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「差し障りがある」ことを報道できないマスコミは表現の自由を放棄するべき
http://takedanet.com/archives/1041529636.html
2015年10月01日 武田邦彦 (中部大学)
先回のブログに書いたように、なぜ国民の死亡率を上げるようなコレステロールの制限値が存在したのでしょうか? それは日本のマスコミにも責任があります。
原発事故以来、マスコミは「差し障ることは報道できない」という傾向がますますはっきりしています。2011年の9月、つまり原発事故から半年ほどたち、農作物の収穫期を迎えたときに、私はあるテレビで「汚染された野菜を子供に食べさせてはいけない」と言いましたら、それ以後、約1年半、ニュース関係の番組は出入禁止になりました。
それは、私が、1)学問的根拠(子供の体内被曝と健康障害の関係)の無いことを言ったとか、2)食品安全基準である1`100ベクレル以下という規制とは違うことを言った、というような理由ではなく、「多くの日本人がイヤがるから」という理由です。
さらに、当時、福島原発からの風は3波あり、その一つが一関の方向になったので、一関の農作物などは注意が必要だと言ったら、一関の市長から抗議、議会から血判状が来て、マスコミで大々的に報道され、私は役職を一つ失いました。
その後、一関の農作物、酪農に現実に汚染が見られ、出荷停止などが起こりました。このような問題はとりあえず危険性があったら出荷を見合わせ、大丈夫と分かったら出荷するのが筋で、「大丈夫だろう」とか「農業に打撃があるから、変なことを言うな」ではダメなのです。
日本国憲法が「学問の自由」を定めているのは、戦前に学者が自由に天皇制や軍部などを批判できなかったという反省もあって決まったものです。社会はとかく権力、お金、地縁血縁などに縛られるので、学者に「学問的な発言では不利を受けない」という自由を与え、それで社会を正常にしていくという「日本人の覚悟」なのです。
ところが、私が不利を受けていても、マスコミも知識人も憲法を守ろうと言っている人も、私を助けようとはしませんでした。むしろ、マスコミには出場停止になったのです。
私が学問の自由を得ているのと同様に、マスコミは「表現の自由(言論の自由、出版の自由など)」を得て、特権的な取材などが可能になっています。そのマスコミが学問の自由を守らず、自らの自由も放棄して、「多くの日本人がイヤというものは報道しない」、つまり「差し障る報道はしない」という基本姿勢をとっています。
もっとも差し障りの無いものが「お上が発表したこと」ですから、それは政治、経済、社会、学問、健康などのすべてにわたっています。つまり「その報道の根拠は?」と聞かれて、「独自の取材による」と言えず、「政府が発表したから」と答えて済ませようということです。
このブログで話題にしているコレステロールやメタボもそうで、NHKなどがメタボを囃したり、コレステロールの間違った放送を繰り返したのも、「政府が言っているから」であり、自分たちで取材し、調べ、「政府の言っていることは正しいのか??」という本来の報道機関としての見識を持っていれば異なっていたでしょう。
なぜ、報道はダメになったのか? それは報道が、「職業人としての魂より、給料を大切にする」という風土になったこと、視聴者や読者が「民主主義、表現の自由、学問の自由」という大きなことより、今日の儲けや自分の主張を最重要にするという日本社会になったからです。
私も40歳ぐらいだったら、自分が考えることをそのまま社会にだし、学問の自由を与えてくれた社会に恩を返すことはできなかったでしょう。自分がある程度の人生を送ったからです。しかし、私が批判しているNHKなどは受信料で運営されているのですから、報道機関としての本来の役割を果たしてもらいたいと思っています。
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