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米国はアジアに出しゃばる余裕はない、ひっこんでろ
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2015年11月5日 天木直人のブログ 新党憲法9条
「シリアの内戦やイスラム過激派組織『イスラム国対策』など中東問題への対処に追われ、それ以外の地域にエネルギーを注ぐ余裕は事実上ないという事情もある・・・」
いつも私が言っていることだ。
しかし、これは私の言葉ではない。
安倍政権の代弁役である読売新聞が、きょう11月5日の外交面で書いた言葉である。
その言葉は、電撃発表された66年ぶりの中台首脳会談に対する米国のジレンマを語った言葉である。
すなわち、中台の関係改善は歓迎するが、その一方で中台間のバランスが中国に傾く事を警戒せざるを得ないというジレンマだ。
しかし、この言葉こそ、拡大アセアン国防相会議における米国の振る舞いに向けられるべき言葉である。
同じく読売新聞が大きく報じた。
共同声明を出せずに終わった拡大アセアン国防相会議は、米国が対中封じ込めを行おうとして失敗したあらわれだと。
アセアン各国は米中の板挟みでバラバラだと。
中国の膨張政策には今度の会議に出席したアジアのどの国も懸念を抱いている。
もし米国が今度の会議に出しゃばって来なければ、つまりアジアの参加国だけの会議であったなら、アジアが一致して中国に対し懸念を表明しただろう。
アジアの結束した反対にあえば、さすがの中国もゴリ押しはできないはずだ。
それを、遠いアジアまで出しゃばって米国が介入し、いたずらに中国を刺激し、アジアを分断させた。
「米国はそれどころではないだろう。引っ込んでいろ」
中国が米国にそう言ったかどうかは知らないが、中国ならずとも、アセアンの多くの国は、内心そう思ったに違いない。
中国の軍事膨張政策はアジアが一致団結して抑止するしかない。
その指導力をもっともよく発揮できる国こそ、過去の誤りを謝罪し、二度とその誤りを繰り返さないと誓った憲法9条を掲げた日本であるはずだ。
それなのに、歴史を直視せず、憲法9条を捨て去って対米従属に成り下がる安倍首相の日本。
アセアンにとって、米国よりもはるかに迷惑な国であるに違いない(了)
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