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バングラデシュ射殺 ついに現実となった「日本人標的」の衝撃
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/165044
2015年10月5日 日刊ゲンダイ
星さんが襲われた現場(C)AP
バングラデシュで、「イスラム国(IS)」を名乗る組織が日本人を銃殺した事件は衝撃だ。殺害理由は恨みや盗み目的ではない。「日本人」だったからだ。安倍首相が1月にカイロで「ISと戦う」と演説した“宣戦布告”によって、いよいよ日本人だから「テロの標的」にされることが現実となったのだ。
現地の報道などによると、バングラデシュ北西部のランプル地区で3日、星邦男さん(66)が三輪自転車タクシーに乗っていたところ、突然、バイクに乗った3人組の武装集団に銃撃された。星さんは病院に搬送されたものの、死亡が確認された。武装集団は9月28日にダッカでイタリア人男性を銃殺した組織と同一とみられ、欧米や日本の大使館が警戒を呼び掛けていたところだった。
8月に入国し、現地で農業技術の指導などに携わっていた星さん。途上国支援のために尽力していたのに銃殺されるとは想像すらしていなかっただろう。許せない話だが、ハッキリしたのはISなどのテロ集団にとって、もはや「日本人」は敵としか映っていないことだ。ISが「日本人標的」を公言している以上、バングラデシュに限らず、イスラム教徒が多い地域で同様の襲撃事件が起きる可能性は高い。
「公安調査庁の報告書によると、東南アジアでは、すでにイスラム国家樹立を目指してインドネシアで活動中の武装集団『ジェマー・イスラミア(JI)』がいます。戦闘員は把握されているだけで約900人。さらに近く、収監中の幹部約200人が刑期を終えて続々と出所してくる予定です。ISの思想に感化されたら暴走は確実です」(外交ジャーナリスト)
東南アジアを訪れる日本人観光客は夏休み期間だけで30万〜40万人にも上る。標的となった日本人が今後、あちこちでIS戦闘員らに襲われるかもしれない。集団的自衛権の行使を容認した安倍政権が、ここぞとばかり、対ISの有志連合に自衛隊を派遣して掃討作戦に参加する――と言い出すだろうが、そうなれば泥沼化は必至だ。
軍事ジャーナリストの神浦元彰氏はこう言う。
「米ロによるシリアのIS掃討作戦によって戦闘員が今、国外にどんどん逃げ出しています。彼らが向かう先は南アジアや東南アジアなどで、今後、そういった地で元戦闘員が襲撃事件を起こす可能性があります。当然、彼らにとって“敵”である日本人が狙われることになります」
安倍首相の愚かな“宣戦布告”で一体、何人の日本人犠牲者が出るのか。
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