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米国連邦政府が日本をTPPに引きずり込んだのは、東アジア共同体や日中韓FTAなどを進めようとした日本に錨を結びつけ日中緊密化を阻害することが主たる目的である。
むろん、TPPの二国間交渉で取り結ぶ日米協定は、市場規模が小さい他の10ヶ国のどことよりメリットがあるものだから、仮にTPPが流れたとしても、日米協定が発効するのならそれで良しとも言える。
なぜか冒頭に引用した表から抜け落ちているが、米国は、日中の経済連携を阻害する一方で、中国とのあいだで投資や金融サービスに関する協定の交渉を進め合意にこぎ着けている。
その内容はTPP合意を超えるレベルと言われ、米国は、「TPPは中国対策」と宣伝しながら、抜け駆け的に今後もっとも成長が期待できる中国市場で他を圧倒する条件での金融活動を手に入れた(金融家に提供した)のである。
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米、アジア軸足へ一歩
TPP実現、国内に壁 立法手続き、予断許さず
【アトランタ=矢沢俊樹】七転八倒の末に環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意にこぎ着けた。米オバマ政権は台頭著しい中国への対抗軸となる外交・経済のアジア軸足(ピボット)戦略実現へ歴史的な一歩を踏み出す。だが、知的財産権保護などを巡る妥協点を巡り米連邦議会には強い不満が鬱屈しており、署名から協定批准に至る米国内の入り組んだ立法手続きは予断を許さない。TPP発効への道のりは「バンピー(悪路)になる」(米政府筋)との不安も濃い。
3日、早朝。23回目の結婚記念日をミシェル夫人らとくつろぐオバマ氏にアトランタから電話をかけた米通商代表部(USTR)のフロマン代表は祝いの言葉もそこそこに手早く要件を伝えた。「日程をさらに1日延ばし、なんとしても交渉を終わらせたい」
米側の事前調整の遅れから11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前に決着を先送りするしかないとの声もあったが、カナダの総選挙をはさみリスクが高い。大統領に通商交渉権限を一時委任する貿易促進権限(TPA)法に沿って合意から正式署名までは90日間の経過期間をおくため、今でさえ署名はオバマ氏の任期最終年である2016年1月以降になり政治日程も綱渡りだ。背水のフロマン氏は「やっと戦闘モード」(日本政府関係者)に入った。
TPPを背後で突き動かしたのは中国だ。「『あの光景』をみれば、中国の巨大な経済力に対抗できるのはTPPしかないのを実感する」。ある米国務省高官は最近、先の習近平・中国国家主席が訪米の第一歩として西海岸を訪問した際の印象を語った。会談に駆けつけたのはアップルのティム・クック氏、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏ら。米著名経営者がそろい踏みで膨大な購買力にひれ伏す構図は、「中国以外の首脳訪米ではあり得ない」と同高官。高成長に陰りが見えるとはいえ中国市場の吸引力は衰えない。「このままでは中国が世界の通商ルールを書き換える」。オバマ氏が繰り返すように、アジアに日米同盟を基軸とした高度な自由貿易圏の橋頭堡(きょうとうほ)を構築するためのTPP構想は、米国内への通商・雇用のみならず、中国抑止という地政学上も死活的に重要な利益をもたらすレガシー(遺産)になりうる。
だがオバマ政権にとって大筋合意を立法化するという険しい作業はこれからだ。米国内法制に沿って今から正式署名まではおよそ3カ月の経過期間が必要で、実施法案提出は来年2月以降だ。今年5月から40日以上におよぶ激しい攻防の末にTPA法を僅差で可決したことで与野党内に大きなしこりを残しており、TPAを支持した共和党議員の中にもTPP批准への反対をちらつかせる向きがある。
大筋合意ではオーストラリアなどと妥協の産物として新薬データの保護期間は実質8年としたが、12年と定める米国内法との差異が大きく「間違いなく審議紛糾の火だね」(米政府関係者)だ。新薬以外にも「マレーシアの人身売買問題、為替条項など米議会の攻撃材料は山積みで、オバマ氏の任期中に批准できるかは予断を許さない」(米政府関係者)。協定案の棚ざらしに危機感を強める米商工会議所幹部も4日、「5日からただちに会議所内の議会対策チームを動かし、慎重派の共和議員を重点に説得運動を展開する」と語った。
なお分厚いカベの米議会を前にフロマン氏らも合意の高揚感にひたる余裕はない。
[日経新聞10月6日朝刊P.9]
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