http://www.asyura2.com/15/senkyo195/msg/749.html
Tweet |
「2017年4月の消費増税時に一部品目の税率を低くする軽減税率の導入は「必要だ」が74%に達し「必要でない」の17%を大きく上回った」という日経新聞の世論調査の数値が事実だとは言わないが、阿修羅の様子を見ている限り、軽減税率導入賛成が多数派のように思える。
リベラルっぽいひとまでが、「軽減税率」の導入を要求している現状をみると、日本の政治が多数派にとって少しもよくならないのは当然だと思う。
失礼な物言いになるが、「新安保法制」の違憲性(それも半端な)や危険性は理解できても、それ以上考えなければ判断できないテーマになるとコロッと騙され、自分の首を絞めることになる政策でも支持してしまう愚かさに早く気づかなければならない。
消費税であげるべき税収がたとえば25兆円だとする。
誰が得をするかという問題はさておき、単純な算術計算を行ってみれば、「軽減税率」の導入が愚策であるとわかる。
特定品目に「軽減税率」を適用すると税収が減りたとえば23兆円になってしまうので、それを補うため標準税率を引き上げなければならない。
現在表に出ている議論で「軽減税率」の対象となっている食品が家計支出に占める割合は、低所得者家庭でも30%未満である。
家賃は非課税品目だが、建築やメンテナンスは標準税率なので、消費税が増税されれば家賃にも上昇圧力がかかる。持ち家の購入やメンテナンスも負担が増大する。
(あまり理解されていないようだが、非課税品目の支払いにも、消費税の“負担”(消費税の転嫁)が含まれている)
そして、「軽減税率」の仕組みから、標準税率を引き上げると税収の減少はさらに大きくなるため、再び標準税率を引き上げなければならないという悪循環に陥る。標準税率一本なら27兆円になるような税率でようやく25兆円の税収が確保できるようになる制度が「軽減税率」である。
「軽減税率」の導入で、所得階層がどのクラスであっても生活が少しは楽になる家計はないのである。(「軽減税率」の適用で、所得が改善される事業者(家計)は出てくる)
低所得者の生活を支援したいと考えるのなら、誰の得になるのかもわからず。価格が安くなる保証もない「軽減税率」制度ではなく、仕組みはともかく「給付」(財務省案の「還付」を含む)を選択するのがベストである。
「給付」が何より優れているのは、現在でも、「簡素な給付」が行われているように、消費税増税と切り離して「給付する金額」を変更できることである。
(「軽減税率」で負担軽減効果があるのは、水道・電気・ガスなど価格が統制されているライフライン品目だけである。電気は愚策により自由価格に移行していくが、ライフライン品目は食品と違い「軽減税率」の適用を受けると消費税増税に伴う消費税転嫁の額を抑制することができる)
主要メディアは、新聞や書籍への「軽減税率」適用を強く願っているから、公明党(母体とも言える創価学会は日本有数の新聞社であり出版社である)に最前線を任せる一方、「軽減税率」についてウソとデタラメの説明を報じている。(TV局の主要株主は新聞社であり、NHKは一大出版事業者)
「軽減税率」を愚策と考える財務省は、マイナンバー制度を利用して「還付」(実体は「給付」)という奇妙な代替案を示したが、「輸出免税」制度との兼ね合いで「軽減税率」の“問題点”を生々しく説明することができないこともあり、総スカンに近いかたちで消えていった。
共産党は、17年4月の消費税増税中止を前面に打ち出しながら、「軽減税率」ではなく生活必需品を「非課税」にするという政策を提示している。
財務省は、政治的思惑から、「還付」案がつぶれ「軽減税率」に落ち着くよう、マイナンバー(カード)制度を絡ませたおかしな「還付」案を出した可能性が高い。
大きな出版事業を抱える共産党も、増税しないで生活必需品を「非課税」にするという政策を提示しているが、言外に、増税するのならより幅広い品目に「軽減税率」を適用すべきと匂わせている。
今、自民党と公明党が「軽減税率」の対象品目について熱い議論を続けているが、自民党は精米限定や生鮮食品までにとどめるという意見が大勢のようだが、それは「軽減税率」を導入しない方向を目指しているようにもみえる。
「軽減税率」の対象品目が精米限定や生鮮食品になってしまえば、加工食品を差し置いて、新聞や書籍に「軽減税率」を適用するという話は通じにくくなる。(恥知らずの公明党は平気で主張するだろうが)
17年4月の消費税増税を中止させることがいちばんだが、消費税増税政策の再燃は防ぎきれない。
そのときのためにも、現段階から「軽減税率」の内実を理解し反対の声を上げなければならない。
================================================================================================================
[本社世論調査]軽減税率「必要」74% 内閣支持41%、不支持と拮抗
日本経済新聞社とテレビ東京による23〜25日の世論調査で、2017年4月の消費増税時に一部品目の税率を低くする軽減税率の導入は「必要だ」が74%に達し「必要でない」の17%を大きく上回った。内閣支持率は7日の内閣改造直後に実施した前回調査から3ポイント下がって41%となり、横ばいの42%だった不支持率と拮抗した。
軽減税率の導入が「必要だ」と答えたのは内閣支持層で74%、不支持層でも73%にのぼった。自民党内には財源確保の難しさから慎重論もあるが、同党支持層の72%が必要だとしている。年齢別では40歳代が83%と最も高く、70歳以上は69%、20〜30歳代は66%だった。消費税率の17年4月の10%への引き上げは「賛成だ」が36%で2ポイント上昇。「反対だ」は1ポイント下落して56%だった。男性の46%は賛成だが、女性は28%にとどまる。
前回、4ポイント上昇した内閣支持率は再び下落、改造による支持率押し上げ効果はなくなった。自民の支持率は2ポイント下がって35%、民主党の支持率も2ポイント低下して8%になった。無党派層は5ポイント上がって42%だった。共産党は5%、公明党は3%。
9月に成立した安全保障関連法の柱である集団的自衛権の行使に「賛成だ」は26%で「反対だ」が57%。いずれも前回調査からほぼ横ばいだった。内閣支持層は49%が賛成だが、不支持層は10%にとどまる。
調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式で電話で実施。有権者のいる1370世帯から991件の回答を得た。回答率は72.3%。
[日経新聞10月26日朝刊P.1]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK195掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。