http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/854.html
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転載する記事に書かれている「10年前の平成17年度と比較しますと、「利益剰余金」は152兆円余り、率にして75%も増えましたが、逆に「設備投資」の額は、9兆9103億円、率にして19%減っています」というデータが、日本経済の苦境を如実に表している。
政府+主要政党は、大企業と言われるグローバル企業の国際競争力を高め経営力を増強するため「消費税増税+法人税減税」の政策を進めてきた。
(グローバル企業は、消費税の税率が高くなればなるほど利益になり、法人税の税率が低くなればなるほど利益になる。グルーバル企業は「法人税税率−消費税(付加価値税)税率」の値が小さい国ほど事業を行うに望ましいところと判断する)
また、日本の財政赤字が肥大化している主要原因は、社会保障関連支出の増大ではなく、銀行の資金運用難であり、大企業の退蔵利益増大である。
97年の消費税増税を境に日本の資金循環は大変動を遂げ、それまで最大の資金需要者であった企業部門が余剰資金を保有する資金供給元となり、部門として資金が不足しているのは政府部門だけとなってしまった。(家計も企業も部門としては黒字)
政府やメディアそして学者は人々を騙しているが、赤字国債を35兆円〜50兆円も発行している大きな理由は、家計や企業が預金している銀行の経営を支えるためである。
(そのため使い切れずに15兆円規模の繰り越しが発生するほど予算を肥大化させてきた:見えにくくするため過剰な予算は地方に回している)
預貸率(預金から貸し出しに回している比率)が70%を切る状況のため、銀行を中心とした金融機関は、政府部門が発行する国債や地方債などから利子や売却益を得なければ経営が成り立たない。
むろん税収の不足ということも指摘できるが、その税収不足をもたらしている要因の一つが、大企業が稼いだ付加価値の一部が内部留保に回され使われてないことである。
お金は使われることで、所得税や法人税や消費税に結び付く。記事で即して言えば稼いだ利益のうち年平均15兆円が使われていないのだから、それだけで乗数効果(天下の回りものであるお金が動くたび税が発生する)を考えると税収が10兆円ほど減ることになる。
おかしな話をすると、赤字財政を拡大させることで税収が増えるという側面もある。政府部門が調達する物品や公共投資にも消費税が課されるとともにそれで利益を上げた企業が法人税を納付し従業員が所得税を支払うからである。
長寿命化(高齢者比率の上昇)が進む日本は、悪性インフレを防ぎながら現在の福祉レベルを維持するために、是が非でも設備投資を増大させなければならない。
それは、ただお願いするだけでは実現できない。ましてや、「消費税増税+法人税減税」政策を推進してもこれまでの二の舞(大企業の内部留保増大)で終わってしまう。
まずは、今なお強く残っている「冷戦発想」から抜け出す必要がある。
米国の盾に隠れてロシアや中国を悪し様に言えば心が落ち着くといった属国根性は払拭しなければならない。
そして、敗戦国として「遅れた先進国論」に基づき、経済的により豊かな米国や欧州諸国に“彼らが造っていた”製品を安く輸出することで成長を実現したという成功経験からも脱却しなければならない。
幸いなことに、日本は世界最高の経済成長地域であるアジアに位置している。
米国が日本を経済成長させることで自身も成長を維持したように、日本も、新興国を経済成長させることを通じて日本の経済成長を実現するという強い意志を持たなければならない。
自由主義経済国家において、政府が企業にただ投資を要請してもことはうまく運ばない。
政府ができることは、低中所得者の可処分所得を引き上げることであったり、社会保障政策に対する安心感であったり、企業が外国で事業を展開するさいの条件をよくすることだったりと限られているが、それらをフル動員して企業の投資意欲を高めていくほかない。
日本(の企業)は、ドイツやアメリカと並び超一流の産業技術を保持している。それを現在そして近未来の世界でどのように活かせば、自国そして新興国の経済成長(国民生活の向上)につなげていけるかを政府も必死になって考えなければならない。
そしてともかく、経済政策として実効性がないだけでなく、日本の経済及び社会に大きな歪みをもたらしてしまった消費税の増税政策を打ち止めにしなければならない。
※参照投稿
「日本の将来は「設備投資」増大がカギを握っている:安倍政権のめざす方向は正しい」
http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/742.html
「政策に対する誤認:安倍政権は「租税特別措置」をやり過ぎなくらい拡大・増強:恥を捨て国民のため懇願する安倍氏はリッパ(笑)
http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/761.html
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投資要請 背景に企業の内部留保354兆円[NHK]
10月16日 20時00分
安倍総理大臣は、政府と経済界の代表らが出席した「未来投資に向けた官民対話」の初会合で、経済界の代表らに対し、投資を積極的に行うよう協力を要請しました。この背景には、業績が好調な企業が稼いだ利益を投資にまわさず、内部にため込む、いわゆる企業の内部留保の増加があります。
財務省の統計によりますと、昨年度・平成26年度の国内企業の「経常利益」は、64兆円にのぼり、過去最高の利益をあげています。
また政府が、いわゆる企業の内部留保とみている「利益剰余金」の額は354兆円にのぼり、企業が主に国内で行った「設備投資」の額は、40兆8373億円でした。
これを今から10年前の平成17年度と比較しますと、「利益剰余金」は152兆円余り、率にして75%も増えましたが、逆に「設備投資」の額は、9兆9103億円、率にして19%減っています。
企業が、工場などの設備や研究開発、それに人材に投資を増やせば、雇用が増える可能性があるほか、企業の生産性が高まり、日本全体の競争力も高まる可能性があります。
しかし企業側はリーマンショックの際、資金繰りが非常に苦しくなったことから潤沢な資金が必要だと考えているほか、国内の市場が人口の減少にともなって縮小していくとみているため、後に過剰だと評価されるような投資は避けたいと考えています。
これに対し、政府側は投資や賃上げに踏み切らなければ経済の好循環が続かないと危機感を強めています。
麻生副総理 企業の内部留保増加を批判
麻生副総理兼財務大臣は、全国信用組合大会であいさつし、「企業の内部留保は安倍内閣がスタートしてから1年目で24兆円、去年は26兆円も増えている。企業は金をためるのが目的なのか。企業はもうけた利益を株主への配当や社員の賃上げ、投資に回すべきなのにそれもせず設備投資は数兆円しか伸びていない」と述べ企業が稼いだ利益を内部にため込んでいるとして批判しました。
そのうえで「デフレという状況から今やっと脱出し、インフレに向かいつつあるところまできたが、景気の回復を確実なものにすることが安倍政権の責任だ。これまで金融と財政の政策は頑張ったが次に頑張るのは民間企業だ。政府と日銀に頼っていても話にならない」と述べ、景気の回復を確実なものにするためには企業の積極的な取り組みが必要だという認識を示しました。
甘利経済再生相「大胆な投資を」
甘利経済再生担当大臣は、記者会見で、「日本は人口減少で需要が伸びないというが、イノベーションを通じて需要は拡大する。世界はいま産業の転換期を迎え、積極果敢な投資を行うかがこれからの差につながる。今だからこそ大胆な投資に踏み出すべきだ」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151016/k10010272841000.html
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