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桂歌丸が戦争の空気に危機感! 戦争がもたらした落語界の暗い過去…子供を産まない女性を糾弾する国策落語まで(リテラ)
http://www.asyura2.com/15/senkyo195/msg/768.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 01 日 12:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

              『落語芸術協会』公式サイト「協会員プロフィール」より


桂歌丸が戦争の空気に危機感! 戦争がもたらした落語界の暗い過去…子供を産まない女性を糾弾する国策落語まで
http://lite-ra.com/2015/11/post-1639.html
2015.11.01. リテラ


 戦後70年という節目の年。民主主義を無視するかたちで安保法案が強行採決されてこの夏は過ぎた。そんななか、それでも「戦争の悲惨さ」を伝えようと多くの人が声をあげ続けている。落語家の桂歌丸もそのひとりである。

 終戦時には9歳、疎開先の千葉から故郷の横浜に帰ると一面が焼け野原、もちろん生家も焼失していたという経験をもつ歌丸は語る。

〈今、日本は色んなことでもめてるじゃないですか。戦争の『せ』の字もしてもらいたくないですよね。あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない〉
〈テレビで戦争が見られる時代ですからね。あれを見て若い方がかっこいいと思ったら、えらいことになる〉(朝日新聞デジタル2015年10月19日)

 戦時中、ひもじい思いをしながらも、なんとか口にすることのできたサツマイモばかり食べる幼き日々。それがトラウマとなり、〈あたしぁとうとういまだにサツマイモが食べらんねえんだ〉と告白する歌丸師匠は、落語家らしく、こんな表現で「戦争」の醜さ・悲惨さを表現した。

〈人間、人を泣かせることと人を怒らせること、これはすごく簡単ですよ。人を笑わせること、これはいっちばん難しいや〉
〈人間にとって一番肝心な笑いがないのが、戦争をしている所〉(同前)

 戦争には笑いがない。桂歌丸がこう語るのには、戦中の落語界が当時の体制に半ば強制されるようなかたちで53種の噺を口座にかけないよう自粛し、さらに、戦意高揚を煽るような新作落語を次々と発表したことで、戦争協力に加担してしまった過去への反省も込められているのだろう。落語界が戦時中たどった道程とはいかなるものだったのかは、演芸評論家である柏木新による『はなし家たちの戦争─禁演落語と国策落語』(本の泉社)に詳しい。

 突然だが、浅草・本法寺に「はなし塚」という塚がある。これは戦時中葬られた53種の「禁演落語」の墓として1941年10月につくられたものである。これら53の噺は、遊郭に関した噺、妾を扱った噺、色恋にまつわる噺など、国のために質素倹約を奨励された時局に合わないとされたものが選ばれた。そのなかには吉原を舞台にした「明鳥」など、今でも盛んに高座に上げられる人気の噺も含まれている。

 これら禁演落語は、あくまで落語界側による「自主規制」の体裁をとっていたが、その過程をよく見てみれば、事実上、国からの半ば強制であった。落語界が自粛に走らなければならなかった理由のひとつとして、まず、1940年2月、警視庁が興行取締規則を改正、落語家・歌手・俳優など、すべての芸能関係者が「技芸者之証」を携帯するよう義務づけられたことがあげられる。これにより権力が庶民に大きな影響を与える芸能を管理することがたやすくなった。実際、榎本健一(エノケン)、古川ロッパと並び三大喜劇人として人気を集めた柳家・柳家金語楼は戦中、落語家の鑑札を取り上げられ、俳優への転業を余儀なくされている。彼の自伝『泣き笑い50年』(日本図書センター)には、当時の警視庁とのやり取りがこう綴られている。

