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参議院での審議は”一人牛歩”などパフォーマンスばかり目立ち、与野党ともに深い議論は起こらなかった(写真:新華社/アフロ)
安保法成立で大転換、「危険度」増す自衛隊員 法律にも実際の運用にも問題点は多い
http://toyokeizai.net/articles/-/85823
2015年10月04日 福田 恵介 :東洋経済 編集局記者
9月19日未明。ついに安全保障関連法が参議院本会議で可決・成立した。集団的自衛権を法制化したことで、日本の安全保障政策において歴史的転換になるものだ。同法はどのように運用されることになるのか。
安倍晋三内閣は衆参両議院の審議でさまざまなシナリオを提示してきた。が、現状で最も現実的なのは、朝鮮半島有事、すなわち北朝鮮の軍事行動にどう備えるかだ。北朝鮮は9月に核施設の再稼働を表明、衛星打ち上げの可能性も示唆するなど、同様の軍事的発言・挑発を繰り返している。仮に朝鮮半島有事が生じたケースを考えてみよう。
20××年、北朝鮮に不測の事態が起き、南北間の軍事的緊張が高まった。在韓米軍も動き、自衛隊による物資輸送、燃料補給などの後方支援を要求。これを受け日本政府は、改正重要影響事態法における「重要影響事態」と見なし、護衛艦など海上自衛隊の艦船を、米艦船への給油・物資支援を行うために派遣することができる(事態1)。
その後事態が悪化し、北朝鮮がミサイルで挑発。米艦船への攻撃も辞さなくなってきた。米艦船だけでなく、長距離ミサイルなどで、在日米軍への攻撃の可能性も浮上する。発射の兆候が見られた場合、国の存立や国民の権利が脅かされる「存立危機事態」と判断。国会の承認を経て、自衛隊に防衛出動を命じることができる(事態2)。
■イスラム国と戦う国の後方支援も?
以上二つの事態とも、北朝鮮が米艦船に攻撃を行った際は、海自の艦船も対応し、必要最小限度の攻撃ができる。北朝鮮のミサイル迎撃も時によって可能だ。米艦船の展開地域に機雷が敷設されれば、海自の掃海艇が出動、掃海活動が行われることになる。
対北朝鮮以外で現実的にありうるのは、新設の国際平和支援法と、改正PKO(平和維持活動)協力法が、絡むようなケースだ。
前者は、他国軍の後方支援のため、自衛隊を常時派遣できるようになった。現状では、IS(「イスラム国」)と戦う国の後方支援が考えられる。これについて、中谷元防衛相が国会で政策判断としてないと否定しつつ、「法律的にありうる」と述べた。派遣先も「非戦闘地域」のみから、「現に戦闘行為が行われている場所」以外なら可となった(事態3)。
後者については、国際連合が直接関与しない平和維持活動にも自衛隊が派遣され、展開先から離れた場所に駆け付け他国軍や民間人を警護できる、いわゆる「駆け付け警護」が可能になった。旧PKO協力法が「国連が統括する平和維持活動」に限定していたのが、国連の関連機関やEU(欧州連合)などの国際組織による要請でも、派遣できるようになる。駆け付け警護を遂行するためには武器使用も可能なのだ(事態4)。
ただし、仮にこれら四つの事態が起きても、実際に自衛隊の派遣・出動が可能かどうかには、ハードルがある。
たとえば事態1では、集団的自衛権を容認する武力攻撃事態法そのものに、憲法違反という指摘が多数なされた。また事態2や3については、実際の戦闘では局面が流動的になりやすく、他国への武力行使との一体化が強く懸念されている。非戦闘や非戦闘地域も、状況によっては、戦闘・戦闘地域へ転じやすい。
さらに事態1や2では、国会の事前承認が必要だが、緊急の場合と判断されれば、事後承認も可能だ。政権の恣意的な判断もできる。結果的に自衛隊一人ひとりにとって、自らを取り巻く危険は、従来よりはるかに高まった。
(「週刊東洋経済」2015年10月3日号<9月28日発売>「核心リポート06」を転載)
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