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内閣官房長官・衆議院議員 菅義偉ホームページより
菅官房長官と逮捕された「日歯連」高木前会長の関係、そして迂回献金疑惑…新聞・テレビはなぜ報道しないのか
http://lite-ra.com/2015/10/post-1553.html
2015.10.04. リテラ
日本歯科医師連盟(日歯連)の迂回献金事件をめぐる東京地検特捜部の捜査が本格化してきた。9月30日には、日歯連の前会長・高木幹正と、当時の会計責任者で前副理事長、村田憙信、元会長の堤直文の3人が逮捕され、今後は政界へ捜査が波及するのか注目を集めている
捜査対象になっているのは、日歯連からの迂回献金で寄付制限を超える9500万円を受け取った自民党の石井みどり議員と、その石井議員への迂回献金で名義を貸していた民主党・西村正美議員。
「西村議員はすでに事情聴取が行われましたが、どうやら名義を勝手に使われていただけで、刑事訴追される可能性は低そうです。一方、これから事情聴取が行われる石井議員は、政治資金規正法違反に問われる可能性がある」(全国紙社会部記者)
だが、日歯連ではこの2人だけでなく、迂回献金が常態化しており、さまざまな政治家の名前が取りざたされている。
なかでも疑惑が濃厚なのは、安倍政権の要である菅義偉官房長官だ。菅官房長官は逮捕された日歯連・高木前会長と非常に親しい関係にあり、2013年に3000万円の迂回献金を受け取っていた疑惑が浮上しているのだ。
実は、この問題については「週刊ポスト」(5月29日号)が報道。本サイトも記事にしているが、その疑惑はただの噂レベルではなく、政治資金収支報告書からも読み取れる明らかなものだった。
ところが、新聞・テレビは定例会見で、菅官房長官から「事実無根」と完全否定され、「報道した週刊ポストに法的手段を考えている」とすごまれると、一切、記事にせず、そのまま沈黙してしまったのだ。
菅官房長官の疑惑とはいったいどういうものなのか。そして、なぜ、新聞・テレビは黙ってしまうのか。当時の記事を再録したのでぜひ読んでほしい。
(編集部)
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ゴールデンウィークのはざまの4月30日、東京地検特捜部が「日本歯科医師連盟」(日歯連)の家宅捜索に入り、同団体の会長・高木幹正氏の任意聴取を開始しているという。容疑は政治資金規正法違反の迂回献金。
日本歯科医師会の政治団体である日歯連は自民党の金権政治の温床で、10年前の日歯連事件では、村岡兼造元官房長官ら国会議員、官僚が多数逮捕されている。しかも、第2次安倍政権になって日歯連と自民党の不透明な癒着が復活し、さまざまな疑惑が取り沙汰されていた。
そんな最中のガサ入れだったため、すわ大型疑獄に発展か?と色めき立つ永田町関係者もいたが、今回の特捜部の捜査対象は日歯連の組織候補の石井みどり自民党参院議員と西村正美民主党参院議員という小物二人。石井議員に政治資金規正法の寄付制限を超える9500万円を献金するために、同じ組織内候補の西村議員の後援会を経由したというものだ。
しかし、ここにきて、この日歯連をめぐって重大な疑惑が発覚した。政権の要・菅義偉官房長官への迂回献金疑惑を「週刊ポスト」(小学館)5月29日号がスクープしたのだ。
そもそも、菅官房長官は現在、特捜部の事情聴取を受けている日歯連の高木会長ときわめて近い関係にある。高木会長は今年2月、日歯連の母体である日本歯科医師会の会長選挙に立候補したが、その際も菅官房長官は高木会長の支援集会に、こんな推薦メッセージを送っている。
「健康長寿社会の実現に向けて国を挙げて取り組む中、歯科口腔保険の推進はとても大切です。その重要性をずっと我々政府、与党に訴え続けてこられたのが、日本歯科医師連盟の高木幹正さんです」
また、この支援集会には、菅氏と近い飯島勲内閣参与が名代として出席し、挨拶に立った日歯連出身の自民党参院議員・島村大氏も「(日歯連で)内閣官房と緊密な連携をとれる人は高木氏以外にいない」と、菅官房長官との近さをアピールしたほどだ。
その菅官房長官に、不審な金の流れがあったのは先の参院選直前の2013年6月のこと。くだんの高木会長の支援集会であいさつに立った島村議員から当時、菅官房長官が会長を務めていた自民党神奈川県連に3000万円もの金が寄付されていたのだ。
実はこの年、島村氏には日歯連から1500万円、その他歯科医師団体などから1540万円、合計3040万円の歯科医師団体からの寄付があった。それがそっくりそのまま菅官房長官に流れた可能性が高いのだ。
島村議員は日歯連出身で、参院選では神奈川選挙区の自民党公認候補。候補を決めたのが県連会長を務める菅氏だった。しかし、日歯連が当時、公式に支援を決めた組織内候補は、特捜部が捜査対象としている石井みどり参院議員だけで、その石井議員にも日歯連は同年、1147万円しか寄付していない。
「ポスト」は、島村氏にだけこんな巨額の寄付をするというのはあまりに不自然だとしたうえで、こう指摘する。
「島村氏の支部が日歯連と地域の歯科医師連盟などから集めた約3000万円は最初から島村氏ではなく、公認でお世話になった県連と、その会長である菅長官への日歯連側からの上納金だったのではないか」
しかも、菅官房長官はこうした献金の見返りとして、今年2月の日本歯科医師会会長選挙で、高木氏を全面支援したと考えられる。
まさに、特捜部が今、捜査を進めている石井議員の迂回献金疑惑の本丸、ともいえる疑惑ではないか。
ところが、この「ポスト」のスクープに、新聞、テレビなどの大マスコミはまったく反応しなかった。一応、官房長官会見でテレビカメラが外れた後に一社から質問が出たようだが、菅氏が「事実無根」と否定すると、それきり。新聞は一行たりとも書いていないし、テレビも一秒たりとも報道していない。
「『報道ステーション』が古賀(茂明)さんを降ろしたケースでよくわかるように、新聞、テレビが一番恐れているのが、菅官房長官なんです。安倍さんの場合はキレて口撃をしかけてくるからまだわかりやすいですが、菅さんは裏でいろんな仕掛けをしてくる。新聞、テレビは菅さんに睨まれたらどんな報復を受けるか分からない、と政策批判さえ口にできない状態ですから、スキャンダルなんてやれるはずがない」(政治部記者)
なんとも情けない話だが、安倍政権が続く限り、政治家の疑惑追及なんて夢のまた夢、ということだろう。
(田部祥太)
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