戦後70年にあたり、僕がいま、自分の中でどうもうまく腑に落ちていないことを、みなさんに聞いてもらいたいと思います。それは「日本はいつまで敗戦国なんでしょうか？」ということです。

僕は1973年生まれなので、敗戦国である日本に生まれ育ち、敗戦国というのが何なのかわからないまま大人になりました。どうしたいきさつで日本が戦争に負けたのか、そうしたことにはっきりと関心を持つようになったのは、35歳になってからです。

僕は山口県の出身で、広島と長崎に親戚がいます。子供のころ、夏休みになるとどちらかの親戚の家に遊びに行きました。そうすると、いとこのおばちゃんとかから当然のように「ここに原爆が落ちた」という話を聞く。あとは『はだしのゲン』の漫画を学校で読んだり、終戦記念日には意味がわからないながらも黙とうを捧げたり、育った環境からか戦争への意識は高いほうでした。

それでも、子供の僕が持っていた戦争のイメージは、「爆弾を落とされて、人がたくさん死んだ」ということだけ。「負けてしまった」ことに対する認識はほとんどありませんでした。子供の頃は全然リアルに感じられなくて、漫画やアニメの世界の話のように感じていたと思います。

だけど大人になっていろんなことを知れば知るほど、70年前に戦争で負けたことが、いまを生きる僕たちの背中に未だに重くのしかかっていて、それを、さらに先の世代にも伝えていかなきゃいけないのかということに、違和感を感じるようになりました。

あるとき、仕事で六本木の街を上空から見る機会があり、街の真ん中にあるヘリポートを見つけました。「へぇ、こんな場所にヘリポートがあるんですね」と言ったら、あれは在日米軍のものだと人から教えてもらいました。米軍はそのヘリポートから自由に離発着できると知って、「こんな六本木のど真ん中で？」と驚いたことを覚えています。何でアメリカはよその国でこんなに自由にヘリを飛ばせるのか。ああそうか、それは日本があのとき戦争に負けたからなんだ……と気づいてものすごくショックを受けました。

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自分が乗った飛行機が、羽田空港に着陸できずに旋回していることに気付いたときに、「横田基地から米軍機がスクランブル発進するからだ」と教えてもらったこともありました。

普段僕たちはあまり気づかないけれど、ちょっと目を向けてみれば生活のあちこちに、「敗戦」があるんです。

戦後70年というと、ものすごく月日が流れたように思いますよね。でも、実はまったく状況は変わってなくて、むしろ70年間それが当たり前になっているからこそ、この状況が打ち破れないものになっているんじゃないか。僕は次第にそう思うようになりました。

結局、戦争をするってことは、70年位ではすべてが鎮火しないんだろうなと思います。
日本は戦後、先進国に追い付こうと国民が一丸となって努力し、見事にオリンピックを迎えて経済大国になった。そんな日本のサクセス・ストーリーを、かつての僕は疑ったことありませんでした。

それが実は、戦後の復興はアメリカという国に守られていたからできたことだった。むしろ日本の実態はアメリカの言いなりで、本当の意味での独立国とすら言えないんじゃないか――。僕がそうした考えに至ったのはだいぶ大人になってからですが、自分にとってはそれが一番、戦争の重みを感じた瞬間でした。

外に目を向けてみると、イタリアは既に敗戦国というイメージがあまりないし、ドイツはしっかり反省をして未来に向かっていった結果、現在はEUのリーダーとなり、国も潤っています。なのに、日本だけが未だに「敗戦」に留まったまま負の遺産を抱え、戦争経験のない世代までその煽りを食らっている。それはやっぱり、アメリカとの関係によるものが大きいんじゃないかと。対米従属という屈辱を抱える一方で、アメリカの後ろ盾があるからこそ日本の安全が守られている。このゆがんだ構造が問題を複雑にしているのでしょう。

僕たちは毎年、8月15日を迎えます。1年に1回、日本人が戦争への反省と、原爆を落とされた悲しみを共有する日です。確かにこの日があることは大事なんですが、ほとんどの国民は「この日に終戦を迎えた」ということをその1日は考えるけど、翌日、8月16日には何もなかったかのように日常に戻っていきます。昔の僕もそうでした。

でもいまの僕は8月15日を過ぎても日々戦争のことや、日本が敗戦国であるということを意識するようになってしまった。このギャップが苦しいんですね。それは、「日本はいつまで敗戦国なのか」という疑問に対して、自分のなかで答えが出ていないからというより、簡単には出せない状況に日本が置かれているからだと思います。

日本人は「敗戦国である」という戦後背負わされた重い荷物をまだ降ろすことができていません。簡単には降ろせないからこそ、日本人は特有のあいまいさでこの問題と向き合うことを極力避けてきたのだと思います。実際には見ているんだけど見てないふりがうまい日本人は、時間の経過とともにこの本質的な問題が風化することを望んでいたのかもしれません。しかし、沖縄の基地問題などを見てもわかるように、敗戦国としての問題は時間が経過したことで、むしろややこしくなっていまも続いています。

