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やっと更迭 選考の黒幕が語っていた佐野エンブレムへの執着
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/164972
2015年10月4日 日刊ゲンダイ
佐野氏の釈明会見でも強弁(右が槇氏)(C)日刊ゲンダイ
白紙撤回から1カ月。ようやく、2人の“黒幕”がケツを拭った。
東京五輪組織委員会はきのう(2日)、旧エンブレムの作成を担当した槙英俊マーケティング局長と、企画財務局クリエーティブディレクターの高崎卓馬氏の退任を発表。2人とも五輪のマーケティング活動を仕切る専任代理店「電通」出身で、組織委は電通からの出向を解除、事実上の更迭である。
この電通マン2人は撤回された佐野研二郎氏のエンブレム選出に、とりわけ深〜く関与。選考経過が不透明な密室審査で「佐野氏ありきのデキレース」と批判される要因を次々とつくってきた。
「佐野氏の関係者で固められた審査委員の人選を担当し、自らも審査委員を務めたのが高崎氏。佐野氏がコンペに出展した『原案』の商標登録が通らない可能性が分かった後も、別の作品を選び直そうとせず、修正の道へと主導したのも彼です」(組織委関係者)
高崎氏は2度も手直しを加えた修正案を審査員に報告する役割を任されたが、他のメンバーには旧エンブレムの発表直前まで修正の事実を知らされていなかった。佐野氏が「トレース」を認めたサントリーのトートバッグキャンペーンを担当したのも、電通マンとしての高崎氏の仕事だ。
一方の槙氏は、エンブレムの公募開始3日前に、佐野氏を含む8人の有名デザイナーに文書でコンペ参加を要請し、この措置が必要と判断した人物。さらに旧エンブレムの展開例を示した画像の無断転用にも関与していたことも判明し、先月28日に組織委から戒告処分を受けたばかりだ。
今年8月、佐野氏本人の唯一の釈明会見にも槙氏は同席。質疑応答で日刊ゲンダイが、いわく付きのエンブレムを開催まで残り5年も使い続けることに異議を唱えると、こう強弁したものだ。
「(盗作)問題が起こった以降も、このエンブレムはIOCやトップスポンサーの方々から非常に高い評価を得ている。我々職員の周囲からも『勇気をもらった』とか『頑張ろうという気持ちになった』という声が寄せられている」
佐野エンブレムへの「異常な愛情」で大混乱を招いた責任を思えば、2人の更迭は遅すぎたくらいだ。
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