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橋下維新にメール公開された藤井教授 「やり方に恐怖覚える」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/167420
2015年10月23日 日刊ゲンダイ
藤井京大大学院教授と橋下徹氏(C)日刊ゲンダイ
11月22日投開票の大阪府知事・市長のダブル選が迫り、橋下維新が言論弾圧を強めている。都構想反対派のテレビ出演に圧力をかけ、私的メールをネット公開したのだ。
標的にされたのは、京大大学院教授の藤井聡氏。レギュラーコメンテーターを務めていた朝日放送の「おはようコールABC」と「教えて!NEWSライブ 正義のミカタ」への出演が17日付で“見合わせ”になった件だ。
大阪維新は16日、「おはよう――」が放送法4条(政治的公平性)に違反するという理由でBPO(放送倫理・番組向上機構)に調査を申し立て、「信頼し得る者から入手した」とする藤井氏が知人に送った私的メールを証拠資料として提出。番組で都構想を扱った際のパネルが藤井氏の助言で大阪維新に不利な内容に作り替えられた、と主張している。その上、一連の書面を党HPで公開しているのだ。
藤井氏はこう言う。
「大阪維新は今年2月にも在阪各局に私の出演を自粛するよう要請しましたが、今回のやり方には恐怖を覚えます。彼らはどうやってメールを手に入れたのか? 窃盗を含む違法行為はなかったのか? 現状では全メールをチェックされている可能性は排除できない。私とやりとりする仲間たちにも恐怖心は伝播しています。それに、私的メールの公開は憲法21条(通信の秘密)に反し、プライバシー侵害です」
■「極めて違法性高い」と弁護士
篠原一廣弁護士(篠原総合法律事務所)もこう指摘する。
「メールは手紙同様に私信とみなされ、本人の承諾を得ずに公開されたケースでプライバシー権侵害を認めた判例もある。大阪維新の行動は極めて違法性が高いと言えるでしょう」
そもそも、BPO申立書の内容も悪質だ。番組構成うんぬんは建前で、藤井氏の言動非難に終始。つまるところ個人攻撃で、藤井氏をメディアから葬り去りたいという思惑がミエミエなのだ。
「橋下維新を批判すると何をされるか分からない、と受け止める人は少なくないでしょう。5月の住民投票で大阪市民は都構想を拒否した。橋下氏はラストチャンスと言って戦っておきながら、またぞろ都構想を持ち出している。まるで詐欺師のような手口です。橋下維新にとって、ダブル選勝利は国政への影響を強める政治的ターニングポイント。それを許せば、大阪の未来を破壊するばかりでなく、日本の『自由社会』『民主主義』が崩壊しかねない」(藤井聡氏)
ドーカツに萎縮するメディアも情けないが、橋下氏のヤリ口と因縁のつけ方は、普通の人間とは思えない。
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