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「「自公政権は憲法クーデターを敢行した!」間宮陽介氏インタビュー 前編:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/18467.html
2015/9/30 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasumi
これより、9月26日に収録した「岩上安身による青山学院大学特任教授・間宮陽介氏インタビュー」の模様を報告ツイートいたします。「自公政権は憲法クーデターを敢行した!」と題し、安保法制の問題点についてうかがいました。
岩上「本日は、青山学院大学特任教授の間宮陽介先生をお招きしました。お会いするのは初めてなのですが、先生のご著書は、昔、『ケインズとハイエク』『市場社会の思想史』などを読ませていただいたことがあります」
岩上「ご著書を拝見すると、先生の専門は経済学・経済思想史なのかな、と思うのですけれども、何学をご専攻されているとご紹介すればよいのでしょうか
間宮陽介氏「いや、自分でもよく分からないのですが。『丸山眞男』という本も書いています」
間宮氏「私の場合は、なんとか学をやっていて、その中である方法を身につけるというよりは、むしろ現象から考える、ということをしてきました。まあ、行き当たりばったりといえば、行き当たりばったりですよね」
間宮氏「今回の安保法制の場合もそうですよね。6月の最初に佐藤学さんからメールが来まして、呼びかけ人になってください、と。私としては初めての経験ですが、国会前でスピーチをしたりしました」
岩上「私どもが間宮先生にお話を聞こうと思ったきっかけは、IWJにお寄せいただいた寄稿に『憲法クーデター』ということを書いていらしたことでした。『従ってもし法案が通れば、自公政権はクーデターを敢行したことになる』と。法案は通ってしまいましたが」
間宮氏「クーデターという言葉は、私だけでなく、東大の石川健治先生も使っておられますね。東京新聞も使っています。私は、昨年5月に安保法制懇の報告書が出た時、クーデターだということを書きました。直感的には、クーデターということではないか、と」
間宮氏「エラリー・クイーンの推理小説『Yの悲劇』の中に、『とんでもない難物です。合理性!動機!論理!みんな、かたなしですよ』という記述があります。今回の安保法制をめぐる議論は、国会の審議過程なんか見ているとまさにこれにあてはまるんじゃないか、と」
間宮氏「国会で山本太郎議員が、日本の外交・安全保障政策はアーミテージレポートの完全コピーじゃないか、ということを指摘しましたよね。最近になって、東京新聞も報じ始めました」
岩上「従属というレベルを超えて、米国に忠誠を誓っている感じがします」
間宮氏「外交や交渉については、双方が国益を主張しますから、ぶつかるはずですよね。そこでネゴシエーションが起こったりするわけでしょう。吉田茂にとって米軍駐留というのは、手段だったわけです。しかし、安倍氏の場合は手段という感じではないですね」
間宮氏「安倍さんは米国で演説をやった時、本当にはしゃいでいるんですよね。本当に米国と一体化していて、手段として米国を捉える、という視点がないのではないか。これは、性的な一体化じゃないでしょうか。一体化することに喜びを感じる、という」
間宮氏「これは、安倍氏だけじゃないですよ。民主党の議員もアーミテージのところに訪ねていって、一緒に写真を取ってはしゃいでいるんです」
岩上「米国一体化オーガズムに浸っているんですね。エクスタシーを感じているんですね」
間宮氏「安倍政治を見ていると、政治学以前に、心理学や精神分析学の対象ではないか、と思えてきます。今、自民党は安倍一枚岩になっています。東大法学部を出たエリート議員が、なぜ『神がかり政治』のようなものに入っていくのか、という疑問を持ちます」
