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多極化とTPP(田中宇の国際ニュース解説)
http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/416.html
投稿者 HIMAZIN 日時 2015 年 10 月 07 日 23:56:48: OVGN3lMPHO62U
 

http://tanakanews.com/151007tpp.htm

多極化とTPP
2015年10月7日  田中 宇

 ロシアがシリア政府の要請を受けてISIS退治を始めたことで、世界の覇権体制の多極化と、米単独覇権体制の崩壊に、拍車がかかっている。前回の記事に書いたように、ロシア軍は数日でISISを総崩れの状態に追い込んでいる。おそらく今後半年以内に、シリアとイラクは、ISISやアルカイダのテロ組織がほとんど掃討され、ロシアとイランの傘下でかなり安定した状態が始まる。ロシアは今後ずっと、中東で大きな影響力を持つだろう。その分、米国(や英仏)の中東における支配力が大幅に低下する。(◆ロシアのシリア空爆の意味)(Russian air strikes disrupt supply system of ISIS terrorists in Syria - Russian General Staff)

 10月5日、シリアでテロ組織を空爆中の露軍機が、間違ってトルコの領空内に数キロ入って飛行してしまい、トルコ空軍機が緊急発進し、ロシアがトルコに謝罪した。露軍機が領空侵犯したのを見て、米国がトルコに「露軍機を迎撃しろ」とけしかけたが、トルコ外相は「ロシアは友人だ。領空侵犯に対しては、友人として優しく注意喚起した」と表明した。今回の露軍のシリア進出は、トルコがシリアのクルド人を攻撃することを阻止しており、トルコはロシアに対して激怒している。しかしトルコは、中東で大きな力を持つようになったロシアを強く批判したがらない。ロシアは、トルコにアサド政権を容認せよと求めており、いずれトルコはしぶしぶ従うだろう。(Moscow informs Ankara about Russian plane incident - Turkish PM)(Russian-made fighter jet harasses Turkish F-16s over Turkey's Syrian border)

 イスラエルのネタニヤフ首相は米CNNのインタビューで、露軍のシリア進出を非難しているNATO諸国と異なり、イスラエルはロシアを非難しないと表明した。ネタニヤフは「もうロシアと対立していた時代には戻らない」と宣言し、今後はロシアと協調的な関係を維持すると述べた。トルコもイスラエルも、ロシアが中東の新たな覇権国であることをすでに認めている。(Netanyahu says Israel's relationship with Russia is good)

 英国の議会では「英空軍もISISの拠点を空爆すべきだ」と要求する声が強まっている。ロシアが、シリアとイラクを席巻していたISISを退治すると、シリアとイラクに対する影響力を米英仏から奪う結果になる。英国が中東での利権をロシアに奪われないようにするには、ロシアが進めているISIS退治に参加するしかない。英国は従来、ISISを潰すふりをして強化する米国の策に協力し、米国と歩調を合わせてロシアを敵視してきた。それが突如、ロシアと一緒にISISを空爆しようという話になっている。露軍のシリア進出が地政学的な大転換であることが見てとれる。(Support growing in Parliament for bombing ISIS in Syria, says UK FM)

 英国の外務省の事務次官(Simon McDonald)は最近、英議会の外交委員会での証言で、「人権」がすでに英外務省にとって重要なテーマでないと表明した。同次官は、人権よりも経済発展(prosperity agenda)の方が英外務省にとって優先的な事項だとも述べた。これまで英米の外交官たちは、ロシアや中国など新興諸国や発展途上国に対し、人権問題を理由に経済制裁して弱体化させたり従属させる「人権外交」を得意としてきた。英外務省が人権を重視しなくなることの意味は、英国が、米英同盟による世界支配戦略をやめて、これまで人権問題で批判してきた中国や露イランやBRICSに接近し、それによって英経済を維持する策に転換したということだ。英国は、人権外交をやめることで、米覇権の崩壊と多極化に対応しようとしている。(Human rights are no longer a 'top priority' for the Government, says Foreign Office chief)(人権外交の終わり)

