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醍醐聰のブログ
田中泰臣・NHK政治部記者の偏向した「可決」速報
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/nhk-ce73.html
2015年10月2日
記事に寄せられたコメントへの返信を兼ねて
ここ数編、参院特別委での安保法案の「採決」なるものはなかったと訴える記事を書いたところ、多くの皆さまからコメントをいただいた。その都度、返信のコメントをできず、申し訳ない気持ちだった。そこで、この記事では、K.Kさんからいただいたコメントを紹介し、返信に代えたいと思う。
K.Kさんのコメント(9月30日)
「9月17日は参院特別委の様子をNHKの実況中継で見ておりましたが、田中泰臣・政治部記者の解説は採決が行われたという既成事実を作り上げる意図が『透けて見える』どころか『それ以外の何物でもない』発言の連続で、与党の暴走と共に中立な報道ができなくなっている公共放送に対して恐怖を感じました。
あのでき事『採決』とされてうやむやになればエスカレートする政権に対しておとなしく従ったことに等しく、『これについては目下、対応を検討中である』との力強いお言葉に賛同させて頂きます。」
9月17日の実況中継の中で田中泰臣記者が語った発言の重大性はKさんも指摘されるとおりで、私も一つ前の記事で書き留めた。
田中記者は何度か、「採決が行われているようです」とか、「可決された模様です」と発言したが、その日の23時半からのNHK NEWS WEBに出演した田中記者は、松本正代アナウンサーやネットナビゲーターのドミニク・チェンさんと興味深いやりとりをしている。
http://newskeimatomedouga.blog.fc2.com/blog-entry-39422.html
(07分12秒あたりから)
「私自身も何が行われているのかわからない状況でした」
(画面に映し出された視聴者からのツイート)
「今回の採決、議事録は取れているのでしょうか? 委員長、何を言っているのか全くわかりませんでしたが。」
「採決の映像は子供たちに見せられないと思ったのは私だけですか?」
(チェンさん)「(上記のツイートを読み上げた上で)あの場面の混乱の中でどういうことが行われたのか、どういうことが判断されたのか、改めて聞かせていただけるでしょうか?」
(田中記者)「私も採決の瞬間に生放送で解説をしていたんですが、私自身も今、何が行われているのかということが正直言ってわからない状況でした。・・・・」
やっぱりそうだったのか、と納得している場合ではない。今、何が行われているのか、自分でもわからない状況で、何について、「採決が行われている可能性が高い」とか、「可決された模様です」などと、どうして言えたのか? しかも、事は、各方面から違憲の疑いが強いと指摘された法案の帰趨にかかわる場面だったのである。
結局、田中記者は、実況中継の中で2度、繰り返したように、与党理事あるいは委員への事前の取材で、委員長不信任動議が否決され、鴻池氏が委員長席に戻るや、直ちに与党委員(実際は山本一太委員だった)から質疑打ち切り動議が出され、それが可決されるとすぐに法案の採決に入るという進行シナリオを知っていたことから、委員長の姿が見えなくても、委員長の議事進行、表決宣告の声が聞こえなくても、事前のシナリオにそって議事が進んでいるものとみなして、「採決が行われている可能性が高い」などと奇妙な発言をしたものと思われる。
与党の筋書きをなぞる解説
しかし、参議院規則などどこ吹く風かのように、実況放送のさなかに、議事の模様を把握できないにもかかわらず、与党の進行シナリオに頼って、憶測で法案の「採決」「可決」を予断して発言することは、「NHKのニュースや番組は正確でなければならない。正確であるためには事実を正しく把握することが欠かせない」と定めた「NHK放送ガイドライン2015」に明確に反している。
さらに、田中記者が、拙速な「採決」「可決」の速報を実況放送のさなかに発信したことは、委員会閉会の直後から、「採決」の存否をめぐって与野党が真っ向から対立した問題について、参議院規則を蹂躙する形で行われた架空の「採決」なるものを、あたかも実在したかのように正当化し、既成事実化する役割を果たしたと言って差し支えない。これは「放送は政治的に公平でなければならない」と定めた「放送法」第4条第2項にも反する重大な過ちである。