〈「きみは、はなし家の看板をはずして俳優の鑑札にし給え。第一、きみがはなしをしたら、お客が笑うじゃないか……」
「そりゃ笑いますよ、笑わせるのがはなし家の商売だもの……」
「それがいかん、いまどきそんな……第一それに、芝居なら“ここがいけないからこう直せ”と結果がつけられるのと違って、落語というのはつかみどころがない……」
「でもねえ、三十何年この方、私は高座を離れたことがなかったんですよ」
「いやダメだ。どうしてもはなしがやりたけりゃ余暇にやるがいい。本業はあくまでも俳優の鑑札にしなきゃいかん……」」〉

 庶民から「笑い」すら奪おうとする戦時下体制のひどさがよく分かるエピソードだ。そして、この「技芸者之証」の制度に加え、1940年7月7日に発布された「奢侈品等製造販売制限規則(七・七禁令)」など、銃後の生活の引き締めを意図した動きも決定的な影響を与える。「ぜいたくは敵だ」といった標語が飛び交うなか、遊郭や色恋をネタに笑いを生み出す芸は権力から睨まれるようになっていき、自主規制へと向かわざるを得なくなっていく。

 しかし、もっと罪深く、悲劇的だったのは、落語界が戦争協力の一端を担ってしまった「国策落語」だ。戦意高揚のための文化政策への協力を強いられた落語界は古典落語の名作を封印するだけにとどまらず、時局に合った国策落語を新作として次々と発表していく。内容は、軍隊賛美や貯蓄、債券購入、献金奨励などを入れ込んだ、まるでプロパガンダのような内容。本稿冒頭で引いた桂歌丸のインタビューでも当時の国策落語について〈つまんなかったでしょうね〉〈お国のためになるような話ばっかりしなきゃなんないでしょ。落語だか修身だかわかんなくなっちゃう〉と語られている。

 人々を笑わせるために演じられる落語なのに、なにもおかしくないという悲しい落語が戦時中はたくさん高座に上げられた。権力の意向に沿うための落語はどんどん歪なものに変質。「笑い」どころか、ただ単に人を傷つけるものにすら変わっていった。当時のスローガン「産めよ殖やせよ」をテーマにつくられた「子宝部隊長」という落語では、子どもを産んでいない女性に向けられるこんなひどい台詞が登場する。

〈何が無理だ。産めよ殖やせよ、子宝部隊長だ。国策線に順応して、人的資源を確保する。それが吾れ吾れの急務だ。兵隊さんになる男の子を、一日でも早く生むことが、お国の為につくす一つの仕事だとしたら、子供を産まない女なんか、意義がないぞ。お前がどうしても男の子を産まないんなら、国策に違反するスパイ行動として、憲兵へ訴えるぞ〉

 なにも面白くない、女性を愚弄するようなこのような台詞から、いかに当時の落語がねじ曲げられてしまっていたのかということがよく分かる。ただ、このような状況は、浪曲・漫才・講談など、庶民の人気を集める他の演芸においても同じだった。しかし、芸人たちもただ唯々諾々とお上の言うことに従っていたわけではない。林家彦六は著書『噺家の手帖』(一声社)のなかで、漫才師・林家染団治のこんなエピソードを紹介している。

〈すこし愉快な話をしよう。大東亜戦争になってから国民は金銀を手放しダイヤを提供し、果ては銅像から鉄瓶までお上へ差し上げた。その頃のこと。総理は東条英機大将だ。首相官邸に宴会があって二、三の芸人が余興に出演した。その中に漫才で〈ゴリラ〉の真似を得意にしている林家染団治がいた。
 やがて自分の出演順がきたので対人の芸人と二人で定めの場所へ出て一礼し漫才にとりかかると総理以下主客の居並ぶ客間の中央にテーブルが据えてあって花瓶に花が一ぱい飾ってある。漫才を演りながら染団治がどうも彼の花瓶はメッキではなくって本物の金だナと睨んだ。やがて漫才の喋りが終わって得意のゴリラの真似になったので『どじょうすくい』を踊りながら舞台から客席へ降りてゆき卓上の花瓶に近づいてたたいたりひっかいたり肚の中でてめえだけ金を持っていてこの罰当たりウォーッとどなった。庶民の淡い反抗だ〉

