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創価学会とはすきま風?(※イメージ)
安倍改造政権支える宗教 集団的自衛権で創価学会とはすきま風〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151015-00000001-sasahi-pol
週刊朝日 2015年10月23日号より抜粋
第3次安倍改造内閣の面々には知られざる共通点があった。デモの渦の中で強行採決した安保法制、株価下落などアベノミクスの崩壊、迫る消費増税。来夏の参院選に不安要素がいっぱいの安倍政権が頼みにするのは「宗教」だという。
自民党と連立を組む公明党の支持母体である創価学会もその一つだが、幹部が自嘲気味にこう語った。
「来年の参院選で安倍さんが頼りにしているのはうちではなく、神道政治連盟、日本会議、全日本仏教会(全日仏)、そして統一教会の4団体でしょう」
全日仏とは、浄土真宗、日蓮宗、天台宗、真言宗など伝統仏教を中心に105の団体が加盟する組織だ。前回の13年の参院選では、複数の主要団体が個別に自民党の候補者の支援団体として名を連ねていた。
「全日仏は強い集票力があるが、安倍首相の靖国参拝に抗議するなど「神道政治連盟」(以下、神政連)らとスタンスが異なる。支援を受けた自民党議員は股裂き状態です」(仏教関係者)
統一教会の名前が挙がるのはどういうわけなのか。宗教関係者がこう続ける。
「統一教会は選挙の際に人も票も出すので、自民党議員は重宝している。ほとんど報道されませんでしたが、実は統一教会は8月に名称を変更している。これまでなかなか話が進まなかったのに、文化庁が認証したのです。宗教関係者の間では、来夏に控える参院選のため、安倍政権の対策ではないかと話題になりました」
確かに8月26日付で、統一教会の宗教法人としての名称である「世界基督教統一神霊協会」を「世界平和統一家庭連合」に変更することが、所轄の文化庁宗務課によって認証されている。以下、本文でも同団体を「家庭連合」と記述する。
家庭連合の公式サイトによれば、97年に同団体創設者の文鮮明氏(故人)が、名称変更をすると発言。同年5月以降、<世界の(同団体の)教会では、「世界平和統一家庭連合」に名称変更を完了していました>という。
突然の名称変更が前述のような臆測を呼ぶのは、ある雑誌のインタビューがきっかけの一つだ。
文化庁は文部科学省の外局だが、名称変更当時、そのトップだった下村博文前文科相は大臣に就任した12年12月以降の約2年半の間に、家庭連合と関係が深い世界日報社の月刊誌「ビューポイント」に3回にわたってインタビュー記事が掲載されている。同誌には石破茂地方創生相の座談会、林芳正前農相などのインタビューも掲載されているが、短期間に3回も登場した大臣は下村氏のみだ。
家庭連合の名称変更について文化庁宗務課を取材すると、こう回答した。
「以前から相談を受けていたのは事実ですが、申請があったのは今回が初めて。宗教法人法28条の規定に基づいて適正と判断したため、認証しました」
「今回認証申請が認められたのは、法に定められた要件を備えているため、と理解しています」(家庭連合広報局)
家庭連合と自民党との関係を本誌はこれまで度々、報じてきたが、神政連と日本会議の両方に所属するある自民党議員によると、両者の接点も「反共」という。
文鮮明氏は共産主義への対抗運動の一環として右翼系政治団体「国際勝共連合」(68年)、「世界平和連合」(91年)などを設立し、安倍首相の祖父、岸信介元首相はその支援者として知られた。特定秘密保護法の前身とされるスパイ防止法の制定、「戦後レジームからの脱却」、改憲などを昔から一貫して主張し、安倍政権とも思想的に近い。
3月に韓国・ソウルで行われた家庭連合系のイベントで、自民党の参院議員がわざわざ祝辞を述べたり、昨年10月に東京都八王子市で行われた家庭連合会長の講演会では、萩生田官房副長官が来賓挨拶を述べた。
安倍首相の覚えがめでたいと言われる稲田政調会長も09年に家庭連合と関連が深い世界平和連合の大会で講演を行い、安倍首相自身も10年、これまた家庭連合と関連の深い世界戦略総合研究所が議員会館内で定期的に開いている会合に講師として参加。その様子は同会のホームページに写真つきで紹介されていた。
衛藤首相補佐官は同研究所のために議員会館の部屋を借り、講演をしたこともあった。
こうした関係は、選挙を通じて培われているものだと、自民党元選挙スタッフが証言する。
「13年の参院選で、私は安倍首相と近い議員の下で働きましたが、世界平和連合の名刺を持った秘書が2人派遣されてきて、手紙の発送、集会の動員などを手伝っていた。当選が危ぶまれたのですが、家庭連合から数万票が入り、逆転で当選しました。前回の参院選で家庭連合の支援を受け当選した議員は他にも複数いました」
水面下で繰り広げられる宗教界の勢力争いは、来年の参院選挙にどんな影響を及ぼすのか。ジャーナリストの高野孟氏が語る。
「安保法制を押し通したことで、公明党の支持母体である創価学会の中で自民党へのわだかまりが強くなっており、選挙の際にこれまでどおりの動きを期待できない可能性がある。そうした危機感が安倍政権を日本会議・神政連や家庭連合へ接近させているとも考えられるが、右派色の強い団体への接近が、創価学会の反発をより強める結果になるのではないでしょうか」
(本誌取材班)
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