間宮氏「今回の安保法制のもとをずっと辿っていくと、冷戦後の日米関係をどう定義するか、というところに行きつきます。ソ連が崩壊したものだから、同盟が漂流してしまう。そこで米国として、在日米軍基地がある以上、日米同盟を再定義する必要がありました」
間宮氏「そこで1994年に、ナイ・イニシアティブによる日米政策協議が始まります。日米同盟を相変わらず重視するように、と。外側に向けた、グローバルな展開の中で日本を位置づけていこう、というものでした」
岩上「小沢一郎さんが自民党の外に出て、細川政権を作りました。米国としたら、そういう動きは許せなかった、ということですね。それで早めに潰してしまおうとした。日本が自立しようとする時、そのたびに米国に潰され、自民党政権に戻っています」
間宮氏「それで、1996年にクリントン大統領と橋本龍太郎総理による日米安保共同宣言という流れになる。これは、地球規模で日本と米国が協力する、というものでした。守りから攻めへ。しかし、攻めに行くとなると、日本の憲法が邪魔になるわけです」
間宮氏「1997年9月の日米新ガイドラインで、@平素から行う協力A日本に対する武力攻撃に際しての協力B周辺事態での協力、といった具合に、防衛協力における3分野が定められます」
間宮氏「そして2000年代に再定義の具体化ということで、第1次アーミテージレポートが出されます。『日本が集団的自衛権の行使を禁止していることは、同盟への協力を進める上での制約となっている』とはっきり書かれています」
間宮氏「そして、2007年に第2次アーミテージ・ナイレポートが出ます。『自発的にアメリカの国益にかなった行動をとるよう誘発する環境を整えること』とあります。憲法改正、米軍と自衛隊の共同作戦司令部の新設、日米FTAなどが提言されます」
岩上「先生は、コモンズに関するご著書や論文も多いですよね。安倍総理は『岩盤規制』を『ドリル』で崩す、と言っているわけですが」
間宮氏「市場外の『岩盤』こそが市場経済を支えているのです。宇沢弘文先生の社会的共通資本というのはこの岩盤に相当します」
間宮氏「新自由主義がやろうとしているのは、この『岩盤』を市場の内部に取り込もうということ。竹中平蔵氏などはそれでいいんだ、ということを言いますが、それでは市場そのものが壊れてしまうのです」
岩上「ハイエクとフリードマンの違いというのはどういうものなのでしょう」
間宮氏「ハイエクとフリードマンは確かに似ています。ハイエクには自由主義者、保守主義者、新自由主義者という3つの側面があります。ハイエクは法の支配というものを非常に重視します」
間宮氏「フリードマンは楽天的な自由放任主義者です。マッカーシズムに対する批判にしても、自由主義者としての立場ではなく、自由な市場経済の素晴らしさを説きます。ハイエクとフリードマンでは全体主義的なものへの批判の力点が違う」
間宮氏「安倍氏は、『岩盤規制』を壊すと言いながら、美しい日本の伝統が大事だ、ということも言う。ある一面は守れと言いながら、他の一面はどんどんドリルでぶち壊してしまう」
岩上「滅茶苦茶ですよね」
岩上「安倍総理は『一億総活躍社会』ということを言い出し始めましたが、これは『国民総動員』ですよね。女性も家庭の外に引っ張り出して働かせよう、と。これでは、ますます少子化は進むと思うのですが」
間宮氏「大学教育の面でも、自由競争がうたわれる一方で、組織内では統制が強まっています。学校教育法が改正され、教授会の権限が弱くなり、学長のトップダウンの力が非常に強くなりました。国立大学は法人化にともない、国の方針に逆らえなくなった」
岩上「国立大学に関しては、人文社会系をなくす、という話がでています。文科省はなぜこれほどまで横暴になったのでしょうか」
間宮氏「国立大学が法人化する時、国大協は反対していました。しかし、COEにお金が出るということで、賛成に回った」
