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安保法案の前に憲法改正は必要だった!「敵を殺す権利」がない自衛隊を海外派兵させるのか?(週プレNEWS)
http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/666.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 13 日 08:24:05: igsppGRN/E9PQ
 

             「中国の脅威」も 「徴兵制」もあるわけない! 本当に考えるべき国防の論点を伊勢崎氏が語る


安保法案の前に憲法改正は必要だった!「敵を殺す権利」がない自衛隊を海外派兵させるのか?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151013-00054884-playboyz-pol
週プレNEWS 10月13日(火)6時0分配信


大混乱の末、9月19日未明についに可決された「安全保障関連法案」。まるで噛(か)み合わない議論が与野党の間で延々と繰り広げられ、最後は与党が数の力で押し切った形だ。

そんなグダグダだった一連のやりとりに「賛成派も反対派も論点がズレまくっていた!」と怒る人物がいる。安保国会に参考人としても出席した、東京外語大教授の伊勢崎賢治氏だ。

国連PKO上級幹部として、海外の紛争現場をつぶさに見てきた氏が語り尽くす、安保法案への怒りと失望の理由とは? (前編⇒「賛成派も反対派もずれまくりだった安保関連法案の争点」http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150929-00054110-playboyz-pol

―それでは、今回の安保法制成立で具体的に何がどう変わるのでしょうか?

伊勢崎 おそらく当面は何も変わらないでしょう。中国に対して、アメリカがすぐに東シナ海に出動するという状況はなさそうですし。

また、中東でのISとの戦争に自衛隊が巻き込まれる可能性も低いと思います。なぜなら「親分」であるアメリカが今後、あの地域に大量の地上軍を送り込む可能性がほとんどないからです。

イラクやアフガニスタンでの戦争に事実上、敗北したアメリカはそれに懲りて軍事戦略を根本的に変えています。ISとの戦いでも、地上戦はイラク軍やクルド人部隊などに任せて、空爆しかしていません。いくらなんでも、イラク軍やクルド人部隊への補給や後方支援を自衛隊にやれとは言わないと思います。

今ですら「集団的自衛権の行使」としか言いようがないインド洋での給油など、すでに自衛隊はアメリカ軍の「ガソリンスタンド」と化している。それが、今回の安保法制で弾薬やミサイルも供給できることになっただけ。便利な「コンビニエンスストア」になったぐらいに考えればいい。

もちろん、アメリカとの軍事的な一体化が強まることで、日本が以前よりもテロの標的となるリスクは高まったのは事実でしょう。日本中にこれだけ無防備な形で原発があることを考えると、大変に恐ろしいことだと思います。

それより、当面、最も心配なのはアフリカの南スーダンで国連平和維持活動(PKO)を行なっている自衛隊員です。非常に不安定な状況が続いている南スーダンには、今も数百人を超える自衛隊員が派遣されています。近年のPKOは、1994年のルワンダの大量虐殺を阻止できなかった反省から武器使用基準を大幅に見直していて、自衛隊が「紛争当事者」となる可能性も高まっています。

―では、今回の安保法案で最も議論されるべき点はどこにあったのでしょうか?

伊勢崎 憲法9条に照らして今回の安保法制は、違憲か合憲かという点が議論になりました。参議院で開かれた中央公聴会では、野党側の公述人を務めた憲法学者に「自衛隊は合憲なのか?」という意地悪な質問をした人がいました。

すると、安保法案を「違憲」だと主張する4人のうち3人が自衛隊を「合憲だ」と答えた。20年前なら憲法学者の半分以上が「違憲」と言っていた問いなのに、いつの間にか護憲派までが「自衛隊を合憲」と言いだしちゃった。

今回の安保法制によって自衛隊は集団的自衛権の限定的な行使ができることになり、PKOなどの集団安全保障において「駆けつけ警護」など武力行使も可能になった。ところが自衛隊には「交戦権」がない。9条が明確に保持を禁じているから。そんな自衛隊を海外に派兵するということの危うさを誰もよくわかっていない。僕が本当に問題だと思う点がここにあります。

―どういうことでしょう?

