民主党の政策の方がより具体的だが、「中間層の再生、格差是正」のために取り上げられている政策は、安倍政権も、「新３本の矢」という“的”を打ち出しており、意味づけや色づけの違いはあっても似たような政策を採用する。

　民主党の問題は「財政健全化」を正面に掲げていることである。財政健全化にこだわる限り、財政的に実施できる政策は限られてしまう。
　「所得再分配」も、“中立”（税収全体は変わらないようにするため、上位所得者は可処分所得を減らす）でやるしかなく、それではＧＤＰの拡大にはつながらない。

　税収中立ではなく、国費を追加的に投入し、低中所得者の可処分所得（現在的購買力）や社会保障（社会保険）レベル（将来の安心）の引き上げを行わなければならないのが現状の日本である。

　とにかく、第一に掲げるべき政策は、１７年４月の消費税税率１０％への引き上げ“延期”である。

※　参照投稿

「財務省は消費税増税崇拝者でもなければ財政再建至上主義者でもない：安倍政権は所得再分配強化のリベラルな所得税改革に動く」
http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/465.html

「安倍政権支持率回復の秘策は「消費税増税再延期」の是非を問うかたちでの来年７月“衆参同時選挙”」
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/463.html

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［永田町インサイド］民主、底上げ型で勝負
「アベノミクスは大企業重視」家計支援の対案

　野党転落からもうすぐ３年の民主党。アベノミクスに対抗する経済政策づくりを急いでいる。アベノミクスは一握りの大企業重視の支援で、恩恵が滴り落ちるように全体に回る「トリクルダウン型」とみる。同党は中低所得者層の家計中心の支援で消費を刺激し、企業収益も高める。「底上げ型」で経済の好循環をめざすが、財源などの課題がありそうだ。（飯塚遼）

　９月上旬、国会での安全保障関連法を巡る与野党対決と並行し、細野豪志政調会長は自ら主導する成長戦略研究会で中間報告案をまとめた。来夏の参院選公約に反映させたい考えだ。

税で所得再分配

　民主党が政権を握っていた2012年、野田佳彦政権が掲げた「日本再生戦略」を下敷きにする。細野、大塚耕平両氏ら政権で政策づくりに絡んだメンバーが動いた。農業では農家への戸別所得補償制度の復活、雇用は非正規雇用の割合を37％から30％以下にする目標を示す。中低所得者層を狙ったものが目立つ。

　キーワードは「分厚い中間層をつくる」。日本経済を支えてきた中所得者層は長引くデフレで所得を下げる世帯が増え、経済の体力を奪ったとみる。細野氏は「社会保障の充実と成長戦略は整合性がある。消費性向の高い層が伸びないと経済は成長しない」と話す。

　同党の政策は税制による再分配策などで所得水準を底上げする。例えば所得税の給付付き税額控除。所得よりも控除額が多いような人に対し、控除しきれない分を現金で給付する。低所得者ほど有利とされる。

　12年12月の第２次安倍晋三政権の発足後、首相が進めるアベノミクス。第１の矢の金融緩和で日銀が市場に供給する資金の供給量を大幅に増やし、デフレ脱却を目指す。為替相場は円安に振れ、海外で稼ぐ自動車など大手製造業を中心に業績は高水準を確保。日経平均株価も大幅に上がった。企業の経営環境を良くして雇用や賃金の改善で家計にも行き渡らせる狙いだ。

　民主党はアベノミクスを「トリクルダウン的な考え方」とする。「富裕層がさらに裕福になれば富が広がって貧しい層にも浸透する」という意味だ。同党はそうした効果は限定的で、むしろ地域や所得の格差が広がりかねないと批判する。

「新３本の矢」意識

　首相は自民党総裁に再選された９月24日、「新３本の矢」として「国内総生産600兆円の達成」「子育て支援の拡充」「社会保障改革」を打ち出した。民主党はお株を奪われる「家計を直接支援する政策の強化」（幹部）と警戒する。岡田克也代表は「具体論は何もない」とむきになった。

