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カナダ、豪州の政治変化。アメリカ追随路線からの離脱。安倍外交、ノーテンキに中央アジアで金のばらまきー(孫崎享氏)
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27th Oct 2015 市村 悦延 · @hellotomhanks
安倍晋三首相は22日から7日間の日程で、
モンゴルと中央アジアの計6カ国を歴訪している。
あいもかわらず、金をばらまいている。金をばらまいていることが、
日本国、日本国民に、どのようなプラスをもたらすのであろうか。
1957年外交青書が出された時、明確な方針があった。
次の3本柱を掲げた。
1. アジア外交
2. 西側外交
3. 国連を中心とする国際機構との関係
多分、今日もこの柱であろうと思う。こういう基準からみると、
首相の行っている中央アジア外交の重要性は極めて低い。
西側諸国との関係では今、異変が起きている。
いくつかの国が露骨な対米追随から脱却を始めた。
19日投開票のカナダ総選挙(下院定数338)で、
中道左派の自由党が過半数の184議席を獲得し、
約10年ぶりに政権に復帰した。
ハーパー前政権は、米国主導の有志国連合によるイラクでの過激派組織「イスラム国」(IS)への
空爆に参加した。しかしトルドー氏は、対IS空爆作戦からの撤退を公言している。
今一つの動向は豪州である。
雑誌『世界』2015−11に杉田弘也著「オーストラリア首相交代「法の支配」を
軽視したリーダーの失脚」が掲載されているので、対米関係の部分を紹介する。
・2015年9月14日、オーストラリアの保守連合政権の与党第一党である自由党は、
臨時議員総会を開いて党首選挙を行い、
ターンブルがアボットを破って六年ぶりに党首に返り咲いた。
・今回の後退は、政治姿勢や政策の方向の違いがあり、大きな変化が期待できる。
・アボット政権下で、オーストラリア社会の軍事化、警察国家化が進行した。
・ターンブル政権で興味深いのは、外交政策の行方である。
アボット政権時代のネオコン志向の強い専門家を首相府次官や外交顧問にそろえ、
日米との連携を強めてきた。日中間の緊張が高まる中、明白に日本寄りの立場をとってきた。
・一方ターンブルはビジネス面でも個人的にも中国と密接な関係を築いてきた。
ターンブルの子息は中国政府とも強いつながりのある中国人学者の娘と結婚している。
ターンブルは、中国の近代史に言及した上で、
一九七〇年代以来、中国がイデオロギーを輸出するそぶりは見せておらず、
二〇〇九年以降のオーストラリアの戦略目標を中国と不可避的に衝突するとの視点から
構築するのは道理に合わないと指摘した。
2011年オバマ大統領がオーストラリアを訪れ、アジアへ外交の軸足を移し、
中国に対抗してアメリカのヘゲモニーを断固守る姿勢を示した際、
ターンブルは、フレイザー、キーティング両元首相と並びそれを批判した
数少ない政治家の一人であり、
戦略家ニュー・ホワイトが示したアジア・太平洋地域における列強協調の考えに共感を示した。
ターンブルは、地域の経済バランスが変化しても戦略的には何も変わらないと考えるものが
いまだに多いのはおどろくべきことだとして、
米国唯一の圧倒的な超大国のままでいると考えるのはおかしいと述べている。
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