伊勢崎 「交戦権」とは、ひと言で言えば国際法上の「敵を殺す権利」です。正確には敵を殺し、相手を制圧し、軍政を敷く権利までを含みます。

僕がかつて国連の文民統括責任者として東ティモールの知事を務めていた時、ゲリラの進入で我々の兵士1名が殺されました。その際、僕の責任で「武器使用基準」を緩和して、指揮下の国連平和維持部隊が敵の兵士十数名を皆殺しにしたことがあります。

もちろん、我々(国連平和維持部隊)には交戦権があるので国際法的には合法で、そこに「良心の呵責(かしゃく)」を感じる必要はない。いや、現実は違いますよ、自分で死体を確認しました。彼らは軍服を着ているわけでもない、どこにでもいそうなお兄ちゃんたちです。これが、国際紛争のリアリティなのです。

―自衛隊はその「交戦権」が認められないまま、紛争地域に送られているのですね。

伊勢崎 そうです。イラク特別措置法以来、自衛隊は「交戦権」を持たない、つまり、「敵を殺す権利」がない状態で海外に派兵されている。

しかしその一方で、自衛隊は海外では「軍隊」だと見なされていますから、仮に紛争に巻き込まれれば紛争当事者として「合法的に殺すことのできるターゲット」になるわけです。自衛隊をそうした状態のまま海外に派兵するなんて、メチャクチャな話です。

ところが、日本はもう何年も前からイラク復興支援、インド洋での給油、ソマリア沖の海賊対策、そして南スーダンPKOと、自衛隊を何度も海外に送り出し、民主党や護憲派も結果的にそれを容認してきた。その責任は相当に大きいと思います。自衛隊を「違憲」のまま放置してきたと言わざるを得ない。

―では結局、憲法を改正して自衛隊を「合憲化」するところから始めるしかないと?

伊勢崎 国民が自分たちの安全を自衛隊に「負託」している以上、憲法を改正して自衛隊を「合憲」な存在にすることは絶対に必要です。今のような矛盾を放置したまま、無理やり「合憲」だといわれても、「交戦権」すらないのでは、個別的自衛権の行使に基づく「専守防衛」すらままなりません。その歪(ゆが)みのツケを払わされるのが、命をかけてこの国を守ろうとしている自衛官だというのは、どう考えても理不尽な話です。

ただし、誤解してほしくないのは、憲法を改正して自衛隊を「合憲」にすることと、その自衛隊を積極的に海外へ派兵することは、まったく別の問題だということです。

残念ながら、今の自衛隊には「戦略」がありません。なぜなら「戦略」はアメリカが考えることで、日本はそれについていくだけだからです。そのアメリカの戦略がうまく機能しているならいい。問題は「テロとの戦い」が大きな位置を占める時代に、その「戦略」が決してうまくいってはいないということです。

だったら、日本も自主性を持って、真剣に自分たちの「国防」に対する「戦略」を考える必要がある。本当に自衛隊を海外に派兵する必要やニーズがあるのか真剣に考え、丁寧に議論すればいい。

そこには憲法9条の平和主義を尊重しつつ、専守防衛という枠の中で個別的自衛権の行使における「交戦権」を認めるという選択肢もある。

ところが、今回の安保法制では、そうした議論の深まりはなく、自衛隊が抱える根本的な問題を放置したまま海外派兵や武力行使への道が開かれた。その一方で法案に対する国民の反発は強く、「憲法9条を守れ」という旧来の条文護憲派的な意識がさらに根づいてしまった。安倍首相がやりたいと思っている改憲はむしろ難しくなったと思う。

―現役の自衛官時代からご存じだという、“ヒゲの隊長”こと佐藤正久参議院議員も同じように自衛隊が置かれている歪んだ状況への危機感を持っているのでしょうか。

伊勢崎 佐藤さんは現場を知る議員として尊敬もしています。自衛隊に関する基本的な問題意識も私と同じだと思うのですが、彼は「日本人の国防リテラシーはこの先も変わらない」と考えているのかもしれない。だから多少強引でもそれを変えようとする安倍政権のやり方に乗っかったのではないでしょうか。

―でも、憲法を改正しなければ根本的な問題は解決しないし、このまま海外派兵を行なえば致命的な問題が起きる可能性がある?

