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「『旧3本の矢』の検証なき『総活躍』は政府の悪あがきだ」(※イメージ)
田原総一朗「『旧3本の矢』の検証なき『総活躍』は政府の悪あがきだ」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151029-00000000-sasahi-pol
週刊朝日 2015年11月6日号
ジャーナリストの田原総一朗氏は、新たな看板政策として掲げる「一億総活躍社会」の前に安倍晋三首相には「旧3本の矢」の総括をしてほしいという。
* * *
「一億総活躍社会」
安倍晋三首相が新しく政策の柱に据えたキャッチフレーズである。これが大変評判が悪い。だが、評判が悪いのは当たりまえで、私も、新聞で一目見ただけで気持ちが悪くなってしまった。
「一億総玉砕」「進め一億火の玉だ」
戦時中の、それも戦況が悪化してから、政府の幹部たちが悪あがきをする中で連発したキャッチフレーズである。
その担当相に起用されたのが加藤勝信前官房副長官だ。ぜひ加藤担当相自身に、こんな時代錯誤のキャッチフレーズを誰が考えたのかを聞いてみたい。
このキャッチフレーズの下に、安倍首相は「新3本の矢」なるものを披露した。
[1]2020年ごろまでにGDP600兆円を達成させる
[2]希望出生率1.8の実現
[3]介護離職ゼロを目指す
いずれも願わしい事柄なのだが、これらは目標ではあっても「矢」ではない。「矢」は、目標達成のための具体策でなくてはならないのだが、安倍首相の言葉からは、具体策らしきものがまったく感じられない。
10月19日の毎日新聞は夕刊で「『新三本の矢』は中身空っぽ?」と、1ページ全体を使って報じた。
私は、いきなり「新3本の矢」を否定するつもりはない。繰り返し記すが、いずれも願わしい目標である。だが、「新3本の矢」を点検する前に、旧3本の矢の成果をとらえなおしてみたい。
旧3本の矢の中身とは[1]デフレ脱却のための大胆な金融緩和、[2]機動的な財政出動、[3]成長戦略の実施であった。
確かに大胆な金融緩和によって、株価は民主党時代の9千円前後から2万円前後まで大きく上昇した。雇用も増え、失業率は下がった。だが、今年4〜6月期の雇用の内容を、民主党時代の2012年4〜6月期と比べてみると、雇用総数は121万人増えているのだが、非正規雇用が178万人増え、正規雇用は56万人減っているのである。また、政府は実質賃金が上がっているというが、現実には残念ながら下がっている。
最大の問題は「成長戦略」だ。政府は毎年GDP2%の上昇を約束していた。13年度は、実質成長率が2.1%増であったが、14年度は、なんと0.9%減であり、15年も4〜6月期は年率1.2%減というマイナス成長である。
私たち国民は、政府が頑張ったことは認めるが、旧3本の矢が成果を出せなかったことを実感している。
それを毎年3%成長が必要なGDP600兆円を掲げられても、その前に旧3本の矢の総括を求めたい。さもないと、「一億総活躍」を、政府の悪あがきのキャッチフレーズと考えざるを得なくなる。
ところで、加藤勝信担当相は、私はまったく面識がないのだが、官僚たちにも、メディアの人間たちの間でも、評判が悪くない。
安倍首相には重宝がられていて、だからこそ「総活躍担当相」に抜擢されたのだろうが、政治家には珍しく、そのことをひけらかしたり、「目立とう意識」がまったくない人物だという。新3本の矢はいずれも矛盾だらけで、四方八方から非難を浴び続けることになるだろうが、「目立とう意識」のない加藤担当相は、それゆえに、非難や悪評にも強いのではないかと期待したい。
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