 話をシリアに戻す。米国とロシアは、それぞれの陣営の地元の国々(米はサウジアラビアとトルコ、露はイランとエジプト)を引き連れて、シリア問題の解決を話し合う「コンタクトグループ」を設置した。EUも入れてくれと頼んだが、米国に断られてしまった。米国は、EUを除外することで、これまで米国と欧州諸国が共有してきた中東利権を、みすみす全部ロシアに渡してしまおうとしている。これは欧州を怒らせている。ドイツでは、メルケルの与党(CSU)の党首(Horst Seehofer)が、難民流入問題に絡む発言として、シリア問題で米国と組むのをやめてロシアと協調すべきだと提案した。(US Seeks to Cut Europeans Out of Syria Peace Talks)(Finally, EU and U.S. Are Breaking Apart)

 ドイツなどEUは、米国の戦略失敗によって内戦状態が続くシリアやリビアから大量の難民が押し寄せ、非常に迷惑している。ISISなどテロ組織をこっそり育てて内戦を激化するばかりの米国より、テロ組織を空爆してどんどん潰すロシアの方がずっとまともだと欧州人が思うのは当然だ。(A Syria/Berliner ensemble: Escobar)(The Western Alliance Is Crumbling)

 ドイツなどEU諸国は、ウクライナ危機でロシアに濡れ衣をかけて経済制裁する米国につき合わされ、対露貿易が減少して経済的な打撃を受けている。ウクライナとシリアの両方で、EUは米国のロシア敵視のやり方に怒っており、米国を無視してロシアと関係を回復すべきだという声が強くなっている。先日は、メルケル首相が初めてクリミアがウクライナでなくロシアの領土であることを認める発言をしている。欧州の対米従属は終わりに近づいている。(German Government Wants Sanctions on Russia Lifted)(Finally the Penny Drops: Merkel Admits Crimea is Part of Russia)(プーチンを強め、米国を弱めるウクライナ騒動)

 ウクライナでは今年初め「ミンスク2」の停戦合意が締結されたが、米国に好戦策を扇動されたウクライナ政府は兵器を前線から撤退させる約束を守らず、戦闘が続いてきた。しかし最近、ロシアとEUが協調して圧力をかけた結果、ウクライナ軍はようやく前線からの兵器の撤収を進めている。ウクライナの事態は少しずつ安定に向かっている。(Envoy: East Ukraine Weapons Pull-Back Deal Could End War)(Kiev to begin withdrawing weapons Monday - headquarters)(Ukraine's Minsk process will run into next year: Hollande)(ウクライナ危機の終わり)(NATO延命策としてのウクライナ危機)

 前回の記事にも書いたが、中国はアフリカ大陸の紛争解決に、国連平和維持軍の兵力と資金を出すことを国連総会で宣言した。ロシアがシリア内戦の解決に動き出したのを機に、米国覇権下で放置扇動されてきた各地の紛争が、露中など非米・反米勢力によって終結させる努力が開始され、覇権の多極化が加速している。(China to set up $1b peace fund)(ロシア主導の国連軍が米国製テロ組織を退治する?)(中国とアフリカ)

 多極化が進むと、NATOは名前だけのものになってEUの欧州統合軍に取って代わられる。EUと中露が接近する。それと同時に多極型世界の「極」となる北米(NAFTA)や中南米(メルコスルなど)、アフリカ(アフリカ連合)などで、国際的な地域統合の動きが強まる。この流れは冷戦後、断続的に続いているが、欧州と、ユーラシア中央部(ロシア主導のユーラシア経済同盟、中露主導の上海協力機構)以外の地域では、地域統合があまり進んでいない。(中南米の自立)(南米のアメリカ離れ)(アフリカの統合)(多極化に圧されるNATO)

 露軍がシリアに進出し、中東覇権が米国の手から離れ始めた直後、米国が多極化に対応する地域統合の策を進めていることが再び話題になっている。その一つは、米国とカナダの軍事統合だ。カナダの公共放送(CBC)によると、米軍とカナダ軍の上層部は2013年から頻繁に会合し、米加両軍の統合について検討している。防衛力の統合は、国家統合の大きな部分だ。(Canadian military explored plan to fully integrate forces with U.S.)