間宮氏「SEALDsの目覚ましいところは、自分で考えるということを掲げているところ。自分で考えるには一人にならなければならない。グローバル化ということばかり言っていると、一人になる暇もない」
間宮氏「2007年、第一次安倍政権の時に安保法制懇が報告書を出します。これは、法的な岩盤をドリルでガガガっとやってしまおうということです日本国憲法が、日米同盟のグローバルな展開に立ちはだかる岩盤だ、ということになりました」
間宮氏「デヴィッド・ハーヴェイが『新自由主義』という、新自由主義批判のいい本を書いています。新自由主義はコモンズを打ち壊す。それから、金融の自由化を行う。金融市場というのは、コモンズが入る余地はなく、ただ儲かるかどうかだけで売買いをする世界です」
岩上「『黄金の30年』というものがありましたが、世界は経済の外部性をきちんと守り、手をつけちゃいけない部分をちゃんと作って、うまくやってきたじゃないですか。それが70年代以降に新自由主義の考えがあらわれて、再分配が行われなくなってしまった」
間宮氏「新自由主義が典型的にあらわれるのは金融市場。金融市場で増えたお金は、金融商品のほうに流れて、実体経済のほうには回りません」
岩上「世界では、ネオリベの破壊とネオコンの破壊が同時進行で進んでいます」
間宮氏「2008年に福田政権のもとでも法制懇の報告書が出されます。これは、従来の政府見解では集団的自衛権の行使は憲法違反としつつも、安全保障環境の変化にあわせて、解釈変更をする途はないか、と提言するものでした」
岩上「そして、2012年8月に第3次アーミテージ・レポートが出されるわけですね」
間宮氏「海外の論調を見ていると、今回の安保法制はミリタリーなものだ、とはっきり言っています。黒のものを白にする、というのが政権の至上命題だったように思えます」
間宮氏「以上を要約すると、次のようになります。冷戦下の日米安保条約は米国にとってメリットのあるものでした。しかし、冷戦後に日米同盟を再定義することになり、日本は楯から矛の役割を担うように転換することになりました」
間宮氏「再定義された日米同盟の具体化として、3次にわたりアーミテージ・ナイレポートというグランドデザインが提出されます。それにもとづいて日米協議をし、集団的自衛権が必要だということになって、憲法が邪魔になってくるわけです」
間宮氏「これでどういうことが問題になるかというと、米国の世界戦略のシナリオを米国とは異なる制度=憲法を持つ日本が演じようとするところに矛盾があります。この矛盾は、楯として作られた日米同盟が矛に転じるときに生じる矛盾でもあります」
間宮氏「学者の中には、集団的自衛権が行使されるケースなんてまずないのだから、死文化させてしまえばいい、と主張する人もいます。死文化するということは、立法の事実がないということ。立法事実がないものを立法するのは許されないことです」
間宮氏「しかし、死文化は米国の要求に反します。そこで、限定的な集団的自衛権をフルスペック化する、ということになる。したがって、憲法クーデターは完全な集団的自衛権の行使を認めるクーデターとならざるをえない、というわけです」
間宮氏「安全保障関連法は、米国の国益を増し、日本の国益を損なうものです。日本人はリアリズムに非常に弱いですよね。しかし中国脅威論のリアリズムというのは本当でしょうか。国際NGOの人たちが言う『集団的自衛権は危ない』というリアリズムもあるのでは」
岩上「つい先日、外務省の方と飲んだのですが、彼は『対中国だ』と主張するんです。しかし、中国は最大の貿易相手国ですよね。価値観外交なんてことを言いますが、石油を輸入しているサウジアラビアと価値観なんてあわないじゃないですか」
以上で「岩上安身による青山学院大学特任教授・間宮陽介氏インタビュー 前編」の報告ツイートを終わります。後編は明日20時から、同じCh1で配信します。→http://bit.ly/1biXzMu どうぞ、ご注目ください!