 また浪曲師の広沢虎造も、愛国的内容の浪曲を演じさせられた壇上で、政府の役員を目の前に〈こういう新作台本は私は甚だ不得意で、やれといわれてもやれまへん、芸人は自分の持っている芸を大切にして、その芸でお国に御奉公すればこそ愛国であって、戦争ものを読んだからというてそれが何の愛国だっしゃろ〉と言い放ったとの逸話も残されている。

 これらのエピソードは聞いているだけで大変胸のすく思いのする話だが、これらはあくまでも「ささやかな抵抗」に過ぎず、戦時下、芸人たちは自分たちのやりたい芸をできない状況に追い込まれたのは厳然たる事実だ。

 先ほどご紹介した「はなし塚」では、今でも毎年落語芸術協会による法要が行われ、「禁演落語」を生み出してしまった苦い経験を忘れまいと落語家たちが集まっている。しかし、爆笑問題が政治ネタの漫才をNHKに持っていったら却下されたり、SEALDsのデモに参加した石田純一が事務所や広告代理店から圧力を受けたりと、どうも時代は「禁演落語」を生み出してしまった時代に逆戻りしているような気がしてならない。

 エンタテインメントは庶民の生きる糧であり、そして、「笑い」は庶民が持ち得る権力への抵抗の武器だ。それが奪われるような状況を再びもたらしてはならないし、権力にそのような介入を許すことも断じて認められない。

 最後に、戦時中は「仏領インドシナ二三隊」に従軍し、戦後、人間国宝にまでなった五代目柳家小さんの言葉を引いて本稿を閉じたい。戦争は我々になんの利益ももたらしてはくれないし、何よりも、大切な「笑い」を奪うものなのだ。

〈お前らはよくテレビや映画で見ていると、戦争なんていうものは、何か勇ましいものだ、かっこいいもんだと思っているだろう。冗談じゃねえぞ。そんなもんじゃねえ。実際行ってごらんよ〉
〈そりゃ、もうむごいもんだぜ〉
〈だからな、これから何事かおきても日本は、戦争なんかしちゃいけねえ。行ったおれたちが言うんだから、間違いねえよ〉

(井川健二)

 

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コメント
 
1. ジョンマン 2015年11月01日 20:41:18 : 6nagECQfUT4Mc : oys88BIsNA

このスレッドは、特に秀逸ですね☺❗



2. 2015年11月01日 21:17:37 : qA9UI9KPYM
戦争は旗降ってラッパ吹くだけで戦場に行かない連中が儲ける為に起こす。平和の為の戦争等は絶対にない。

3. 2015年11月02日 00:25:19 : tHIVKuZsdo
ゥェーッハッハで有名な「マンピョン(漫評)」ね。 …あれって、
実は漫談なんですよ。
皆さん、あのウェーッハッハの前後になる短い節の翻訳、御覧になった事あるでしょう。
要するにああ云う調子になるわけです。

      全てが。

そして、

      一年中

一年で済めば良いですね。  済みませんよ。(あんな具合にね)

 

一寸ピンと来ない人も居るかも知れませんね。
したらこういうのならどうでしょう。

 =全ての番組が運転免許更新時に見せられる交通安全協会のビデオの造作になります=

山無し 落ちなし 意味なし。
どうやらオヤジギャグだったらしいと思しき「何か」に付けられる業務的に笑う大勢の公務員の声。
シンクロスイミングの様に強張った笑顔のモブ。
バラエティーは愚か、アニメ・ドラマ・歌謡・ニュース、全ての全てが不思議なポッキン金太郎。
統制の影響で演目は何時迄経っても何時もの繰り返し。
…命が惜しければ一度通った演目が一番安全ですからね。
親方日の丸の依頼でも新しく作るなんてな冒険は致しません。既成品にちょっと手を加えるだけ。
(コンテンツで外貨獲得なんざ先づ終わりますな。日本もペクトラジみたいなのに手を染めるのでしょうかね。そこらがアベノミクス第三段?)
こういうの。耐えられますか?

