★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK194 > 259.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「保守本流」再定義の論理:法案が成立してから、吉田茂氏も岸信介氏も「集団的自衛権は是」だったと書かれてもね(笑
http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/259.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 10 月 04 日 08:58:09: Mo7ApAlflbQ6s
 


 「新安保法制」については反対だが、日本は60年以上も集団的自衛権を行使し続けているのに、個別的自衛権の行使は合憲だが集団的自衛権の行使は違憲といった支離滅裂な理由で対立している状況に何度か竿を差したが、竿はむなしくどこかに流れていってしまった(笑。

 メディアや政治家そして学者(小林節氏や木村草太氏なども)も、当然のことだが、日本がすでに集団的自衛権を行使していることを承知していながら、「新安保法制」をもって日本が初めて集団的自衛権の行使に踏み切ることになるかのように説明している。

 このような言動には、「新安保法制」までの日本の安全保障政策(自衛隊や日米安全保障条約)は“合憲”だと思わせる意図が隠されていると思う。

 だから、日経新聞の伊奈氏もストレートには書けないのだろうが、「新旧安保条約を前に、岸も吉田も、人気より統治責任を選んだ。岸の新安保条約署名を伝える60年1月20日付日経1面に吉田は寄稿し「『守ってもらう』関係から『ともに守る』関係に前進するのは当然」と書いた。保守本流の祖は集団的自衛権を是としていた」と説明してお茶を濁している。

(念のため、『守ってもらう』も『ともに守る』も、有り様が微妙に違うだけで集団的自衛権行使であることに違いはない。さらに言えば、旧安保条約も、『守ってもらう』だけのものではなく、警察予備隊から始まる軍事組織は、在日米軍基地の防衛支援のみならず米軍の軍事作戦の支援も行うもの:+国内騒乱(間接侵略)を鎮圧する機能)

 記事にあるように、保守本流が「日米協調路線の維持継続をはかる勢力」であるのなら、日本では外国に従属することを是とする勢力を“保守”と呼ぶことになってしまう。

 “保守”と言うなら、せめて、国際関係を中心とした歴史の変化をにらみながら、「日米協調路線の有り様を日本によって有利なようにうまく変えていこうとする勢力」と定義してもらいたい。

 90年代から既にそうだが、80年代中盤までと違い、「日米協調路線の維持継続をはかる」政策が、日本の利益になると言い切れるような国際政治状況ではなくなった。

 米国との喧嘩やいがみ合いは御法度だから、“保守”政治家は、米国のほうが日本離れを選択するよういかに巧妙に仕組むかという課題で本領を発揮しなければならない。

 一方、革新や護憲を標榜する政治勢力は、反体制派として、憲法第9条をはじめとする憲法の諸規定や安全保障政策にかかわる概念を今一度“再定義”しなければならない。

 共産党や社民党までが“自衛隊”や“個別的自衛権の行使”(緊急避難とか正当防衛といった別の概念で説明したりするが)を合憲と説明するようになり、国会に議員をおくる政治勢力のなかに護憲派がまったくいなくなったことは日本の重大な政治的危機である。


 伊奈氏は「安倍政権は紛れもなく保守本流」と結んでいるが、本気でそう思っているのかな?
 ズブズブの対米従属政治家吉田茂氏と従米のふりをしながら自立の道をわずかでもと模索した岸信介氏を同じ政治的カテゴリーに入れることはできない。
 安倍政権の問題は、吉田の流れを受け継ぐものなのか、それとも、岸の流れを受け継ぐものかというということである。


※参照投稿

「岡田代表 あす党首会談で共産の方針確認へ:ヤキが回った共産党の提案は票のかさ上げには魅力だが政策協定締結は困難」
http://www.asyura2.com/15/senkyo193/msg/571.html

「共産志位委員長 安保法廃止目指し選挙協力:民主党のダメぶりを晒す戦術なら良だが、本気なら政治オンチの愚策」
http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/149.html

