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「弱い米国が世界を混乱させた」という大嘘
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2015年10月12日 天木直人のブログ 新党憲法9条
いまや世界中が戦争やテロの脅威にさらされてしまったごとくだ。
そしてその責任は弱くなった米国のせいだといわんばかりだ。
たとえばきょう10月12日の産経新聞「視線」で、元産経記者で今
では白鳳大学教授となった高畑昭男氏が書いている。
ふがいないオバマがシリアを混乱させたと。
シリアだけではない。ウクライナもそうだ。南シナ海でもそうだ。
米国が行動を拒めば、空白は力で埋められ、友人は離れて行く。
「力の現実」を直視しないオバマ政権はあと1年半続く、世界はさら
に危うくなると。
このような言説を最近は至るところで見かける。
ここでいう行動とは軍事力の行使である事は言うまでもない。
しかし、それでは高橋氏はオバマが軍事力行使に踏み切ったらよかったと言いたいのか。
もし米国が軍事力を行使していたらどうなっていたか。
世界最大の軍事力を誇る米国が本気で軍事力を行使すれば、それに勝
てる国はない。
米国はその時は戦争に勝つが、破壊され、犠牲になった国や人は抵抗し、世界は報復戦争やテロだらけになる。
米国は世界の非難にさらされる。
そう考えた時、誰が米国の大統領であっても米国に軍事力行使の選択はないことがわかる。
その米国の弱みをついて軍事力を行使し、あるいは軍事力拡張を行う
国こそ、米国以上に非難さるべきなのである。
しかし、米国批判は誰もがするが、ロシアや中国や北朝鮮やテロリストを批判するものは少ない。
これでは世界の平和は望めない。
いまや国際政治は歴史の流れに逆行し、世界中が戦争やテロの危険性に満ち溢れている。
そんな中で日米同盟を強化し、軍事力を高めてどうなるのだ。
いまこそ世界は憲法9条を必要としているのだ。
そのことを世界に本気で唱え、日本の国是としようとする指導者が日
本に出て来ない事こそ日本の不幸なのだ。
憲法9条を否定する安倍首相はもちろん間違っている。
しかし、憲法9条を守れと叫び、安倍政権を倒せと叫ぶしか能のない
野党も、それだけでは不十分だ。
万が一政権をとったところで、どうやって世界を平和に導けるというのか。
世界は憲法9条を必要としている事を堂々と世界に訴え、それを率先して日本の外交・安全保障政策に
することができる大政治家が出て来なくてはいけない。
そんな首相を輩出する政治が、いまほど日本の政治に求められている時はない(了)
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