http://www.asyura2.com/15/senkyo195/msg/372.html
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消費税、軽減税率、財政問題、憲法解釈、安全保障政策など数多くの問題について、ウソとゴマカシの説明が満ちあふれている。
憲法違反の政策は論外だが、それ以外は事実に即した説明を行ったうえで賛否を決することに異論はないが、端からウソの説明で政府の都合のいい方向に国民意識を誘導しようという手法は恥ずべきものである。
昨日付けの産経新聞オンライン記事に「柏崎刈羽、フィルター設置開始 ヨウ素除去用 新潟」という見出しのものがある。
一方、数日前には、「原発の排気装置 米で設置義務付け見送り 日欧当局と判断割れる」という記事が報じられている。
3.11福島第一原発過酷事故の対応でいちばん話題になったのは、「1号機のベント遅れ」であった。菅元首相が翌12日朝に福島第一を訪問したため、1号機のベントが遅れたのではないかという“疑惑”も指摘された。
1号機は前日夜8時から9時にかけてすでにメルトスルーを起こしているが、ベントの実施はメルトスルーを遅らせるわけでも防ぐわけでもない。ベントは、放射性物質を余分にかつ大量に外界にまき散らすだけの行為なのである。
日本では今なお冷却剤喪失による核燃料溶融事故への対応として「ベント」が有効な手段と考えられている。
しかし、これは、格納容器内に「放射性物質封じ込め」が何より優先されなければならない原発事故で、奇妙極まりない倒錯した考え方である。
ずばり言えば、事故対策としては、真逆で最悪の手法がベントなのである。
福島の事故も、ベントの実施有無は事故の進展とは無関係であったが、ベントを行ったことで、原発格納容器外に放出された放射性物質は爆発的に増大した。
このような基本さえ理解できていない人たちが原発の運営・規制をしている恐い国が日本である。
(というより、わかっている人もいるのだろうが、福島第一事故で何回もベントを実施して放射性物質を膨大な量まき散らした事実があるため、その犯罪的行為を覆い隠すためにベントの必要性を強調している可能性が高い)
まず、福島第一で使われている沸騰水型(BWR)原発には、90年初頭まで格納容器ベントのための装置はなかった。(なぜか根本的に異なるチェルノブイリ原発事故以後)
手抜きというわけではなく、設計思想的にベント装置が不要だからである。
冷却材喪失や配管損傷といった事故が起きると、原子炉圧力容器や格納容器の圧力が急激に上昇する。
核燃料が入っている圧力容器が破損すればとんでもない事態になるので、主蒸気逃がし弁操作で高圧高温の気体を圧力抑制室(S/C:格納容器の周りを囲んでいるドーナツ状の水プール装置)に送り込んで下げようとする。
この操作でもベント操作ほどではないとしても放射性物質が放出されるが、消防ポンプ車などで注水を行おうためには必須の作業である。
格納容器も、配管損傷(1号機はこれから始まった)やメルトスルーで高圧高温の蒸気が流れ込んでくることで圧力が上昇する。
格納容器ベントの実施は、この圧力上昇で外界への放射性物質の放出を防ぐ最後の壁である格納容器の損傷を防ぐための手段と考えられている。
しかし、圧力上昇による格納容器損傷の対応も、圧力抑制室(ドーナツ状の水プール)+格納容器蓋部で行うのがBWR型原発である。
1号機はメルトスルーが起きる前夕方5時頃には格納容器(及び圧力抑制室)の外で高い放射線量が計測されている。これは、格納容器の蓋のパッキンに透き間ができそこから希ガスや有機ヨウ素が漏れ出てきたことを示唆している。
このような仕組みであることから、BWR原発にはベント装置が設置されなかったのである。
このようにベントを実施しなくても放射性物質は格納容器の外に放出されるが、ベントの実施は、わざわざより多くの放射性物質を外界にまき散らすとんでもない犯罪行為なのである。
まともな理解力や判断力がないのか、意図的にウソやデタラメの説明をしているのかはわからないが、いずれにしても、原発を運営したり規制したりできる能力が欠如していることを意味するのだから、日本が原発を再稼働することは犯罪行為である。
※ 参照投稿
「原発の排気装置 米で設置義務付け見送り 日欧当局と判断割れる:米が○:ベントは格納容器から放射性物質を排出する“倒錯行為」
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/150.html
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2015.10.22 07:04更新
柏崎刈羽、フィルター設置開始 ヨウ素除去用 新潟
東京電力は21日、再稼働を目指している柏崎刈羽原子力発電所(柏崎市、刈羽村)で、重大事故時に放射性物質の放出量を抑える地上式フィルター付きベント(排気)設備に、有機ヨウ素を取り除く新フィルター装置を導入する工事を始めた。国内ではフランス製を採用した中国電力島根原発(松江市)に続いて2例目だが、自社開発製では初めて。
有機ヨウ素は、事故時に格納容器内の有機物と反応して出るガス状の放射性物質。地上式のベント設備だけでは有機ヨウ素の除去が難しいことから、「ヨウ素フィルター」と呼ばれる新装置の自社開発を決め、2月に製造を始めた。
装置は高さ、幅がともに約3メートル、重さが約15トンの筒状。中にある吸着剤の「銀ゼオライト」が有機ヨウ素を取り込み、98%以上取り除けるという。
東電はこの日、ヨウ素フィルターを7号機の地上式ベント設備の架台に取り付ける工事を報道陣に公開した。今後はフィルターとベント設備を配管でつなぐ作業などを進める。さらに6号機の地上式設備と6、7号機の地下式設備への導入も計画している。
これより、有機ヨウ素を吸い込むことで甲状腺がんが発症するリスクの低減につながる。また、避難する事態となった際、周辺住民が甲状腺被ばくを防ぐために安定ヨウ素剤を服用する時期が通常より遅くてもよくなるなど、放射線被害の防護対策の面で効果が見込めるという。
柏崎刈羽原発の宮田浩一原子力安全センター所長は「原子炉が冷却できなくなるという想定外のリスクに対応すべきことを福島第1原発事故で学び、その教訓も踏まえた」と説明した。
柏崎刈羽原発の6、7号機は現在、原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査を受けているが、原発の審査では有機ヨウ素の対策に関する扱いが課題として浮上していた。
http://www.sankei.com/region/news/151022/rgn1510220014-n1.html
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