◇
「「自公政権は憲法クーデターを敢行した!」間宮陽介氏インタビュー 後編:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/18468.html
2015/10/1 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasui
これより、9月26日に収録した「岩上安身による青山学院大学特任教授・間宮陽介氏インタビュー後編」の模様を報告ツイートいたします。
「自公政権は憲法クーデターを敢行した!」と題し、安保法制の問題点についてうかがいました。
岩上「米国が中国に投資するレベルもどんどん変わってきています。労働者だけでなく、経営者まで移転が進んでいる。中国だけじゃなくて、インドなどでも。日本は米国との間に挟まれ、ババを引いている」
間宮「ババだけを引いている、という気がしますね」
間宮「安倍の米議会やCSISでの演説は本当におかしい。すごい卑屈。52年の『血のメーデー』で、デモ隊が駐留軍の車を焼き払った。安倍さんだったら、『警察は犯人を捕まえろ』となると思うが、吉田茂は“にやっ”として『日本人もなかなかやるじゃないか』と」
間宮「表向きは米国と握手しつつ、裏では“あっかんべー”しているんです」
岩上「正常な神経です。立憲主義の破壊も、米国の意向を日本国内で実現させるには独裁政治が好都合。中南米で新自由主義を植え付けるために独裁政権を誕生させたのと同じです」
間宮「米国が自分の利害を押し通すなら、相手は独裁的な国が望ましいのは明らか。日本が民主国家かどうかは米国には関係ないでしょう」
岩上「日本はこれから利用され、恨みを買います。米国が切り替わったとき、一緒に日本を潰そうぜ、となりかねないのでは」
間宮「米国の戦争相手は大国じゃない。小さな国に一方的にずっと戦争を仕掛けてきた。『米国が戦争を仕掛けられた場合〜』というが、米国は攻撃者。米国の侵略戦争に日本が加担することになります」
岩上「米国には国益があっても、日本は国力を減らします」
間宮「もう一つは後方支援ですね」
岩上「英語で『ロジスティクス』。つまり兵站です。安倍総理は『戦闘ないところで行われるから大丈夫』というが、『それはどこですか?』と返すと、実もない回答なんです。とにかくアメリカに追随ありきなんでしょう」
間宮「米国は従属国の独裁を好む。自由の国・米国と独裁とは、水と油の関係じゃない。スペイン内乱で米国はフランコ政権を支援しようとした。米国にとってはフランコ政権の方が近いわけで。対外的な関係では、米国にとっては独裁の方が、都合がいい」
岩上「安倍総理、海外で『いかなる岩盤も、私のドリルの前には無傷でいられません』とは下品です。これ、ただ外資のための国になると言っているだけ。なぜ右派がこれを支持するのかわからない。間宮先生は小泉構造改革の矛盾を指摘されていますね」
間宮「クラッシュしたのはまだ途中で、市民に理解されていないから、といいます。橋下さんも同じで、大阪都構想もまたやるという。安保法制もまだ理解されていない、と言っていますね。アベノミクスもそうです。NHKも早くも『新3本の矢』と報じています」
間宮「安倍政権の究極目標は憲法改正でしょう。いわゆる『美しい国』というのが前面に出てくる。改正草案は読むに耐えない。憲法ではなく、江戸時代の商家の家訓に近い。『すべし』と、命令口調ですよね」
間宮「上から下へ命じるのでは、憲法ではありません。日本国憲法は民定憲法ですよね。帝国憲法の改憲規定に沿って改憲したので下からの意見で作られたわけではないので、上から与えられた憲法ですが、前文にはパッションがあり、言葉が生きています」
間宮「しかし自民党改憲草案は欽定憲法でも民定憲法でもなく、国定憲法です。国民は憲法の客体となっており、102条には『全ての国民はこの憲法を尊重しなければならない』と書かれています。そして、道徳が公的な領域に入り込んでいます」
岩上「人によって道徳観は異なります」
間宮「日常的な道徳を憲法や法律に入れるととんでもないことになります。24条は『家族は互いに助け合わなければいけない』。では喧嘩したら逮捕されるのか。違うというなら最初から入れるな、ということです」
間宮「見張る権利を国に与えてしまう。24条を盾に家族を監視できます」
岩上「助け合えば社会保障は必要ないよね、と言うこともできる」
間宮「私的領域内では何してもいいんです。法とは、私的領域を決めるために必要なのに、これは私的領域に入っている」
岩上「治安維持法では思想の自由が踏みにじられました。自民党改憲草案はこれを繰り返すような内容です」