伊勢崎 当然、佐藤さんはこの法案で何が起こるのかもわかっていて、もしかしたら問題が起こることを待っているのかもしれません。そういうやり方を彼の良心は許すのでしょうが、僕は間違っていると思います。

(インタビュー・文/川喜田 研 撮影/有高唯之)

●伊勢崎賢治(いせざき・けんじ)
1957年生まれ。東京外国語大学大学院教授。国連PKO幹部として、シエラレオネなどで武装解除を指揮。近著に『本当の戦争の話をしよう 世界の「対立」を仕切る』など


 

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コメント
 
1. 2015年10月13日 08:39:55 : b5JdkWvGxs
こいつバカだろ

憲法改正は実際上不可能だから仕方なくやってるだけだ

・そもそも憲法なんかなくても誰も困らないからね
民主主義の先進国イギリスには憲法なんかないだろ

・国民に住民に重税を課したり、無謀な戦争を始めるといったことを牽制するための議会と王との間の取決めが憲法の始まりだから、普通選挙をやる様になったら憲法は不要になるのさ

・立憲主義自体が民主主義と矛盾してるのに気付かないんだな

・改憲できない憲法を作った時点で民主主義を否定してしまったんだ

・そもそも日本国憲法が国民投票によって承認された事すらない

憲法学者も裁判官も国民が選挙で選んだものではない

一方、安倍自民党は選挙で正式に選ばれた民意の代表者である

憲法学者の意見や司法判断より安倍自民党の判断を優先するのが民主主義だ


2. 2015年10月13日 08:50:34 : KzvqvqZdMU
米製憲法なんか しっかり踏みにじることが大切です。

まちがっても外国製憲法をなにした立憲主義などとってわなりません。



[32削除理由]:削除人:アラシ

3. 2015年10月13日 08:59:54 : RATpiZ8w7A
 
 正しい仮名づかいに改めて、自民党のイメージアップに協力してください。
 
 自民党支持者が知性的な人に見えるような書き込みをよろしくお願いします。
 

4. 2015年10月13日 09:21:38 : b5JdkWvGxs
日本人の殆どは自民党支持者で白人崇拝だろ

5. 2015年10月13日 10:42:13 : 1LqIGVSvNs
記事の主は極めてまともで、正論です。

憲法が外国製でも、10年使い続ければ立派な慣用法です。まして、70年放置してきたのですから、いまさらGHQの押しつけだと騒いでも話の外です。

憲法9条が、国民の生命、財産を守らないと、明確に宣言しているのですから、他の条文と矛盾しているのですから、速やかに改憲して、名実ともに専守防衛が実行できるようにしなければなりません。

戦争容認法案が参議院で可決されたという噂は飛び交っていますが、未だ委員会すら通っていない代物です。後で与党が書き加えたようですが、明確な公正証書原本不実記載等罪(刑法157条)違反で、この可決は無効なことは明白です。

その法案が有効であったとしても、敵兵を殺した自衛隊員は、敵が先に撃ってきたことを証明して正当防衛を立証しない限り、殺人罪を問われることになるのは記事の通りです。まして、国外・敵地においては、捕虜になってもPOW扱いされず、単なるテロリストとして扱われてしまいます。

こんな、でたらめをおさるの内閣にやらせていてよいのか、というのが趣旨でしょう。

理想主義者の言うところの、自衛隊をもたない日本は、どのように扱われるのでしょうか?現在の現実は日米安保下の植民地国家です。

9条改憲の是非は、植民地容認か独立かを決めることとイコールです。
9条維持のまま独立国という選択肢は、まったく現実性がないことは誰もが認めるところでしょう。逆に言えば、日本が独立国となるためには、憲法9条の改憲が必要であり、それ以外の選択肢は私はないと考えています。

小生も独立国として9条が維持できることが理想であるとは考えていますが、私の頭の中はお花畑ではないので、すいません。



6. 2015年10月13日 10:46:41 : 1LqIGVSvNs
追伸、独立国として9条を維持するためには、米国1%のような悪の帝国の支配者たちをこの世か抹殺し、アメリカ市民をその1%から解放することが必要でしょう。敵は中国ではなく北米にありです。