　そこで政策のバージョンアップを模索。細野氏らは中小企業の社会保険料の負担軽減や無担保無保証融資の拡大など供給サイドの下支え策を検討している。長妻昭代表代行率いる「共生社会創造本部」は社会保険の適用拡大や高所得者の基礎年金の減額などを盛りこんだ素案をまとめた。

　格差是正は最大の支持団体、連合の主張だ。民主党との定期協議で、正社員と非正規労働者の均等待遇の法制化や、教育の無償化などを迫ってきた。組織票を期待する民主党は「働く人の実情を踏まえ政策をブラッシュアップしたい」（枝野幸男幹事長）と応じる。

　数の多い中低所得者向けの予算措置を増やせば「民主党のバラマキ体質」（自民党幹部）と批判を受けやすい。政権獲得した09年衆院選公約の多くが財源の甘さから実現できなかった。今は「コンクリートから人への投資」の理念は残す一方で「高速道路の無料化」などは姿を消した。財源として公共事業抑制や富裕層の負担増をあげるが、なお曖昧な面も否めない。脱デフレ政策は来夏の参院選で争点になりそうだ。

［日経新聞１０月４日朝刊Ｐ．１２］

コメント
1. あっしら 2015年10月10日 03:37:12 : Mo7ApAlflbQ6s : raK8N6SB3c 識者の見方 生活者目線で手堅い 第一生命経済研究所・熊野英生首席エコノミスト 　第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト　民主党の政策は生活者目線で手堅く作成している。政権獲得前の財源を伴わない公約は問題だったが、野党としてはもっとアグレッシブな政策があっていい。安倍首相の「新３本の矢」の内容と重なる部分が多くなる。規制緩和やグローバル化の分野で大胆な政策目標を打ち出し、対立軸を形成すべきだ。「国内総生産（ＧＤＰ）600兆円」は達成できないなどの表面的な批判ではなく、それを達成するための対案が求められる。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 財政再建の道、提示必要 日本総合研究所・山田久チーフエコノミスト 　日本総合研究所の山田久チーフエコノミスト　安倍政権の政策の弱点は財政再建の道筋が不透明な点だ。対立軸を鮮明にするならば、この点に応えるビジョンの提示が求められる。社会保障・労働市場の抜本改革を目玉とするセーフティーネットの強化を最優先課題に打ち出しつつ、財政再建と経済成長の両立の道を示すことが考えられる。例えば所得再配分の機能強化と市場競争促進のミックスである「北欧型」の大きな政府のビジョンを明確にするというのはどうだろうか。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 新しい政策体系創出を 駿河台大・成田憲彦教授（政治学） 　駿河台大の成田憲彦教授（政治学）　野党の役割は政権に対抗して新しい政策体系を生み出すことで、民主党はその責任を果たすべきだ。中間層の復活というなら、中間層を膨らませる産業構造への転換のための政策が必要だ。「新３本の矢」は子育て支援を前面に掲げてきた民主党の政策を後追いしている部分が多い。安倍首相が「新３本の矢」を表明する前に、民主党が目指す国民の多くが豊かさを感じることができるビジョンを明確に示した成長戦略などを発表すべきだった。 ［日経新聞１０月４日朝刊Ｐ．１２］
2. 2015年10月10日 05:19:30 : NbJFForHgg 何をいつまでも青二才ガキ小僧いたいなことを唱えているのだ！ いかなる政策を掲げてもこの党はダメである、そこから脱却もできないでは、何を言っても寝言にしか過ぎない 消えて無くなった方が国民の為である。