戦前、そしてそれが動態保存された北の世界。…そして先祖返りを企てる反動政府。
最悪の事態命に替える事になろうとも、絶対阻止しましょうな。
ならん様に。先づは参院選!


4. 2015年11月02日 04:24:18 : YaegIPKLG2
芋だのカボチャだの、子供の頃そればっかりだったから二度と嫌。
という世代もある。
今のカボチャや芋を想像しちゃいけない。もっとモサモサして甘くも何ともないやつらしい。
今のはお菓子みたい。

ゲゲゲの鬼太郎、の作者が南方行ったときの話が、香川照之主演でドラマになってましたけど。
あれ見て、戦争かっけー。俺も行きてー!と思うとしたらそうとう病んでます。


5. 2015年11月02日 07:19:47 : AICPufeYRU

      歌丸さんに、座布団100枚!


              、


6. 2015年11月02日 07:59:15 : 3RqvCl0MAc

神様・仏様・歌○様・

笑いのない社会なんて、御法度ですね


7. 2015年11月02日 12:46:41 : Q45IpfOmPM
国民には負担を押し付けても自分たちは別って戦時中も今も変わりないってことか。

8. 2015年11月02日 13:04:46 : Q45IpfOmPM
それから安保法案って世界のために日本がより一相貢献しましょうって話かどうかだ。
安倍たちの腹の中は貢献というところよりは、日本が世界の中央で輝くというところに力点が置かれているのは明らかである。
戦争を未然で防ぐという事より、利権争いにより一層かかわりを深めるということでしかないんでは。

9. 2015年11月03日 01:48:34 : C31aL3EEO2
殺し合い、命のやり取り、殺さなかったら殺される、、、、

まさに沙羅場! 負けたら殺されるんですからね。

チョットだけでなくたくさん、安倍、稲田ババア、麻生に経験してもらいたいね。


10. 2015年11月03日 02:19:11 : wPAs8CRB32
戦争になると余裕がなくなるのが日本の悪いところなんだろう
福島地震の時なんかガソリンをみな向こうに送ってしまって関東はガソリン不足になったのとかもその一例なんだろう

それを直すには、
もっと身近な例では天皇が死んだ時にお笑いとかやめて特別番組になる、
あの風習を撤去しなければ。 その機会はもうすぐ来る


11. 2015年11月03日 07:35:09 : YaegIPKLG2
聖徳太子ゆかりの四天王寺の梵鐘まで供出させて人殺しの道具(鉄砲の弾)に換えたくせに、その辺の寺の門扉をちょっと傷つけたとか色塗ったとかで罰あたりだ何だ大騒ぎ。

12. ひでしゃん 2015年11月03日 08:20:52 : dsqbUTCLpgzpY : EokfLeydFM
強欲ユダヤ商人に操られる宰相安倍晋三の暴走を止めなければ日本は又暗黒の日々を迎えることになる
桂歌丸は真の芸術家(TALENT)である
同じ過ちを繰り返してはならないという信念が伺える
感性が鋭いだけに今の時代の風潮に我慢できないのだ
民主平和な社会は自らで築いていかなければならない
ユダヤ商人の追及する強欲自由放任資本主義の冷酷非情さを
TPPが如実に示している
主権者国民はTPPの大筋合意?の内容を知り理解し判断する必要がある


13. 2015年11月03日 23:19:28 : HdWXlLS5Zg
歌丸師匠、現・円楽師匠は真の日本人。真の愛国者だ。統一教会アベチョンやエセウヨのニセ日本人とは腹の座りが違う。以前より落語家は本当に頭が良いと思っていたが、素晴らしい方々です。無条件に応援します。

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