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(耕論)もの申す私たち
http://www.asahi.com/articles/DA3S12027899.html
2015年10月22日 朝日新聞 文字起こし
ふと見渡せば、幅をきかせるのはイエスマンばかり。生き延びるには、異論など唱えようもないのか。といって不正まで見過ごせるものか。各界の個性派がモノ申す、この国の空気。
■喪服牛歩、ワル目立ち上等 山本太郎さん(参議院議員)
僕もできるもんなら、周りとじっくり付き合い、良好な人間関係を築いていきログイン前の続きたい。そのなかで、少しずつ物事を正していきたい。でも、そんな余裕もないほどの猛スピードで、いまこの国は変わりつつあります。だから批判されても、僕なりのやり方で異論を唱えているんです。
安保法案の参院採決で、僕は1人で牛歩をしました。実は、すべきか否か3日ほど悩んだんです。だって近ごろ牛歩にいいイメージはないし、1人でやってもワル目立ちするだけで、今後の野党再編に水を差しかねない。
喪服にお焼香ポーズで、たたかれたのも覚悟のうえ。なんで、あんなバカなことやってるんだという興味から、政治に無関心だった人にも知るきっかけにしてもらえたら十分です。単なるパフォーマンス? 上等じゃないですか。
僕のような、ぽっと出の政治家と違って、自民党の議員はいま大変でしょう。たとえ腹のなかに異論があったとしても、何もモノが言えない。資金、ポスト、党の公認権と、急所をすべて握られているんですから。官邸の下請けとして働くしかない。
だから、総裁選が無風で終わったのも十分に理解できます。だって人間ですもん。よけいなことは何も言わず、「そうですねえ、その通りですねえ」と調子を合わせておくのが一番楽でしょう。
自民党政権に戻って、TPPも武器輸出も労働法制も、経団連が過去に政策提言で望んだものが次々に実現しています。組織票を持ち、献金もしてくれる財界の権力者への政治からのご恩返し。「大人の約束」を守って期待に応えているわけです。
でも、みんなが言うべきことも言わず、長いものに巻かれ、我が身の保身と目先の利益ばかりに汲々(きゅうきゅう)とした結果が、この「今だけ、カネだけ、自分だけ」の世の中なんじゃありませんか。これは長続きしませんよ。
この流れをひっくり返すには、市民の側も経団連を見習うべきです。どうやったら自分たちの代弁者を国会に送り込めるか、じっくり考えてほしい。前回の総選挙で足を運ばなかった4割もの人を、僕も何とかこちら側に引っ張り込みたい。政治の選択が結局は生活に直結してくるんだと、実感してほしい。
では、どうするか。原点に戻ろうと思ったんです。自分はいま、なんで政治をやっているのか。大勢の市民が後押ししてくれたからだろ。反対の声が各地であがり、デモの声は国会内にまで響いてきた。これは負けてられへん、期待に応えなあかん、って。
ワル目立ち、パフォーマンスとたたかれてもいい。政治の実情を訴え、市民と連帯していく。これが政治家として、たった1人でもやるべきことです。
(聞き手・萩一晶)
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やまもとたろう 74年生まれ。16歳で芸能界デビュー。13年参院選で初当選。「生活の党と山本太郎となかまたち」共同代表。
以下略
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