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BPOが自民党に「放送の自由と自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべき」
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/a384589f0ea9fbf92068f8b3e3671834
2015年11月06日 Everyone says I love you !
NHKの報道番組「クローズアップ現代」でやらせがあったとされる問題で、放送局で作る第三者機関である放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は2015年11月6日、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表しました。
この検証委は弁護士の川端委員長のほか、映画監督の是枝裕和さん、精神科医の香山リカさんら各界の識者で構成し、5月から番組関係者の聞き取り調査などを進めてきました。
問題となった番組は、2014年5月放送の「クローズアップ現代 追跡“出家詐欺”〜狙われる宗教法人〜」と、その基になった関西ローカル番組「かんさい熱視線」です。
その番組内で詐欺に関わるブローカーとして匿名で紹介された大阪府の男性が、「NHK記者の指示で架空の人物を演じた」と週刊誌で告発して問題になったのです。
この番組作りのことはひとまず置くとして、今回の意見書の中でBPOは、この番組に関してNHKを厳重注意した総務省と事情聴取した自民党を、
「放送法が保障する『自律』を侵害する行為」
「放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべきである」
などと厳しく批判しました。
BPOが政府・与党を批判するのは極めて異例で、放送業界でつくった第三者機関が権力の介入に強く警鐘を鳴らす形となりました。
このBPOの意見書は、まず総務省が厳重注意の根拠とした放送法4条について
「ここに言う『放送の不偏不党』『真実』や『自律』は、放送事業者や番組制作者に課せられた『義務』ではない。
これらの原則を守るよう求められているのは、政府などの公権力である」
「政府がこれらの放送法の規定に依拠して個別番組の内容に介入することは許されない」
と指摘しました。
少しわかりにくいかもしれませんが、憲法の基本的人権の中核である自由権は、「国家からの自由」が本質です。国家権力こそが最も人権を侵害するからです。
「放送の自由」もまたしかり。テレビ局は夜となく昼となく政府から圧力を受けているからこそ「自粛」するわけです。
BPOが言うように、放送の不偏不党を守るように求められているのは、政府などの公権力である。「何人からも干渉されない」の名宛人は国家権力。まさにその通りです。
古賀茂明氏 フジのレポーターに「戦わないって決めたら、戦う人を追い詰めるために質問するんですか?」
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/5098bb46c47bd274a35cab773d0d7844
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放送法第3条
放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない
放送法第4条
放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
元フジテレビアナウンサー長谷川豊くんに、放送法3条・4条と憲法との関係について教える
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/4011fe683b82757bc2c97536eb56c96f
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この事件で一番問題なのは、自民党が2015年4月にテレビ朝日とともに、NHK幹部を呼び出して説明を求めたことです。テレ朝で問題にされたのは古賀茂明氏が官邸からの圧力を暴露した報道ステーション。
NHKからこのクローズアップ現代が問題にされたのも、今回のやらせだけの問題ではなく、この番組がNHKには珍しく、福島原発事故を追い続けたり、鋭い政権批判をしてきたからでしょう。
この件について、BPOは
「放送法は、放送番組編成の自由を明確にし「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」(第3条)と定めている。
ここにいう「法律に定める権限」が自民党にないことは自明であり、自民党が、放送局を呼び説明を求める根拠として放送法の規定をあげていることは、法の解釈を誤ったものと言うほかない。
今回の事態は、放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべきである。」
と言っていますが、胸がすく思いと言うか、まさにそのとおりです。
ノコノコとでかけていく両局の幹部は本当に情けない。
テレビ朝日とNHKは報道機関である以上、自民党の事情聴取には応じるべきでない。他のマスコミは援護を!
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/0175d8b561854d1b93c5bd1903f09010
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さらに、このBPOの意見書は自民党に対して、
「番組内容に関しては国や政治家が干渉するのではなく、放送事業者の自己規律やBPOを通じた自主的な検証に委ねる本来の姿に立ち戻るよう強く求める」
と訴えました。
また、BPO放送倫理検証委員会の川端和治委員長は会見で
「放送法には政権与党が放送内容に干渉できないと定められているのに圧力をかける、かけたかのように見える。非常に問題」
と話しています。
さあ、ここまで言い切ったBPOに対して、逆に安倍自民党政権や保守系論壇から圧力が加わるのは必至です。
我々市民も、放送局があくまで自分たちで自立・自律して放送の自由を守っていくのを応援していかなければなりません。
追記
BPOは、NHKのこれらの番組については、視聴者に誤った事実を伝えた面は否定できないとし
「報道番組で許容される演出の範囲を著しく逸脱した表現と言わざるを得ない」
と指摘し、NHKの調査委員会が「『やらせ』は行っていない」と結論付けたことは
「視聴者の一般的な感覚とは距離があり、深刻な問題を演出や編集の問題に矮小(わいしょう)化している」
としました。
まさに、
「放送に携わる者自身が干渉や圧力に対する毅然とした姿勢と矜持を堅持できなければ、放送の自由も自律も侵食され、やがては失われる。これは歴史の教訓でもある。放送に携わる者は、そのことを常に意識して行動すべきである」(BPOプレスリリース末文)
というべきでしょう。
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自民党に呼ばれてへいこら釈明に行っちゃうような放送局だからダメなんですが、
でも、我々もテレビ局をいつも責めるだけではなくて、権力から守ってやるという姿勢が大切だと思います。公器なんですから。
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