http://www.asyura2.com/15/senkyo195/msg/349.html
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※関連参照投稿
「“旧電力”9社で発電総量の96.5%シェア:その自由化が電力会社に対する“勝手気まま優遇政策”になると理解されぬ日本」
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/816.html
「「電力自由化」と電力供給活動の特殊性:「電力自由化」は電力会社の勝手気ままな利益追求を許しかねない政策」
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「発送電の分離 改正案が衆院本会議を通過:本旨は料金の自由化、電力会社の利益のため大企業は安く一般家庭は高くなるという話」
http://www.asyura2.com/15/senkyo185/msg/368.html
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象とアリの戦い!? 電力自由化[NHK]
10月22日 22時15分
家庭でも電気の契約先を自由に選べるようになる電力小売りの全面自由化が来年4月に始まります。新規参入が活発になり、競争による電気料金の引き下げが期待されています。しかし、圧倒的な規模の発電設備と顧客網を抱える大手電力会社と、新規参入企業の競争は、しばしば、″象とアリの戦い″と例えられます。電力自由化で本当に競争は進むのか。エネルギー問題の取材を続ける経済部の甲木智和記者と小田島拓也記者が解説します。
楽天の戦略は“ゲームチェンジ”
午前8時、ネット通販大手「楽天」が行う毎週恒例の朝会。三木谷浩史社長が「電力ビジネスに革命を起こす」と発言しました。英語での静かな物言いながら、全面自由化される電力の小売り事業に、内なる闘志を感じました。
来年4月から電力“戦国時代”に
一般家庭に電力を供給する事業はこれまで大手の電力会社にだけ認められてきた規制業種でしたが、来年4月以降は、一般家庭でも電気の契約先を自由に選べるようになります。電力会社が独占してきた8兆円あまりの市場を狙って、すでに80社以上が名乗りを上げています。
楽天は一般家庭向けへの電力事業というビジネスチャンスに向けて着々と準備を進めてきた企業のひとつです。しかし、自由化されるとはいっても圧倒的な規模の発電設備をもつ大手電力会社との競争環境は決して「対等」ではありません。しばしば、″象とアリの戦い″と例えられるゆえんです。
では「アリ」とやゆされる新規参入企業がどうやって「象」と戦うのか。楽天の場合、武器となるのがポイントサービスです。例えば、ある夏のピークに節電してくれた利用者には、ポイントを多めに付与します。1世帯ごとに節電できる電力量は少ないですが、多くの世帯が節電に協力すれば、ピークは大きく下がります。当然、その分の発電は必要なくなります。
これまで電力会社は夏や冬のピーク時にどれだけ電力消費量が増えても対応できるよう、発電所を建設、運営してきました。楽天は、その仕組みを根本から変えようというのです。節電の効果は、震災後の危機的な電力不足で実証済み。楽天が抱える会員は、延べ1億人です。これまで培ってきた顧客網とポイントサービスを最大限活用して、全く違う電力ビジネスで象に戦いを挑もうというのです。
もちろん、どれだけ電力消費を削減できても、最後は、消費者に届ける電力を確保しなければなりません。そこで楽天は、国内最大規模の太陽光発電所を運営する丸紅と提携。今後、さらに提携先を増やしていく方針で、地域独占が続いてきた電力市場に競争を持ち込もうとしています。
大手電力会社は経営体質の見直しを
一方の「象」は、どう迎え撃つか。
大手電力会社の筆頭、東京電力は“殿様商売”とも言われた姿勢を一変させ、顧客を大事にするという民間企業の本来あるべき姿に変わろうとしています。外部に委託してきた安全点検の業務に社員をあたらせて顧客から要望を聞き取ったり、WEBサイトをお年寄りにも使いやすいように更新したりと、これまでにない動きも出てきました。
また、電気料金の引き下げにつなげようと発電所でのコスト削減にも必死です。トヨタ自動車で生産現場のムダを洗い出してきた内川晋元常務を経営幹部に迎え、1日に1億円以上の費用がかかる火力発電所の点検期間を短くしようと、細かい“カイゼン”に乗り出しています。
その一例がファンの点検です。
これまでは羽を寝かせて手作業で片面ずつ点検していましたが、羽を立てられる台を新たに作り、両面を同時に点検するよう見直しました。
すごく単純なことのように感じますが、こうしたムダをいくつも洗い出すことで、この発電所では定期点検にかかる日数を80日から50日に短縮し、50億円ほど削減できるといいます。
民間企業であればこの程度のコストカットはあたりまえだと感じる方も多いと思いますが、市場を独占してきた大手電力会社にその必要はありませんでした。電力を安定して届けるという理由で、発電や点検などにかかる費用をそのまま電気料金に上乗せすることが認められてきたからです。しかし、来年4月以降は、電気料金が高ければ顧客はどんどん離れていってしまいます。電力自由化はコスト意識が低かった大手電力会社にメスを入れることにもつながるのです。
自由化を阻んできた大手電力
電力自由化は海外ではもっと早くから実施されてきました。日本で一般家庭向けの自由化がなかなか実現しなかったのはどうしてなのでしょうか。
それは電力会社の強固なまでの抵抗があったからです。
1990年代以降、政府内には電力自由化を進めようとする動きが何度もありました。しかし、電力会社は「電力を安定して供給する責任が果たせなくなります」と主張し、政府に抵抗したのです。そのもっともな理由として使われたのが実は原子力発電所でした。「競争が激しくなれば膨大な費用が掛かる原発の運営がままならなくなるかもしれません」「安定した、価格の安い電力を供給できなくなるかもしれませんよ」という、なかば脅しにも近い、電力会社側の理屈でした。
しかし、東京電力・福島第一原子力発電所の事故で、安定供給を義務付けられていた電力会社が計画停電せざるをえない事態を招いたことで、この理屈は崩壊しました。もはや電力会社も自由化に反対できなくなったのです。
電力の販売で災害への備えを
原発事故と計画停電を経験したことは、地方自治体に電力供給のあり方を問いかけることにもつながりました。
福岡県みやま市はことし3月、全国の自治体で初めて電力を販売するための新会社を設立しました。その理由は「災害への備え」です。電力供給が仮に途絶えることがあっても大手電力会社に頼らずに自分たちで最低限の電力を確保したいという思いからです。
みやま市は市内に普及していた太陽光発電を中心に電力をまかなっていく計画で、地域で消費する電力を地域で作り出す、「電力の地産地消」を目指しています。
みやま市の西原親市長は、「今後この事業が地域にとって大きな役割を果たしてくれると考えている。私たちは私たちの力で電気を守っていきたい」と話していました。
こうした自治体が少しずつでも増えると、電源の分散化がはかられ、より災害に強い電力インフラが構築されるという専門家は少なくありません。
エネルギーを考えるきっかけに
「電力小売りの全面自由化まであと半年を切りました。日常生活の会話で、携帯電話のように「電気はどこの会社?」と話をする日が近づいているのかもしれません。電気を“選ぶ”ことが定着することは、電力会社に価格やサービスの面で努力を促すだけではありません。国民1人1人がエネルギーについて考えるきっかけにもなりますし、国の政策への関心を高めることにもつながります。自分が電気を買おうとしている会社はどのように電力を作り出しているのか。長期的なコストや環境への負荷はどれぐらいかかるのか。こうしたことを考えることすらできない制度が一変する、歴史的な転換点が迫ってきています。
http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2015_1022.html
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