7. 2015年10月13日 18:31:15 : riwgxq1iJ6

こいつバカだろ
1. 2015年10月13日 08:39:55 : b5JdkWvGxs

8. 2015年10月13日 19:13:07 : dloBBBtevE
7さん然り

9. 2015年12月09日 23:05:28 : gmY5T2YteU : znL@W4u1V1s[4]

チャンネルNippon

(10) このままでは日本人を救えない
http://www.jpsn.org/opinion/modern/482/


元自衛官 宇佐静男

 北朝鮮は脳梗塞を患い一時は再起不能と噂された金正日の独裁政権が未だ続いている。独裁政権は独裁者が健全で正常な判断ができるときは外交手腕に冴えを見せるが、独裁者が高齢化し、あるいは健康を損うなどして正常な判断が覚束なくなったとき、自国のみならず周辺諸国に極めて危険な害悪を及ぼすのは歴史が証明している。日本でいうと朝鮮出兵を進めた晩年の豊臣秀吉がそうである。

●  国民を飢餓に苦しめながらも核やミサイル開発に固執し、3月には韓国海軍哨戒艇「天安」を撃沈するなど示威行為を繰り返す。本件は国連安全保障理事会に付託されたが、北朝鮮は捏造だと全面的に否定した上で、いかなる制裁も全面戦争とみなすと過剰に反応している。金正日の衰弱振りは隠せず、後継者問題が取りざたされる中、今後、朝鮮半島に何が起こっても不思議ではない。

●  朝鮮半島には3万人に及ぶ在韓邦人がいる。万が一朝鮮半島で事が起きた場合、日本政府は半島に取り残された邦人をどう救出するのか。
 国民の生命を守るのは国家の責務である。邦人が海外で苦境に陥った場合、最後の手段として軍隊を派遣してまで救出しようとするのは諸外国では常識である。

 1976年、テロリストにハイジャックされたイスラエル人105名を救出するため、イスラエルはエンテベ空港に軍を投入。銃撃の末、人質を救出している。

 1979年、イランアメリカ大使館人質事件において、米軍は人質保護のため軍隊を投入。この時の作戦は失敗に終り、結果的には人質救出はできなかったが、軍事行動を非難された米国政府は「米国民の救出を目的とした自衛権行使」と主張。

 1997年、アルバニアにおいて失政により治安が急速に悪化。この時、ドイツ政府は空軍を派遣し、銃撃戦の状況下でドイツ国民を救出している。

●  日本の現行法制では、自衛隊は「邦人輸送」はできても「邦人救出」はできない。最悪の場合、為す術を持たず、外国軍隊に日本人も助けてくださいとお願いするしかない。言わば棄民体制の放置であり、主権国家の体をなしていない。

●  在外邦人救出については、これまで幸いにも最悪の事態を免れてきたため、国民の関心は薄い。だが、こういう棄民とも言える体制に対しては国民はもっと声を上げるべきである。棄民体制を見て見ぬ振りをしておきながら、事が起きた場合、何故政府は我々を見捨てるのかと嘆くようでは無責任すぎる。

●  過去、緊急の国外脱出を迫られた時が何度かあった。幸い事なきを得たが、その度に日本だけ救援機が来てくれなかったと在外邦人は不満の声を上げている。

●  1985年のイラン・イラク戦争時、イランは上空を飛行する航空機は撃墜すると宣言。テヘランに邦人216人が残され一刻も早い脱出が求められた。日本政府は民間航空会社に臨時便の要請をしたが、労働組合により拒絶された。この時は親日のトルコ政府が派遣した勇気あるトルコ航空によって救出された。1890年、トルコのエルトゥールル号が和歌山沖で遭難した時、献身的な救助活動をしてくれた日本人への恩返しというトルコ人の善意に助けられたのだ。

●  1997年、カンボジアにおいて軍が衝突、銃撃戦になった。この時は440人の邦人がタイ軍用機による救出されている。

●  1998年、インドネシアで暴動が発生。5000人近い邦人は、日本政府がチャーターした民間航空機等により国外に退避できた。これまでは幸運に恵まれたが、今後とも幸運が続くとは限らない。