 米国とカナダは、空軍について、自国上空の防衛を担当する司令部(NORAD)を1950年代から統合して運営しているが、地上軍や海軍は別々に運営してきた。今回、米加は、海外派兵する際の部隊の統合を検討し、最終的に軍隊全体の統合にまでつなげていく構想も米加で共有していることが、カナダ軍がCBCにリークした文書で明らかになった。カナダ軍より米軍の方がはるかに規模が大きいので、統合はカナダ軍が米軍の傘下に入ることを意味している。(Canada's top general discussed fully integrating its armed forces with US military)

 米国は、イラクが大量破壊兵器を持っていないのに持っていると濡れ衣をかけて侵攻した03年のイラク侵攻や、シリア政府軍が自国民を化学兵器で攻撃したと濡れ衣をかけて13年に空爆しようとしたことなど、違法な海外派兵の策を繰り返してきた。カナダが海外派兵軍を米国と統合すると、このような違法行為にカナダも巻き込まれることになる。それを懸念するカナダ軍内の勢力が、CBCに米加軍事統合の計画をリークしたのだろう。

 世界的な長期の流れとして、戦後70年続いてきた米単独覇権の世界体制が崩れ、多極型の覇権構造に転換すると、国民国家が至高の存在であるという世界的な観念が過去のものになっていき、各地で国家間の統合が進むシナリオが、米国のCFR(外交問題評議会)などによって、折に触れてうそぶかれている。それを「陰謀論」と無視するのは簡単だが、EUや、露主導のユーラシア同盟、BRICSなどの動きを見ると、多極化は国民国家間の統合につながるだろうと感じられる。米加軍事統合は、そうした動きの一つだ。1民族1島国の天然国民国家の日本人には知覚・理解しにくい流れだ。

 米国が関与する地域統合のもう一つの動きは、10月5日に交渉が妥結したTPPだ。TPPは、米加メキシコの北米3カ国が1993年に締結した貿易協定であるNAFTAを基盤に、中南米やアジア太平洋の親米諸国を加えて新たな貿易圏を作る計画で、拡大NAFTAともいうべきものだ。(貿易協定と国家統合)

 米国は、アジア太平洋諸国とのTPPと、欧州(EU)との協定であるTTIPという、2つの似た内容の自由貿易圏を同時並行的に交渉して設置することで、米国中心の新たな経済覇権体制として構築しようとしてきた。だがTTIPは、24の全項目のうち10項目についてしか米欧双方の意見表明がおこなわれておらず、対立点の整理すら未完成で、まだ交渉に入っていない。EUでは、署名活動として史上最多の300万人がTTIPに反対する署名を行った。(TTIP negotiations not even half done)

 TPPもTTIPも、企業が超国家的な法廷(裁定機関)をあやつって国権を超越できるISDS条項や、交渉中の協定文が機密指定され国会議員でも見ることが許されていない(米議会では数人が見たらしいが、日本の国会議員は誰も見ていない)など、国民国家の主権を否定する傾向が強い。EUの調査では、欧州市民の96%がTTIPに反対だというが、当然だ。(国権を剥奪するTPP)(TTIP Negotiations Fall Apart As EU Big Hitters Abandons US)

 すでに書いたように、EUは今後、米国との同盟関係を希薄化して露中への接近を加速し、米単独覇権体制を見捨てて多極型世界の「極」の一つをめざすだろう。欧州がTTIPに同意する可能性は今後さらに低くなる。おそらくTTIPは破棄される。TPPだけが残るが、TPPは拡大NAFTAであり、米単独覇権体制の強化でなく、多極型世界における米国周辺地域の統合を強化するものになる。(米国の中枢には、単独覇権体制を声高に希求する人々と、多極型世界をこっそり希求する人々がいる。ベトナム戦争もイラク戦争も、単独覇権を過激に追求してわざと失敗させ、多極型世界を実現する流れだ。単独覇権型の貿易体制が多極型の体制に化けても不思議でない)(The Trans-Pacific Partnership charade: TPP isn't about `free' trade at all)

 以前、日本はTPPの交渉に入っていなかった。日本がTPP交渉に途中から参加し、今や米国より熱心な推進者になっている理由は、世界の多極化が進む中で、何とかして自国を米国の傘下に置き続けたいからだ。日本の権力者が国際的に自立した野心を持っているなら、対米従属の継続を望まないだろうが、戦後の日本の隠然独裁的な権力者である官僚機構は、日本を対米従属させることで権力を維持してきた。対米従属下では、日本の国会(政治家)よりも米国の方が上位にあり、官僚(外務省など)は米国の意志を解釈する権限を乱用し、官僚が政治家を抑えて権力を持ち続けられる。近年では、08−09年の小沢鳩山の政権が、官僚独裁体制の破壊を画策したが惨敗している。対米従属は、官僚という日本の権力機構にとって何よりも重要なものだ。(日本経済を自滅にみちびく対米従属)