僕が沖縄でタクシーに乗ったときに、運転手さんと「ここの右側も基地で左側も基地で」という話になって「基地問題は大変ですね」と言ったら「いや、私は辺野古に移して欲しいんです。単純にタクシードライバーとしての意見を言わせてもらうと、那覇で遊んだ米兵を普天間に送るのと、辺野古に送るのだったら、倍以上お金が違うから」と返ってきたことがあります。

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みんな、基本的に生活が一番大事だから、それが世論を二分するような問題だということは知っていても、知らないことにするのが都合がいいことが多い。でも、そうやって70年間見て見ぬふりをしてきたツケはしっかりと70年分溜まっていて、とても根深いものになってしまいました。

だから、8月15日のときだけ反省を述べて、悲しみをみんなに伝えて、ということの繰り返しだけでは、一歩も前に進めないのだと思います。

僕はこの状況を変えたい。いまここで諦めてしまったら、将来の日本の社会はさらに混沌とした、ねじれたものになってしまう気がするからです。いまを生きる子供たち、そしてこれから生まれてくる子供たちに、負のバトンを渡したくない。いま僕たちが背負っているものを、次の世代ではちょっとでも軽減できるようにしたいと思うのです。

そのためにはどうすればいいか。辛いかもしれないけれど、「敗戦国である」という現実に向き合うことしかないのだと思います。終戦記念日が近くなったときだけ何となく戦争のことを考えるということを、みんなでやめませんか。次の8月15日が来るまでの365日間、「日本は敗戦国である」ということをそれぞれの人が心に持っておくしかないのです。普段からみんなが意識し、考え続けることからしか、敗戦の影響から脱却するアイデアは出てこないと思います。

戦後100年目を迎えるとき、この国が「敗戦」から一歩踏み出していることを強く強く、願います。

著者プロフィール
田村淳
たむら・あつし
お笑い芸人（ロンドンブーツ1号2号）
1973年山口県下関市生まれ。レギュラー番組に『ロンドンハーツ』『淳ぱるるの○○バイト』『淳と隆の週刊リテラシー』『ごぶごぶ』など。週刊プレイボーイ「天空のブランコ~田村淳の脳内両極論」連載中。
Twitter：@atsushilonboo

日本って、「異民族との間で戦争をする」ということの意味を本当に知らないまま開国・文明開化し、世界侵略を行う西欧列強の仲間入りをしようとしたって話なんだよね。イタリアについて言えば、純然に自分側の意思だけで戦争を止めたってのが結構大きいんじゃなかろうか。余力がある内に軍人がクーデターで独裁者を叩き出して戦を終わらすなんて芸当が出来たのは、古代ローマ帝国の遺産を引き継いだ土地柄ゆえか?

>3
うん。そして自称神様のような低能を人間として扱うことも立派な偽善だから、これを止めてKzvqvqZdMUみたいなのを実験材料に使えるようにし、国家プロジェクトとしてヒトモドキを真っ当な生物に更正させる研究を始めなきゃいけないね。これが成功すれば人間世界における相当の問題が改善されるよ

＜田村淳ちゃん＞、すばらしい文章、脱帽で〜す！
�@　思考回路が、自省的で客観的である。
�A　そう思う根拠が、実感（現実体験）に基づいている。
�B　文章表現が平明で無駄な装飾を排しつつ、示唆に富んでいる。
�C　何よりも、他者をできるだけ傷つけまいとする“優しさ”が伝わってくる。

以上、オイラなりに勉強させて貰いました。有り難うございます。

この７０年、「終戦」とはいっても「敗戦」とは言わなかった。
昭和天皇の玉音放送の事は言ってもポツダム宣言のことは言わなかった。
私は淳さんより、かなり年上だが私が子供の頃からずっとそうだった。

見たくないものは見ない。肝心なことから逃げ、他のことで気を紛らわす。
その結果はろくなことは無い。

又、国民側も、ドイツ国民がした様に、戦争犯罪人を厳しく、世界の果てまで追跡し、探しだして
、自らの手によって裁くことを怠ったのだ。

確かに、戦勝国による東京裁判に因って、一部の戦争犯罪人は、裁かれはした。

しかし、それはあくまでも、戦勝国によるものであって、日本が国家として又、国民としてあの無謀で、日本の国土を、歴史上かって経験したこともないほどに、文字通り荒廃させ、又、国内だけでも３００万と言われ、日本軍が蹂躙した諸外国に於いては、２０００万とも、３０００万とも云われるる、犠牲者を出したほどに、悲惨な結果に終わった戦争の責任が、何処に有ったのかを、遂に追及することなく、現在に至っているのである。

挙げ句の果てには、A級戦犯が、国の指導者たる総理大臣に国民の選挙によって、選ばれると言う、世界標準から見れば、信じがたい国家、国民であるとの印象を、自ら与えたのだ。