田中泰臣・NHK政治部記者の偏向した「可決」速報
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/nhk-ce73.html
2015年10月2日
記事に寄せられたコメントへの返信を兼ねて
ここ数編、参院特別委での安保法案の「採決」なるものはなかったと訴える記事を書いたところ、多くの皆さまからコメントをいただいた。その都度、返信のコメントをできず、申し訳ない気持ちだった。そこで、この記事では、K.Kさんからいただいたコメントを紹介し、返信に代えたいと思う。
K.Kさんのコメント(9月30日)
「9月17日は参院特別委の様子をNHKの実況中継で見ておりましたが、田中泰臣・政治部記者の解説は採決が行われたという既成事実を作り上げる意図が『透けて見える』どころか『それ以外の何物でもない』発言の連続で、与党の暴走と共に中立な報道ができなくなっている公共放送に対して恐怖を感じました。
あのでき事『採決』とされてうやむやになればエスカレートする政権に対しておとなしく従ったことに等しく、『これについては目下、対応を検討中である』との力強いお言葉に賛同させて頂きます。」
9月17日の実況中継の中で田中泰臣記者が語った発言の重大性はKさんも指摘されるとおりで、私も一つ前の記事で書き留めた。
田中記者は何度か、「採決が行われているようです」とか、「可決された模様です」と発言したが、その日の23時半からのNHK NEWS WEBに出演した田中記者は、松本正代アナウンサーやネットナビゲーターのドミニク・チェンさんと興味深いやりとりをしている。
http://newskeimatomedouga.blog.fc2.com/blog-entry-39422.html
(07分12秒あたりから)
「私自身も何が行われているのかわからない状況でした」
(画面に映し出された視聴者からのツイート)
「今回の採決、議事録は取れているのでしょうか? 委員長、何を言っているのか全くわかりませんでしたが。」
「採決の映像は子供たちに見せられないと思ったのは私だけですか?」
(チェンさん)「(上記のツイートを読み上げた上で)あの場面の混乱の中でどういうことが行われたのか、どういうことが判断されたのか、改めて聞かせていただけるでしょうか?」
(田中記者)「私も採決の瞬間に生放送で解説をしていたんですが、私自身も今、何が行われているのかということが正直言ってわからない状況でした。・・・・」
やっぱりそうだったのか、と納得している場合ではない。今、何が行われているのか、自分でもわからない状況で、何について、「採決が行われている可能性が高い」とか、「可決された模様です」などと、どうして言えたのか? しかも、事は、各方面から違憲の疑いが強いと指摘された法案の帰趨にかかわる場面だったのである。
結局、田中記者は、実況中継の中で2度、繰り返したように、与党理事あるいは委員への事前の取材で、委員長不信任動議が否決され、鴻池氏が委員長席に戻るや、直ちに与党委員(実際は山本一太委員だった)から質疑打ち切り動議が出され、それが可決されるとすぐに法案の採決に入るという進行シナリオを知っていたことから、委員長の姿が見えなくても、委員長の議事進行、表決宣告の声が聞こえなくても、事前のシナリオにそって議事が進んでいるものとみなして、「採決が行われている可能性が高い」などと奇妙な発言をしたものと思われる。
与党の筋書きをなぞる解説
しかし、参議院規則などどこ吹く風かのように、実況放送のさなかに、議事の模様を把握できないにもかかわらず、与党の進行シナリオに頼って、憶測で法案の「採決」「可決」を予断して発言することは、「NHKのニュースや番組は正確でなければならない。正確であるためには事実を正しく把握することが欠かせない」と定めた「NHK放送ガイドライン2015」に明確に反している。
さらに、田中記者が、拙速な「採決」「可決」の速報を実況放送のさなかに発信したことは、委員会閉会の直後から、「採決」の存否をめぐって与野党が真っ向から対立した問題について、参議院規則を蹂躙する形で行われた架空の「採決」なるものを、あたかも実在したかのように正当化し、既成事実化する役割を果たしたと言って差し支えない。これは「放送は政治的に公平でなければならない」と定めた「放送法」第4条第2項にも反する重大な過ちである。
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