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映画「ドローン・オブ・ウォー」が現実に起こっている
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サンデー毎日 2015年11月 1日号
牧太郎の青い空白い雲 連載543
映画「ドローン・オブ・ウォー」が話題になっている(公開中)。あらすじは、こうだ。
アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐(イーサン・ホーク)は、有人戦闘機F16のパイロットだったが、現在はアフガニスタンなど紛争地域を飛行する軍用ドローンのパイロットをやっている。
トミーの赴任地はアジアでも中東でもない。仕事場はラスベガスの空軍基地内にあるエアコンが利いたコンテナ。1万キロ以上離れた地球の反対側にいる標的を無人機ドローンを遠隔操作して、モニター越しに監視して、攻撃する。
ゲームセンターの「戦争ごっこ」をイメージしてみればいいだろう。イスラム武装組織「タリバン」のメンバーを見つけ、トミーがジョイスティックの発射ボタンをカチッと押す。無音のモニターは、10秒後に着弾する様子を映し出さす。凄(すさ)まじい爆発。砂ぼこりが収まると、手足がバラバラに吹き飛ばされる......。
映画を見ているというより、ゲームを見ているようだ。事実、ゲームセンターで遊んでいた奴(やつ)がここでは「空軍パイロット」だ。
× × ×
トミーはCIA主導の「テロリスト掃討作戦」への参加を命じられる。「標的の近くにいる民間人を巻き添えにしない」というルールが、「民間人の巻き添えは仕方がない」と変更された。「タリバン」の幹部が、トミーの発射ボタンで周辺にいた民間人と共に、ミサイルで吹き飛ばされる。救助に集まって来た人々を目がけてもう一発。「これは戦争犯罪じゃないか?」とトミーは苦悶(くもん)する。
ドローン(無人機)の技術が「人間の死に方」を変えている。トミーは不眠症になり、酒に溺れ、夫婦生活にも亀裂が入る。ザッと、そんな粗筋だ。
× × ×
これはフィクション。しかし、「ドローン爆撃」は現実に行われている。
『ニューズウィーク』によると、この交戦規定は「識別特性爆撃」(signature strikes)と呼ばれる。テロリストと確認できなくても「それらしい行動パターンの人間」は標的と見なし、その周辺の人々も含め、一網打尽に殺す。米国本土への攻撃を防ぐためにはやむを得ない!というメチャクチャな論法で、現実に、アメリカはドローンで人々を殺している。
実は9月中ごろ、この映画の宣伝マンからサンプルが送られてきた。すぐ見た。衝撃を受けた。紹介しなければ......と思ったが、宣伝に使われるのが嫌で、そのままにしておいた。ところが最近、この映画は紹介しなければ!という使命感を持つようになった。理由は二つある。
一つは国際医療NGO「国境なき医師団」がアフガニスタン北部で運営する病院が空爆を受け、患者やスタッフ計22人が死亡したという。反政府勢力タリバンとアフガン治安部隊が交戦中だった。アフガン駐留米軍が政府側を支援して空爆を続けていた時、事件は起こった。「誤爆」と駐留米軍の司令官が説明したというが、この映画を見ている人は「誤爆」では片付けられないだろう。これは 「識別特性爆撃」ではなかったのか?と誰でも疑う。
病院のどこかに標的がいる!という判断で「病院もろとも一網打尽」にしたと思えてならない。
もう一つの理由は日本の現状だ。
× × ×
安倍さんが「日本人の犠牲」を顧みず、ただアメリカのために戦争に参加しようとしている。集団的自衛権行使容認なんて、カッコいいお題目は大概にしてくれ!
アメリカは「最先端軍事技術」を持ちながら、戦争下手である。その結果、ますます衰退する。こんなことは賢い日本人なら誰でも知っている。でも、裸の王様の安倍さんにはコレがわからない。
「反知性主義」なんて、わかったような、わからないような「表現」を使うから、ややっこしくなるが、要するに安倍さんは「歴史上、稀(まれ)に見る大馬鹿野郎」なのだ!そして、その"取り巻き"が「ドローン戦争」への道を広げようとしている。それが、この映画を紹介した理由である。
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