●  自衛隊は国民を救うためなら、いつでもどこでも出動できる能力と意思は持っている。だが現行法制上、それはできない。自衛隊法にあるのは「在外邦人等の輸送」の条文である。「防衛大臣は、外務大臣から外国における災害、騒乱その他の緊急事態に際して生命又は身体の保護を要する邦人の輸送の依頼があつた場合において、当該輸送の安全について外務大臣と協議し、これが確保されていると認めるときは、当該邦人の輸送を行うことができる」とある。これで分かるように「安全が確保できない」状況では自衛隊を派遣できない。

●  これは大いなる矛盾である。安全が確保されないから自衛隊が行くべきなのであり、安全が確保されているなら日本航空か全日空にお願いすればいい。イラン・イラク戦争のとき、労働組合の反対により民間航空機の派遣は拒否されたではないか。これでは危険な地域に取り残された日本人を救うことができない。

●  朝鮮半島で事が起きたら、おそらく日本政府は在韓邦人を米軍の航空機や艦艇に乗せてもらうよう米政府にお願いすることになるだろう。ただ米軍は米国民を優先するのは当然であり、日本人は後回しになるのは目に見えている。米国民の避難民で一杯だと「席が満席になりました。日本人はすみません」となるのは充分予想される。

●  何故、こんな情けない法律になったのか。やはり問題は憲法に行き着く。憲法上、武力行使の目的で自衛隊を他国の領域に派遣することは許されない。これは是としよう。だが、邦人救出は武力行使の目的ではない。まして派遣するのは武装を持たない輸送機であり、丸腰である。だが、現行法制では「危険な地域では自分を守るために武器を使用することがあるかもしれない。武力行使目的でなくても派遣された自衛隊が戦火に巻き込まれるおそれがある」とし、安全が確保されなければ輸送機でも自衛隊は派遣しないと決めたのである。

●  毎度の事ながら「羹に懲りて膾を吹」いている。危険状況はケースバイケースであり、その都度、政府が状況を判断し自衛隊派遣の是非を決めればいい。憲法解釈上疑義があるのであれば、国民を守れるように憲法を改正するのが筋である。

●  この法案審議の際、非武装中立という空想平和主義を標榜してきた社会党が連立政権の一角をなしていた。当初、社会党は「自衛隊の海外派兵に道を開く」として反対する姿勢をとった。その後、連立政権維持の立場から妥協案として「安全が確保されない場合は邦人輸送を実施しない」と主張し、「邦人救出」は「邦人輸送」へと骨抜きにされた。

●  「居留民保護の美名による軍隊進出を許してはいけない。戦前の日本軍の海外出兵の大きな口実の一つが、居留民保護であった」との主張はもっともらしく聞こえるが、全くの時代錯誤である。自衛隊は旧軍とは違いシビリアンコントロールが徹底しているし、政府の決定なくして全く動けない制度になっている。

●  自衛隊の存在を認めながら、手足を雁字搦めに縛り、活動できないように法整備をするのは自己矛盾である。軍や自衛隊はすぐに独走し、コントロールができなくなる悪い存在であるという自虐的な固定観念に呪縛されている人が未だ多くいるのは残念だ。日本の民主主義を何故もっと信用できないのだろうか。

●  海外渡航する邦人が増加するつれ、海外において戦乱や大地震など緊急事態に邦人が捲き込まれるケースも多くなっている。現行法制は言わば「棄民体制」であり、主権国家の体を為していない。そんな国家に国民は愛国心を持てないだろう。また諸外国は日本を軽蔑の眼で見るに違いない。

●  自衛官は命令さえあれば、日本人を救うためには身の危険を顧みず行動する。だが、法整備が整っていなければ行動はできない。それはシビリアンコントロールを遵守するからだ。

●  阪神淡路大震災時、自衛隊は国民の災禍を目の当たりにしながら、命令がないため出動ができず、切歯扼腕しながら待機するしかなかった。この無駄な時間に5千人という尊い人命が失われた。こんなことを繰り返してはならない。

●  誰も考えないことを考える、考えたくないことを考えるというのが安全保障の基本である。不測事態が発生してからでは遅い。ブザマな慌て振りを世界に晒すことのないよう、平時の今こそ、しっかりと考え、議論を尽くし、対応できる法整備をしておくことが求められている。

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