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民主党よ、再編の主導権を 政権党の矜持も取り戻せ(サンデー毎日)
http://www.asyura2.com/15/senkyo195/msg/907.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 04 日 15:15:16: igsppGRN/E9PQ
 

民主党よ、再編の主導権を 政権党の矜持も取り戻せ
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2015/11/15/post-441.html
サンデー毎日 2015年11月15日号


倉重篤郎のサンデー時評 連載74

 野党再編の底流で一体何が動いているのか。

 共産党が国民連合政府構想を打ち出し、維新の党は本家争いで真っ二つに割れた。野党第1党の民主党もこの流れから無縁ではありえない。と思っていたら、案の定いくつかの動きが出てきた。

 松本剛明(たけあき)元外相(56)の離党もその一つである。

 松本氏は、母方の係累には明治維新の立役者である伊藤博文がおり、父は自民党で防衛庁長官までつとめたという、典型的な保守政治家ファミリーに育った人物だが、民主党の理念を選び、党運営、政策立案の中心メンバーとして、15年間政治活動を行ってきた。政策には明るいし選挙にも強い。民主党がもう一回政権を奪回するためには必要な人材の一人であり、本人もその自覚はあったはずだ。

 にもかかわらず、この時期に離党したのはなぜ? 本人に聞いた。

「我々はポスト安倍(晋三政権)の闘いをすべきところをアンチ安倍の闘いになってしまった」

「民主党は政権運営に失敗し、国民はそれとの比較で安倍政権を選んだ。本来我々がやるべきは、悪かったところを直し、どう政権担当能力をつけていくか、ということだった。安倍政権には言うべきことは言うが、やるべきことはやってください、と。安倍さんの後に我々はこうやりますからと」

「もちろん、野党というのは日々対峙(たいじ)しないと存在感が薄くなる。地に足の着いたことを言わないと政権担当能力がないと言われ、地に足の着いたことを言うと地味だと言われる。2009年に政権を獲得した時も、その二つの間で悩みながらきた。今回は国民に失格と言われた以上、前よりもその努力をしなければならない。だが、その悩みがどんどん薄れ、この1年間はついにその悩みを捨ててしまったような感じを受けた」

「象徴的だったのは、安保法制で対案を出せなかったこと。廃案こそ対案だという流れになってしまい、私は安保政策としてそれでいいのかと思った」

「ものごとは反対でまとめるほうが楽だ。論点が10あれば、十人十色でも反対で一致できるが、まとめるためには一人ずつ説得しなければならない。ただ、それを放棄すると与党にはなれない」

「民主党は長期低落化傾向を脱しきれないでいる。政権交代のある政治を訴え、政権交代は一往復した。それが評価されていないとすれば、新たな使命を民主党に付与するか、民主党は一つ使命を終えたということで使命と組織を新たにするか、どちらかだが、そういうメッセージにもなっていない」

 ◇時代と制度がこの政治勢力の出番を待っている

 要はこの3年間で民主党はあまりに野党化し、政権担当に必要なガバナンスや政策調整・執行能力を鍛え上げてこなかった、これでは国民は民主党をポスト安倍を担う政治勢力として考えてくれないし、このままでは自民党内での政権たらい回しがまた復活するのではないか、という懸念である。

 松本氏はゆえに民主党を見限った。一つの選択肢であろう。続く者も出てくるかもしれない。

 ただ、私は民主党にはまだ可能性があると思う。この3年間の無為無策はいかんともしがたいが、時代と制度がまだこの政治勢力の出番を待っている。もちろん、松本氏が言う意味での解体的出直しに近い努力が必要ではあろう。以下3点の要望をしたい。

 第一に政策である。09年の政権獲得時のマニフェストをもう一回見直してほしい。結果的にそれを実現できなかったことが政権の失態だったが、そこに盛り込まれた基本的コンセプトはまだ今の時代に十分適応可能だと考える。曰(いわ)く。「コンクリートから人へ」「高齢者から若者へ」「成長経済から成熟経済へ」。そして政権途中に採用した税と社会保障の一体改革。分配により社会の幸福度をより高めていく経済政策こそ、人口問題という最大の構造問題に真正面から向き合わず、出口のない政策手段を使って無理筋の成長路線を走らんとするアベノミクスに対置すべきものである。

 外交安保政策も然(しか)り。「日米対等」「東アジア共同体」構想、日米地位協定の改定......。いずれも生煮えではあったものの、その基本構想は、自衛隊がグローバルに米軍の兵站(へいたん)業務を代替し、中国に対しては軍事的抑止力強化で対抗する、とした先の安保法制に対する根源的な批判となっており、その延長線上で政策立案すれば十分現実的な対案になりうる。何よりも、普天間移転先を県内とした対沖縄政策を軌道修正することだ。

 第二に、政局である。野党第1党として野党再編の主導権発揮という役割を共産党から取り戻すことだ。それは共産党と対立することではない。共産党の問題提起をこれ幸いに、そのエネルギーを政権復帰へ向けて最大限活用することだ。野合批判を避けるためにも安保、経済、エネルギーの三つの基本政策についてはぎりぎりの線で一致すべく、それこそ胃の痛くなるような政策調整を経ることである。松本氏の言う、悩みに悩むことである。それを見せることが、政権担当能力評価にもつながる。

 第三に、時代と制度を再確認することである。世界的に経済が行き詰まり難民が増えナショナリズムが台頭する時代に、配分によって幸福感を高め、対立を融和するリベラル(寛容)な政治がどれだけ必要か。そのフロントランナーを走ることは世界的にも期待されている。選挙制度(小選挙区比例代表並立制)も政権交代を約束する。これが続く限り、風の吹き具合でいやが応でも政権はひっくり返る。自民党内にもいずれ安倍体制を覆す動きが出てくるだろう。ただ、民主党に一刻も早く政権党の矜持(きようじ)を取り戻すよう強く望む。

 

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コメント
 
1. 2015年11月04日 22:28:33 : QES3YEvazs
ぜひ再編してください。
ゴミはまとめてゴミ箱へ。

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