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これが新3本の矢…「希望出生率1.8」いい加減すぎる根拠
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168334
2015年11月2日 日刊ゲンダイ
安直すぎる数値目標(C)日刊ゲンダイ
安倍首相が「アベノミクスは第2ステージに入った」とブチ上げた成長戦略「新3本の矢」のひとつ「希望出生率1.8」。昨年の合計特殊出生率「1.42」を10年ほどで3割近く引き上げるという大ブロシキには、発表直後から「達成は不可能」との声が出ていたが、やっぱりというのか、この数値の根拠は超テキトーだった。
驚きの“新事実”が明らかになったのは、先週末の民主党の厚労部会。山井和則衆院議員が、厚労省担当者に「希望出生率1.8」をはじき出した根拠を質問。担当者は、国の調査で、結婚を希望する若者が約9割に上ることと、夫婦が希望する子どもの平均数が2人だったことを挙げて、「0.9×2=1.8」と説明したという。結婚しない若者の経済的支援や保育施設の充実などで積み上げた数字ではなく、まさしくただの“希望”なのである。山井議員が改めてこう言う。
「私も『1.8』が達成されればいいと思っていますが、それにしてもこんな計算式で国家目標を立てるなんて安直すぎます。具体策を聞いても(担当者は)『これから検討する』と言うばかり。何も決まっていないのです」
それじゃあ、どうやって「1.8」を達成するつもりなのか。
「希望出生率というのは新語で、(合計特殊などの)一般的に使われている出生率とはニュアンスが違う。あくまで『希望』です。安倍政権にとってはしょせん、安保法に対する国民批判をかわすための話題作りに過ぎないのでしょう。『希望』だから、数値が『1.8』でも『1.6』でも何でもいいのですよ」(山井議員)
「矢じり」の正体はハリボテだったのだ。
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