3. 2015年10月10日 14:02:51 : UqWaetcv6M 民主党にしてみれば、「中間層の再生、格差是正」というものこそ、政権交代が実現したときのマニュフェストのそものの政策であり、今度はｋれを実現するための戦略の一つとして、建設的野党に過ぎないとはいえ、日本共産党と連携し、生活の党や社民党を中心とするオリーブの木連合というものとして連携していくということを、岡田代表自らが決断するのであれば、キャリアコンサルタントとして、誇りを持って、この決断をする岡田代表ならびに民主党の背中を押してやりたいところですね。 民主党議員の皆様にしてみれば、共産党と手を組むのが嫌だというのであれば、これだけでも、自らがボロを出してくれたものでしかないというのが、キャリアコンサルタントから見た本質的な見立てそのものでもあるのではないかと見破れば、岡田代表にしてみれば、こうした一部の議員の皆様だけを、民主党から追い出してしまうことで、自民党と運命を共にしたければ、どうぞご勝手に、ということで構わないのだし、維新の党と連携したければ、これもまたどうぞご勝手に、ということで、そっと静かに突き放してしまうことにすればよいのではないでしょうか。 維新の党にしてみれば、橋下徹大阪市長と松井大阪府知事の2人を、維新の党から追い出して、これと運命を共にするだけの議員連中だけを、そっと静かに突き放してしまうことで、大阪維新の会としては、どうぞ自民党と運命を共にして、歴史の闇の中で、泣き寝入りしたければ、そっと静かに暖かく見守って参りますので、安心して、どんどん涙を長sぢ続けながら、歴史の闇の中でひっそりと泣き寝入りすることこそを誇りとして、国際社会にどんどん見せ付けながらも、自民党と運命を共にして、とっとと歴史の闇の中で、ひっそりと泣き寝入りをしながらも、幸せに暮らして下さい、ということと本質的には同じことであることは当たり前のことだし、民主党もまたこれと同じことをすることで、自民党と運命を共にするならば、どうぞ誇りを持って、どんどん泣き寝入りをしながらも、とっととくたばって下さい。維新の党と運命を共にするならば、間抜けの党として、このアメリカの言いなりと言っておきながら、自らの権力欲に溺れて、これを勘違いしているだけの間抜け官僚機構と共に、誇りを持って、涙を流し続けながら、どんどん歴史の闇の中で泣き寝入りをしながらも、ひっそりと幸せに暮らして頂ければ、これだけで構いませんので、そっと静かに暖かく見守っていくことに致しますので、どうぞ安心して、このままひっそりと幸せに暮らしていく道を選択して参りましょう。ということで応えていくことにすればよいだけのことではないでしょうか。 これならば、来年の参議院議員総選挙を目標に、このオリーブの木に、生活の党、社民党、民主党、そして日本共産党も連携することにするのであれば、新党憲法9条もまた連携していくと同時に、公明党にしても、創価学会婦人部を中心として、オリーブの木と連携するのであれば、公明党とは別に、公明新党としてオリーブの木と連携することで、公明党に所属する議員の皆様にしても、この民主党と同じことをするのであれば、創価学会信者の皆様にしても、公明新党に投票するのであれば、どうぞご自由に、ということで応えていくことで、公明新党にしてみれば、日本共産党と共に、建設的野党として引き続き生き残る道を選択して頂くということでも構いませんので、どうぞよろしくお願い申し上げます、ということで応えていくことにすればよいだけのことではないでしょうか。 自民党と公明党にしてみれば、この大阪維新の会も道連れにして、どんどん歴史の闇の中で、ひっそりと泣き寝入りをしながらも、そのまま消えて頂ければ、これこそを誇りとして、どんどん涙を流し続けながら、勝手に孤立して、勝手に滅び去って下さい、としか応えようがありませんし、維新の党にしてみれば、このような政権与党の残党だけを道連れにして、そのまま歴史の闇の中で、ひっそりと泣き寝入りをしながらも、生き残る道を選択するのであれば、どうぞご勝手に、ということで構わないのではないでしょうか。

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