 TPPは、米国の多国籍企業が、ISDS条項などを使って日本政府の政策をねじ曲げて、日本の生産者を壊滅させつつ日本市場に入り込むことに道を開く。日本経済を米企業の餌食にする体制がTPPだが、日本の権力である官僚機構にとっては、米政府に影響力を持つ米企業が日本で経済利権をむさぼり続けられる構図を作った方が、米国に日本を支配し続けたいと思わせられ、官僚が日本の権力を握り続ける対米従属の構図を維持できるので好都合だ。米企業が日本でぼろ儲けし、日本の生産者がひどい目に遭うことが、官僚にとってTPPの成功になる。官僚が、意志表示もほとんどしない国民の生活より、自分たちの権力維持を大事と考えるのは、人間のさがとして自然だ。(大企業覇権としてのTPP)

 米国はTPPに対し、貿易だけでなく経済システム全般の枠組みとして、今後の米国の影響圏設定の意味づけを持たせている。TPPに入れば、日本は、米国の影響圏内にいることを明示でき、世界が多極化した今後も、米国の経済システムの中に入って対米従属を続けられるが、TPPに入らなければ、日本は中国の影響圏に入るしかない。(Obama on TPP: America should write the rules of the global economy)(US in position to write rules on trade)

 今夏以降、中国経済が減速すると、日本経済が大打撃を受け、2四半期連続マイナス成長の不況入りが濃厚になっている。すでに日本経済は、米国などTPP圏より、中国に依存する度合いが強くなっている。長期的に見て、米経済は巨大な金融バブル崩壊の過程にあるので、日本経済にとって米国より中国の方が重要である傾向が、今後さらに強まる。放っておけば、日本は経済面から中国の傘下に引き込まれていく。隣の韓国は、経済面で中国の傘下に入ることをすでに容認している。(Japan's Tankan shows dwindling business sentiment)(Japan Industrial Output Slide Hints at Recession)

 TPPに入っても、日本経済の中国依存が減るわけではない。TPPはもっと政治的、国際システム的、象徴的なものとして、日本が中国でなく米国の傘下にあることを示すものだ。TPPが重要なのは、関税率とか「コメや乳製品が値下がりして国民生活を助けます」とかいう経済面でなく、TPPが経済政策の政治的な枠組みであり、日本が米国の傘下にとどまるか、中国の傘下に追い出されるかという、多極化する世界の中での今後の日本の位置づけを明示している点だ。(安倍訪米とTPP)

 日本ではここ数年、国民が中国や韓国を嫌うように仕向けるプロパガンダがマスコ"ミによって流布され、それを国民の多くが軽信している。こうした洗脳戦略も、米国が衰退して中国が台頭する多極化の傾向への対策だろう。洗脳戦略がなかったら、国民のしだいに多くが「米国より中国と組んだ方が日本経済のためだ」「TPPでなく日中韓で貿易圏を作れば良い」と思うようになり、民意主導で日本が対米従属から離脱していってしまう。それを防ぐため、国民が中国や韓国を「敵視」するのでなく「嫌悪」するよう仕向ける洗脳戦略が採られ、かなり成功している(敵視を扇動すると、日本が中国に対して攻撃的に関与してしまうことにつながり、どこかの時点で日中が折り合って和解してしまいかねない)。(TPPより日中韓FTA)

 TPPと並んで、自衛隊が米軍と一緒に海外派兵できるようにする日本の集団的自衛権の強化も、対米従属維持のためだ。先に書いた、カナダ軍が米軍の傘下に入って海外派兵する新体制を作ろうとする米加軍事統合を、日本の集団的自衛権の強化と並べてみると、2つが良く似ていることに気づく。カナダは米国から「多極化の中で国家統合を進めたいなら、カナダ軍が米軍の傘下に入って海外派兵できるようにしろ」と言われ、迷いつつ進めている。それを見た日本外務省が「うちも、米軍の傘下に入って海外派兵できるようにしますので、多極型世界における北米圏に入れてもらって良いですか」と申し出た。米国は了承し、日本は集団的自衛権を改訂した。NAFTA(北米経済圏)の拡大版であるTPPに、日本が何とかして入ろうとしたのと同じ構図だ。

