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安倍政権の評価はひとそれぞれの基準や価値観に拠るので、持論(私が安倍政権を擁護していると思っている人もいるけっこういるようだが)を説明するとしても、安倍政権に対する他の評価を間違いというつもりはない。
しかし、消費税制度や「軽減(複数)税率」制度はロジカルな問題である。それゆえ、事実は事実、間違いは間違いとして確認し合うことができる。そして、その確認を前提としたうえで、「軽減(複数)税率」に対する賛否を決めなければならない問題である。
(「軽減(複数)税率」の導入で得になると思うひとは賛成すればいい。事実を理解し事実を説明したうえで賛成するひとを非難はしない)
消費税制度については、政府やメディアがデタラメでウソの説明を流布させてきたことが根源的な問題なのだが、税の仕組みをきちんと考えないまま善し悪しを論じる傾向が強すぎると思う。
軽減税率問題でも、「複数税率」を「軽減税率」と呼ぶことで、それが国民の消費税“負担”を軽くするものと誤解するよう仕向けている。
【簡単な質問】
まったく同じ商品を買うとき、次のA・Bどちらがお得だと思いますか?
A:本体価格8500円+消費税10%
B:本体価格8800円+消費税8%
どちらも外税方式による価格表示で、Aは消費税税率が10%になっても標準税率のまま、Bは標準税率が10%になったとき低い(軽減)税率8%が適用されたとイメージしてもらえばいいと思う。
消費者にとっての問題は、店の利益がいくらなのか、店が負担する消費税額はいくらなのかといった価格構成の内容ではなく、“自分が支払わなければならない総額”はいくらなのかということであろう。
質問のケースでは、Aは総額(税込価格)9,350円、Bは総額(税込価格)9,504円だから、消費税の表示税率が10%のAのほうが消費者にとって得である。
消費税の表示税率そのものは購入価格とは直接の関係がないのに、「軽減税率」制度を求めている人たち(複数税率ファン)は、なぜか、消費税の表示税率が低いほうが得だと言い張っているようにみえる。
言いたいのは、外税方式の価格表示でしか通用しないことだが、購入時に表示されている消費税の税率にこだわっても「家計負担」を論じることはできないことである。
ものの価格は「原価+荒利」で構成されるが、それを「(原価+荒利)+消費税分」のように表示しているのが外税方式である。
原価はともかく、荒利と消費税分は本来分離できないものであるが、外税方式による価格表示では分離しているように見せている。
消費税の表示税率は法定なので勝手に変更できないため、販売状況に応じた価格の変更は、荒利のなかの荒利部分と消費税部分を調整することで行う。
昨年4月、消費税の税率が8%にアップされたが、事業者の多くは、増税で増大した消費税負担分を最終消費者など取引先にまるまる転嫁することができなかった。
4月のあいだはまるまる転嫁しようと、それまでの本体価格+新消費税率8%という価格設定をする店も多かったが、販売状況がかんばしくない状況が続き、5月、6月と徐々に総額(税込価格)が下がっていった。税込価格で高くすると売れないのなら、税込み価格を下げるしかない。
そのため、下げることができない消費税(表示)税率はそのままで、本体価格を下げることにより総額価格を下げていった。(ある店が総額で安くすれば、ナショナルブランド品や同等生鮮品の総額価格は波及的にどの店でも下がっていく)
このような状況は何を意味しているかと言えば、消費税の税率を下げなくても、売れなければ総額(税込価格)は下がるということである。
むろん、それは販売店の“犠牲”によってあがなわれている。
総額価格を他の店ほど下げると経営が成り立たない店(仕入価格が高い店など)はシャッターを下ろすことになる。89年の消費税導入が「シャッター商店街」を生み出した要因の一つでもある。
ここで説明した「消費税の(表示)税率は消費者の負担軽減(ものが安く買えるかどうか)とは直接の関係がない」という理解が、「軽減(複数)税率」制度を考えるうえで基礎となると思う。
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