その結果、日本は、未だに国連での敵国条項からは、除外されていないと言う。

更には、現在に、明治、大正特に昭和20年に至るまでの近代史を、正しく直視しようとする行為に対して、自虐史観等とのレッテルを張り、口汚く罵り、攻撃する勢力が大手を振って、跳梁跋扈している社会なのである。

敗戦を終わらせるには、日本の敗戦に至るまでの、歴史を真正面からは直視し、日本軍に因って被害を被った全ての諸外国に対して、心から謝罪し、過去に遡って、忌まわしい戦争に至った国家の責任と、戦争を積極的に墜行した、戦争犯罪人達を明確にし、改めて、日本国家、国民の名に於いて、そのもの達を裁くことであろう。

安倍、自民、或いは自民を核にしたカルトヘゲモニー体制…全体主義暴走を政界周辺ごと駆逐した、(必ずや達成する)来たるべき時代に、
恐らくその時彼は、引導を渡されゴミ箱行きになる多くのタレントを脇目にしながら、
駆逐されずタレントとして生き残って居られるんでないかなと思います。

ぁ、 やぱ予感しましたか。 俺もです

ちなみに戦争法案でのこいつのツイッター
「国民がこの法案の理解を深めないと賛成、反対の判断できないと思う。政府は説明の努力、国民は法案理解の努力、共に必要だと感じました」

憲法無視の法案に理解も何もない。この発言でこいつの立ち位置がわかるでしょう。

敦は落ち目になりかけで、若者の支持は集めてません。仕事が減ったので政治部門に顔を出しただけでしょう。

おっさんは邪魔にならんようにするべきですが、小泉の原発反対と同じで、詐欺とわかってるのに騙される人をみると、つい書きたくなりました。

ご不快になられたのなら申し訳ございません。

そういう「統計的な空疎の領域（平均値）」に居たい願望てのも解らんでも無いけどね。
属性を自称自認して安堵を得るてのは、何てぇかな。アレだな。イソップの狐君みたくて（…以下略。いちいち精神病理解説するのもアホらし）…。

ちなみに其の願望を上手く利用して「総中流」てな幻想を演出してみたり、
「我が党こそ中道です」と標榜して右の右のずぅーーーっっ…と右の崖っ淵で危ネェ旗振りながら随分長い間自民の金魚の糞続けてた「民社党」ってな輩供が居てみたりとかね。
どうも「『真ん中』を殊更『強く強調』してヒト引っ張って行こう」てな意図を打ち出して来る方面に
ロクな物てのは過去無かったてな辺りは見ておいた方が良いよ。
（オメガ教団ですら「真ん中」自認してあんなこんなだったんじゃないのかな？ バイナリで居ると絡め取られますぜ。 色んな物にね）

世の中「まっかっか」と「がっつり国防色」しか無いって訳じゃあるまい？
だから無色透明無菌状態(ありえねーなぁ…)がお好み？　そういう世界に住んでらっしゃる？
そういうのって、言葉巧みに引っかかりますよ。壺でも、マイナスイオンでもトルマリンでもEMでも何でもね。

薄緑でもピンクでも良いんじゃないの？色んな程度にね。
１億人居たら１億にマーブル模様だったりしてる方が自然でないかな。どう思う？
それで何か今迄不自由だったかな…って事ですよ。

まっかっか…困るね。 モロにオリーブドラブ…これも困るよなぁ。
一億がまるで無色透明。…理想ですかね。　 …こいつら全部ね。３種類とも全体主義って奴ですわ。
耳辺りの良い無色透明は…中道はね、特に危険だと思いますよ。疑わないからね。
疑わないから中道だと思って何処までも行っちゃう…
着いてみたらば、　…さぁ。　右端かな。左端かな。

安易な安心は罠ですのよ。再点検したが吉です。
或いはね。いちいち気にしないってのもアリなんですぜ。普通は皆いちいち気にして暮らしてませんからね。
「自分を真ん中に置きたい」から周りの人の、人の、人々の右の左ぃの一々気になって来るって事なんですよ。
そんなのどーでもぇーゃん…って事です。
１億そこらの色合い一々気にして一生暮らすのは不毛っしょ。だから一々気にする人、世間には余程居ませんのです

＞ 中道のどこが悪いんだ、
以上故です。

＞ 世の中右か左じゃなきゃいけないのか。
いけないのではなく、大なり小なりお好きな程度、無意識に右か左なのが自然なんですよ。

（何やら肩の凝りそうな生活してそうだなぁ…。一生続けるのかしら…）

すみません。仕事忙しく携帯でコメントしてるので変動IP になってしまいます。
しかし、皆さんチョロすぎのチョロ子さんですよ。
こんな、この後、敗戦国から脱却するには戦争法案が必要だとつづけれる文章で称賛するのは止めませんか？敦は旗色示してませんよ。
自分の人生かけて発言した、坂上忍や石田さんに失礼ですよ。
勿論、敦が戦争法案反対と言えば称賛しますが、旗色示さない腰抜けを称賛するなんて僕には出来ません。