 日本では、米国が昔から将来までずっと日本を傘下に入れ続けたいのだという勘違いが、意図的に流布されている。米国は歴史的に、ハワイやグアムを自国領にしたり、フィリピンを植民地にするなど、太平洋を自国の影響圏として設定してきたが、そこには日本が入っていなかった。単独覇権から多極型世界への(隠然とした)シナリオだった911前のサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」でも、日本は、米国にも中国にも従属しない「孤立文明」に分類されていた。TPPでも、米国は当初、米国と同様アングロサクソンの国である豪州とニュージーランド、豪州とフィリピンの間にある中小の諸国をTPPの交渉に入れていたが、日本を入れていなかった。

 第二次大戦後、米国が日本を自国の影響圏に入れておいたのは、ソ連や中国との冷戦構造があったからだ。日本は、米国が中露と対立している限り、米国にとって有益な場所にあるが、世界が多極型になり、米国と中露が対等な関係で協調するようになると、米国が日本を傘下に入れておくとやっかいなことになる。日本は、米国の傘下に居続けるため、中露と米国の恒久対立を望み、中露と軍事対立し続けたい軍産複合体と結託し、多極型の世界運営の邪魔になる。

 だから、米国の単独覇権を過激に強化するふりをして破壊してこっそり多極型覇権に転換する策をやっているオバマ(や共和党の隠れ多極主義勢力)は、日本が延々と対米従属し続けることを望んでいない。オバマの本心は、TPPをまとめず頓挫させたかったのではないかと思われる。

 今回、TPPの交渉が妥結した一因は、乳製品問題で前回の交渉を頓挫させたニュージーランドを、日本が輸入増で譲歩してなだめたからだ。バイオ医薬品の独占期間の5年+3年の解決方法も日本が進めた。TPPは、日本のイニシアチブで妥結した。安倍政権を動かしている日本の官僚機構は、多極化が進んで日本が米国圏から切り離される前に米国にしがみつこうと、これまでにない積極性で対米従属を強化している。日本が主導してTPPを妥結に持ち込んだのはその一つだし、説明抜きで無理矢理に集団的自衛権を強化したのもそうだ。(Major progress has been made in the long running trans Pacific trade deal)(Trans-Pacific Partnership Deal Struck As "Corporate Secrecy" Wins Again)

 日本の主導権発揮を受け、オバマはTPPの妥結を容認した。しかし、中東や対露関係から判断してオバマは隠れ多極主義者であると考えられるので、このまますんなりTPPが実現していくとは考えにくい。10月中のカナダの選挙で右派の与党が負けると、カナダ議会がTPPの批准を否決する可能性が強まる。米議会でも超党派でTPPへの反対があり、来年の大統領選挙で勝ちそうな共和党のトランプもTPPに反対だ。TPPをめぐる戦いはまだ終わっていない。(Can Donald Trump Sink the TPP?)(Harper under pressure to deliver fair TPP deal amid election)  

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コメント
 
1. 2015年10月08日 03:19:25 : SDWwHUZcTU
 
【アベノTPP】 アダムスミスの理念とは真逆の「自由貿易」 むしろスミスが批判した重商主義に近い
http://carpenter.2ch.net/test/read.cgi/liveplus/1444240136/

TPP賛美者やマスコミなどは「自由貿易」という言葉を平然と騙して使っているが、
経済学視点でみれば、TPPというのはアダムスミスの自由貿易理念とは全く別物である。

TPPの思想は、むしろ、スミスが批判した重商主義(重金主義)に近く、自由貿易の理念には程遠い。
(スミスは貿易で得た黒字分を貨幣蓄財(退蔵)するのは、国家国民の豊かさにはつながらないと
重商主義(重金主義)を批判したのであり、その意味では、多国籍資本にフリーハンドを持たせ、
彼らの資本蓄財を国家が助けるTPPは現代版の重商主義(重金主義)といってもいい。)