=========================================================================================================
[風見鶏]「保守本流」再定義の論理

 「保守本流」とは何か。改めて考える。安全保障関連法の成立に至る過程で、保守本流を自任する自民党岸田派(宏池会)内で議論が割れたからだ。


 宏池会は旧日米安保条約に署名した吉田茂元首相の高弟、池田勇人元首相が1957年に創設した。特に大平正芳会長(元首相)以降、保守本流を自任した。現会長の岸田文雄外相は安保法を推進した。

 一方、反対論の古賀誠名誉会長は、大平の命日であることし6月12日に同派の若手衆院議員らと多磨霊園を訪れた。墓前で議員らに「保守本流の正念場」と危機感を語ったという。

 30年前にも似た議論があった。85年1月5日付朝日新聞に次のような記事がある。筆者は後の編集局長、小栗敬太郎記者である。

 「戦後長く続いた歴代保守政治は、『商人国家』論に象徴される通り、世界の政治面へのコミットを極力避けることにつとめてきた。米国からの防衛負担要求に対しても、(中略)一種の『交際費』とみなし、できるだけ軽くすませるのが、吉田茂以来の保守本流の『経済路線』だった」

 保守本流のリベラルな解釈である。これによれば安倍晋三首相の積極的平和主義は保守本流を外れる。

 ただし記事の主語は「歴代保守政治」だった。吉田路線は当時すでに宏池会の独占ではなかった。五百旗頭真前防衛大校長が指摘する「『吉田なき吉田路線』の定着」である。

 五百旗頭氏は編著「戦後日本外交史」で、吉田路線を(1)日米基軸外交(2)自由民主主義(3)軍事より貿易・産業立国を求める経済優先主義――と定義した。吉田以降の首相にとり、鳩山一郎、由紀夫両元首相の対米外交を例外とすれば、程度の差こそあれ、三項目は所与だった。

 保守本流は30年前には拡散していた。このためか、宏池会幹部だった田中六助は、85年1月25日初版の遺著「保守本流の直言」で保守本流の再定義を試みた。田中は31日に逝く。

 池田、大平と近かった田中は、中曽根政権では自民党幹事長を務めた。古賀氏の政治の師でもある。特攻隊の生き残りで平和への思いは深かった。50年代の冷戦を日経ロンドン特派員として体験した。

 田中は保守本流を「統治責任」の自覚と能力のある政治家や集団と再定義し、岸信介、中曽根康弘両元首相を加えた。「保守本流=リベラル」の修正と映る。実は岸と吉田には重要な共通点がある。

 新旧安保条約を前に、岸も吉田も、人気より統治責任を選んだ。岸の新安保条約署名を伝える60年1月20日付日経1面に吉田は寄稿し「『守ってもらう』関係から『ともに守る』関係に前進するのは当然」と書いた。保守本流の祖は集団的自衛権を是としていた。

 田中の10年後、新定義が提案される。95年刊行「戦後日本の宰相たち」(渡辺昭夫編)所収の北岡伸一前国際大学長による岸信介論は、保守本流を「日米協調路線の維持継続をはかる勢力」と外交方針に絞って定義した。

 北岡氏は「吉田茂によって敷かれた日米協調路線が保守本流の本質」とし、官僚出身、吉田との関係は二次的とし、経済重視型の対米協調か、安保重視型の対米協調かも二次的とした。それは米政権の性格や国際環境によると考えた。

 田中、北岡定義を踏まえ、歴代政権の保守本流の濃淡を統治責任能力と日米関係上の実績で判断すれば、本格的保守本流政権とは表のようになるだろうか。ここでは安倍政権は紛れもなく保守本流である。

(特別編集委員 伊奈久喜)

[日経新聞10月4日朝刊P.2]

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年10月04日 13:53:28 : YxpFguEt7k
「日本は60年以上も集団的自衛権を行使し続けているのに」

どこにそのような事実があるのですか? 例をあげてください。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK194掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK194掲示板  
次へ