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「ここで気がついて解党的出直しを図らない限り、民主党の未来はない:toriiyoshiki氏」
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2015/10/30 晴耕雨読
https://twitter.com/toriiyoshiki
民主党に対する苛立ちと絶望について、きょうは標準語でちょっと真面目に(?)書いてみる。
民主党政権ができて鳩山さんの施政方針演説を聞いた(正確に言えば「読んだ」のだが…)とき、ぼくはある種の感銘を受けた。
鳩山さんは「宇宙人」とか言われた人だが、その言葉には確かにそれまでになかった清新な理想主義の息吹が感じられた。
しかし、その鳩山さんは、沖縄の基地問題について「少なくとも県外に移設」と表明してアメリカの虎の尾を踏んだ。
アメリカに追従することが現実的だと考える党内外の「現実主義者」たちに、寄ってたかって引きずり降ろされた。
対米自立路線を自ら否定した以上、仮に民主党政権が続いていたとしても、辺野古問題への対応はいまの安倍政権と似たり寄ったりにならざるを得なかっただろう。
集団自衛権問題についても然り。
民主党は自民党との有効な対立軸を自ら投げ捨ててしまったことになる。
菅政権の原発事故対応は当時コテンパンに叩かれたが、原子力ムラからの情報に頼らざるを得なかった以上、誰がやっても似たようなものだっただろうと思う。
どころか、もし自民党政権だったらもっと多くのことが隠蔽されたに違いないとぼくは確信している。
菅さんが事故をきっかけに「脱原発」に舵を切ろうとしたのは本気だった。
当時、原発全廃に道筋をつけるため、政策立案を担当していた方にぼくは話を聞いている。
だから、それは自信を持って断言できる。
だが、それは原子力マネーによって幾重にも組み上げられていた既得権益の虎の尾を踏むことでもあった。
「現実主義者」たちは、今度は菅さんを引きずり下ろしにかかった。
民主党はまたしても自民党との重要な対立軸を自ら投げ捨ててしまったのである。
菅さんの後継に野田さんを据えた時点で、ぼくは民主党の人たちの政治センスのなさにほとほと絶望した。
野田さんでは自民党とどこが違うのか判らない。
自民との対立軸、言い換えれば「理念」を喪失した、所詮は「二流の自民党」である。
であれば、選挙で自民党に勝てるはずがない。
ぼくには野田政権は自民党に「大政奉還」するためのショートリリーフとしか思えなかった。
そして、事実そうなった。
「対米自立」と「原発全廃」という二つの「理念」を放棄した時点で、民主党は政権担当能力と存在意義をともに失ってしまったと言っていいのではないか。
小沢さんを追い出したことも、ますます独自性を失うことにつながったかもしれない。
いま国民の過半数が原発再稼働に反対し、安保法制に強い疑問を呈している。
しかし、旗を自ら投げ棄てた民主党は国民の声の受け皿になれない。
それが異様な安倍政権に対する支持率の高さと共産党の躍進につながっているとぼくは思う。
ここで気がついて解党的出直しを図らない限り、民主党の未来はないのではないか。
日本会議の関係者や、共産党よりは安倍政権の方に親近感を抱いている人たちを一掃して、自民党との有効な「対立軸」を取り戻さない限り、ジリ貧になるばかりだろう。
それは現実的な政権交代の可能性が遠のくことを意味しているので、議会制民主主義への絶望を加速することにもなりかねない。
…ほんまにしっかりしてほしいわ、民主党。
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