また、スミスの自由貿易論には、それぞれの国が特有に持つ資源や生産物余剰が自由貿易によって、
それぞれの国で需要されたなら、互いの国の国民は豊かになるだろうという真心があるのだが、
TPPの「自由貿易」は、資本強者(多国籍資本)がいかに資本域を広げるかという下心しかない。
※ISD条項がある限り、我々の法よりも、多国籍資本のルールが適用される仕組となっている。
 


2. 2015年10月08日 07:49:28 : C31aL3EEO2
負け犬についてロクなことがない。

平和路線の第3軸になれんのか日本。


3. 2015年10月08日 10:41:12 : UqWaetcv6M
10月5日、シリアでテロ組織を空爆中の露軍機が、間違ってトルコの領空内に数キロ入って飛行してしまい、トルコ空軍機が緊急発進し、ロシアがトルコに謝罪した。

このシリアを北朝鮮に置き換えれば、トルコを日本国の立場に置き換えれば、ロシア軍機が、北朝鮮を空爆しようとしたところ、誤って日本の領空内に入ってしまい、自衛隊機がスクランブル発進し、ロシアが、日本に謝罪をした、というのが、キャリアコンサルタントから見た一つの見立てではないかと見受けられますね。


日本では、米国が昔から将来までずっと日本を傘下に入れ続けたいのだという勘違いが、意図的に流布されている。米国は歴史的に、ハワイやグアムを自国領にしたり、フィリピンを植民地にするなど、太平洋を自国の影響圏として設定してきたが、そこには日本が入っていなかった。単独覇権から多極型世界への(隠然とした)シナリオだった911前のサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」でも、日本は、米国にも中国にも従属しない「孤立文明」に分類されていた。TPPでも、米国は当初、米国と同様アングロサクソンの国である豪州とニュージーランド、豪州とフィリピンの間にある中小の諸国をTPPの交渉に入れていたが、日本を入れていなかった。

 第二次大戦後、米国が日本を自国の影響圏に入れておいたのは、ソ連や中国との冷戦構造があったからだ。日本は、米国が中露と対立している限り、米国にとって有益な場所にあるが、世界が多極型になり、米国と中露が対等な関係で協調するようになると、米国が日本を傘下に入れておくとやっかいなことになる。日本は、米国の傘下に居続けるため、中露と米国の恒久対立を望み、中露と軍事対立し続けたい軍産複合体と結託し、多極型の世界運営の邪魔になる。

