憤る。この悪循環の構造は、川崎市の有料老人ホームでの虐待事件でも指摘された。
だが、安倍政権は介護職員の労働条件の改善には消極的だ。訪問介護を中心に非正規職員が多い業界だけに、派遣の受け入れ期間上限を撤廃した労働者派遣法改正で、労働環境の悪化を懸念する声は絶えない。
しかも、政権は六月末に決めた「骨太の方針」で、介護報酬も含めた社会保障費の抑制を明言。高齢化などで毎年一兆円ほど増えてきた社会保障費の伸びを、今後三年間で年五千億円に抑えるとしている。
経済ジャーナリストの荻原博子氏は「オスプレイ十二機の購入を決め、増額した軍事予算と比べると、明らかにやる気がない。むしろ、施設に入れない待機高齢者を増やし、家庭の負担を増やしている。現実の実態とは百八十度逆で、あまりに行き当たりばったりの失策だ」と批判する。
大阪府立大の里見賢治名誉教授(社会保障論)も「結局、高齢化で膨らむ社会保障費の財源をどう確保するのかが問題。基本的には公費負担を充実させていくしかない。フランスやドイツなどと比べて、日本の給付額は決して高い水準ではない」と解説する。
金沢大の井上英夫名誉教授(福祉政策論)も「予算を削減するところを誤っている。非正規や低賃金の環境を放置すれば、生活保護費の支出が増える。お金がないなんてウソ。ハコモノより人にかけるべきだ」と指弾する。一九八〇年代に看護師の地位向上を目指した運動を例に「介護現場の現状はかつての看護師たちの姿と重なる」と言う。
上原氏は「介護離職を減らすために取り組むべきは経済界だろう。育児と違って、終わりを区切り難い。介護休暇制度がある上場企業でさえ取り難いのに、中小企業なんて休めない」と注文する。
「保育施設付きの職場があるように、デイサービス付きの職場を考えてもいいはず。高齢者と幼児を一緒に預かり、効果を上げている施設もある。政権の問題は、課題を熟知している現場の声も聞かずに唐突な施策を進めていることだ」
※デスクメモ この問題での首相の起死回生策は昨年、既に示されている。介護ロボットである。経済成長にもつながる一石二鳥の画期的発案らしい。食事介助やおむつ交換も可能にするのだろう。外には徘徊する人が珍しくなくなり、家の中ではロボットが唯一の話し相手。「おもてなし」の国の近未来像か。(牧デスク)
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