たが、そのアメリカを戦前の日本に置き換えれば、日本という国は、アメリカの言いなりと言っておきながら、自らの権力欲に溺れて、アメリカの言いなりと言っておきながら、対米従属詐欺をしていることに対して、生活保護不正受給者の真似をしているというのが、キャリアコンサルタントから見た、この日米同盟そのものに対する本質的な見立てそのものでもあるのではないかということは、中国外務省やロシア外務省からすればバレバレのことであり、お見通しのことであることは言うまでもありませんが、韓国にしてみれば、大日本帝国軍性奴隷問題の前科の代償ということで、幾らでも日本国をコケにされることになろうとも、この戦前の日本をナチスドイツに置き換えれば、韓国をフランスにでも置き換えれば、ドイツに対して、これと同じことをされたところで、反論の余地は何処にもないことは当たり前のことだし、このカナダやメキシコが韓国やベトナムに置きかえれば、ベトナム戦争に行ったアメリカ軍兵士の皆様が、個人的にサイゴン市内の飲み屋や売春宿に出入りするだけならば、ともかくとしても、中国がこれを逆手にとって、大量の麻薬をタダ同然の値段で横流しをして、これにうっかり手をつけてしまったがために、多くのアメリカ軍兵士が、麻薬依存症となり、そのご家族が、これと共依存状態となってしまい、行き着く先はフードスタンプ受給者となってしまったということがバレることがないように、これをごまかそうとして、沖縄県を高齢者の皆様に置き換えれば、「多額のお金を騙し取られた被害額を取り戻してやるといっておきながら、その被害額をちゃっかりとネコババしようとしているのがバレることがないように、これをごまかそうとして、今度は戦争詐欺を仕出かし、外務省からして、核発電推進原理主義組織にまんまと騙されて核開発計画書を作り上げたことがバレることなく、これを護摩したいがために、集団的自衛権の行使といっておきながら、アメリカの言いなりとなって、憲法違反であることはもう明らかな戦争法案を、合憲だと言い張って、憲法9条を亡き者にして、戦前の日本を取り戻そうとして、取り返しのつかないことを仕出かそうとしているに決まっているのではないかということが真実なのではないかということは、アメリカ国務相からしてもバレバレのことだし、TPPそのものにより、円をドルと無理心中させようとしているのではないかということが、キャリアコンサルタントから見た、このTPP交渉そのものに対する本質的な見立てそのものであることは、もうアメリカの99%の皆様に限ることなく、カナダやメキシコをはじめ、他のTPP参加国からすれば、米韓FTA協定の二の舞になるだけのことではないかということくらいは、バレバレのことだし、日本の99%からしても、お見通しのことではないかということも見破れば、アメリカにしてみれば、これらを逆手に取れば、自らが沖縄県の民意に応えて辺野古移設を白紙撤回し、TPP交渉も白紙撤回してしまうことで、中国にしてみれば、池田大作名誉会長の恩義を仇で返すことを仕出かした、この自民党ならびに公明党だけを、沖縄県民の皆様と共に、容赦なくどんどん馬鹿にしてやり、どんどんコケにしてやると同時に、アメリカにしてみれば、福島県民の皆様と共に、核発電推進原理主義組織ならびにこえにまんまと騙されて核開発計画書を作り上げた外務省をはじめとする、このような恥知らずな間抜け官僚機構を、容赦なく、どんどん馬鹿にして、どんどんコケにすると同時に、日本の1%の金と権力の亡者をアメリカの1%の金と権力の亡者と無理心中されることで、円をドルと無理心中させるこを回避することで、これに対して、物凄い抵抗を繰り返し、激怒する日本会議に対しては、99%の中に潜む、わずか1%の跳ね返りのネトウヨだけを道連れにして、1%の金と権力の亡者と共に、自らが、誇りを持って、どんどん物凄い痛みw2尾味わい、どんどん譲歩して、どんどん屈辱を味わい、どんどん敗北し、どんどん全ての面子を捨ててしまうことで、全体主義そのものを粉々にぶち壊してしまうことで、どんどん物凄い非難をされ、どんどん馬鹿にされ、どんどんコケにされることになろうとも反論の余地は何処にもないことは、もう当たり前のことだし、どんどん大泣きして、どんどん腹の虫が収まるまで、どんどん悔し涙を流し続けることこそを誇りとしてb、国際社会にどんどんみせつけてやるくらいのことは出来て超然のことだということで、天皇陛下と共に、そっと静かに暖かく見守っていくことこそを誇りとすることで、どうぞ安心して、どんどん腹の虫が治まるまで、どんどん悔し涙を流し続けながら、国際社会にどんどん見せうtけることを誇りとして、どんどんもがき苦しみ、どんどん恥を忍んで、どんどん歴史の闇の中で、ひっそりと泣き寝入りをしながらも、そっと静かに幸せに暮らしていく道を選択して頂くのであれば、もうこれだけで構いませんが、そうでなければ、日本からとっとと出て行きたければ、全人類から、どんどん叩き潰されることになろうとも、誇りを持って、どんどん血祭りにされて、どんどん涙を流しながら、皆殺しにされるか、、どこか人目のつかないところで、誇りを持って、どんどん悔し涙を流し続けながら、民族自決をして頂くのか、いずれかを選択して下さい」ということで、この本質的な矛盾と、自らがどんどん全面対決させることで、全体主義そのものだけを、どんどん五寸区でもなんでも容赦なくぶち込んで、粉々に引き裂いてしまうことで、全てを白紙撤回をして、そっと静かに歴史の闇の中に葬り捨ててしまうことで、これをベースとして、乗り越えて、こうした悪い影響を齎すものを、別の良い影響を齎すものに変えていくことで、これを個人主義のベースとして、どんどん日本社会を変えていくことになろうとも惜しくはないし、多極化する国際社会の中で、自ら名誉ある孤立化をして、アメリカにも中国にも属さない孤立文明というものを誇りとして、ユーラシア大陸の東側の片隅から、多極化する国際社会の中で、全人類が共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、共に幸せに暮らすことが出来るように、天皇陛下と共に、そっと静かに暖かく見守っていくということを誇りとして、恩返しをしていくというのを、究極の自己実現に繋がる目標に置くことで、そのための手段の一つとして、脱原発をして、経済成長を自ら止めてしまうことになろうとも、資源や食糧の輸入量を減らし、原材料コストの削減に繋がるのであれば、為替については、円高に戻して一旦デフレを加速化させることにより、企業収益の改善につなげることで、人件費などに還元することにより、最低賃金の底上げにつなげていくことで、この底上げされた最低賃金水準を、生活保護をはじめとする反対給付である公的給付の上限とすることで、年収1075万円を超える労働者に対しては、残業手当をカットして、税金や社会保険料については、自らが、どうぞもっともっと、どんどん課税して、どんどん徴収してください、ということで、どんどんたくさんの税金や社会保険料をどんどん負担することこそを、誇りとして、どんどmん国際社会にみせうtけていくこと誇りとするならば、国全体としては、誇りを持って、涙を流しながらも深く感謝をしてこれに応えていくことで、どんどん税金や社会保険料だけは、どんどん誇りを持って負担をして、労働時間もどんどん減らし、残後湯手当て相当分については、どうぞ他の労働者の皆様への基本賃金に廻してください、ということで、企業経営サイドからしても、自らが涙を流しながらも深く感謝をしてこれに応えていくことにすればよいのだし、生活水準については、自らが中間層にひっそりと低下させることで、変な見栄なんか張るようなこともせず、低所得者の皆様からすれば、この最低賃金を超えて、年収1075万円までの範囲の中で、共に幸せに暮らすことが出来るようになることを、目標に置くことで、労働生産性の向上と付加価値の向上を同時に達成し、ワークライフバランスの実現に繋がり、税収を安定化と同時に、財政赤字の削減に繋がり、財政規模の縮小に繋がり、良心的な中堅企業や中小企業を中心として、安定した売り上げを確保しつつ、メンタル不調などから休職者を減らすと同時に、職場復帰支援というものにより、職場環境の改善を通して、再発防止にも繋がり、産業構造の流動化と同時に雇用の流動化を加速化させつつ、採算の取れる規模だけを残して、どんどん製造業の海外移転を加速化させることになろうとも惜しくはないし、リニアモーターカーも、日本では必要ないし、ロシアに売り飛ばしてしまうことで、シベリア鉄道の高速化などに役立てて行くことにするならば、返って望ましいし、辛うじて貿易黒字を維持できる程度の輸出量さえ確保できさえすれば、貿易依存度をどんどん低下させることになろうとも、為替市場も安定し、日本の株式市場については、奈落のどん底に突き落として低迷させることになろうとも、責めてもの謝礼程度の配当金だけでも末永く還元することで、深く感謝をしてもらえる投資家の皆様だけを対象に株主となって頂けば構わないのだし、強欲な投資家連中だげが、大損して泣き寝入りすることになろうとも、それ以上に失うものは何もなければ、これだけで構いませんから、どうぞ誇りを持って泣き寝入りをして下さい、ということでそっと静かに暖かく見守りながら応えてやればよいのだし、これらの結果、日本社会が、どんどんひっそり静まり返り、どんどん安定化させてしまうことで、清貧で心豊かで尊い志を持った社会福祉国家として生まれ変わっていくことが出来さえすれば、これだけを誇りとして、そっと静かに自立・自律していく道を自ら選択して、新しい日本の歴史の始まりの第一歩を正々堂々と踏み出して参りましょう。


4. 2015年10月08日 12:58:39 : OO6Zlan35k
TPP「賛成できず」=米大統領選にらみ姿勢転換か―クリントン氏
時事通信 10月8日(木)5時24分配信


 【ワシントン時事】2016年米大統領選の民主党最有力候補と目されるヒラリー・クリントン前国務長官(67)は7日、米公共テレビ(PBS)のインタビューで、日米など12カ国が大筋合意に達した環太平洋連携協定(TPP)について「きょうの時点では賛成ではない」と述べ、反対に傾いていることを明らかにした。
 
 クリントン氏は09〜13年の在任中、オバマ政権の閣僚としてTPPを推進した。しかし、党支持組織である労働組合などが強硬に反対。TPP阻止を掲げるバーニー・サンダース上院議員(74)に党指名争いで追い上げられていることなどを踏まえ、姿勢を転換したとみられる。 

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最終更新:10月8日(木)9時29分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151008-00000008-jij-n_ame


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