間宮「全体主義というのは人の私的領域内に土足で入り込むんです。自民党改憲草案は全体主義的。実現すると怖いと思います」
岩上「『国柄』という言葉が近年よく使われています。どこまで伝統を重んじればいいのか、という問題があるかと思います」
間宮「寿司や味噌汁を食べて『日本はいいなぁ』と言いますが、良い・悪いの問題ではない。『国柄』に大して意味はないと思いますが」
間宮「9条改正では集団的自衛権を行使できるようにしますよね。でも、海外では、憲法の中に軍事規定がない。フランスや米国には国とは自分たちが作ったものだという意識があります。その国を守るのは当然ということで、あまり軍事規定がないのでしょう」
間宮「しかし日本は上から『協力しろ』『いざというときは内閣が取り仕切る』という規定ですよね」
岩上「そしていざというときは、基本的人権は停止しますよ、という感じですよね」
間宮「軍事規定がかなりのスペースを割いています」
間宮「自民党草案は憲法ではない。近代憲法は命令調ではないんです。まず人間の権利が自然権としてある。この権利を守ろうというのが、憲法作りの発端になっている。そして権力を抑制するために三権を分立し、肥大化を防ぐ、ということです」
間宮「人の権利を守るものでないと、憲法は意味がない。ところが安倍総理は安保法制の過程でこれらを壊した。解釈改憲とは、主権を簒奪すること。これだけでもクーデターです。内閣法制局も憲法の番人ではなくなり、脱法指南を行っている」
間宮「内閣法制局がこれでは、何でも法案として提出され、それが数の力で通る。法律が通れば、訴訟によって裁判所の判断を仰ぐことになる。司法をおさえれば独裁が完成します。安保法制の裁判も始まるようですが、今後、司法への統制が始まるかと思います」
岩上「そしてメディアの問題も。総理会見では、民主党時代はフリー記者も質問ができたのに安倍さんになってからは質問があたらない。総理はプロンプターを見ながら答えている。事前に質問取りができているんです。そして手を上げてもない記者が指名される」
岩上「記者会見は死にました。圧力に平気で迎合するメディア、最低です」
間宮「安倍総理の場合、直接答えることができないんでしょ? 山本太郎氏の質問にも固まっていましたね」
岩上「頭の中は空っぽですね」
間宮「5分間は話せないといいますよね」
岩上「天賦人権説が否定されています。片山さつき議員は、『天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です』とツイートしました。先生、これ点数つけていただけませんか? 学生がこんなレポート出したらどうしますか」
間宮「『国を維持するには自分に何ができるか』とも言っていますね。片山さんが法学部を出ていながらも、この程度のことしか言えないのは、東大の教育以前に、家庭での教育が悪かったのではないでしょうか。しかも、恥ずかしげもなく言っていますからね」
岩上「さらに片山氏は『権利の享受には義務が伴う』とも発言しています」
間宮「憲法の成り立ちを考えれば、政府ではなく国民の立場に立って、何かを要求するのは国民の側。義務を追うのは政府。片山さんが言っているのは債券と債務の関係」
間宮「『自由は自分勝手ではなく、規律が守られた上でのこと』などと片山さんは言うが、しかし自民党改憲草案には『公の秩序に反しない限り自由は認められる』とある。これを恣意的に解釈していくと自由の制限となる。それはどう考えているのか」
岩上「さらに西田昌司議員は『主権は国体にある』『天賦人権論はとりません。主権はこの国の歴史と伝統を守ってきた人から受け継いだ相続権』などと発言しています」
間宮「死者のデモクラシーというチェスタートン的な考え方。死者のことも尊重せよというもの」
間宮「しかしそれを現代にどう生かすかという事は別問題。発展していく歴史ではなく、過去を振り返って、死んだ人がこちらをずっと見据えているという文学的な表現としては分からなくもないですが」
岩上「伝統を尊重するなら、西洋由来の国会すら否定することに」
岩上「礒崎陽輔・総理補佐官は『立憲主義は知らない』などとすっとぼけました」
間宮「礒崎さんはもちろん立憲主義を習っている。これは安倍総理の『ポツダム宣言知らない』と同じ。小馬鹿にするための手段の一つ。最近こういう言い方が多い。品の有無は関係ない」
間宮「東大出身でこういう話法が多い。無知を装う事で、知識を持っていると思わせ、上位に立とうとする話法です。自由化とよく言いますが、個人の自由化がどれだけあるか。例えば教育の自由化は学校の、つまり団体の自由化。個人は岩上「ヒトラーは民衆の自由を徹底的に縛りましたが、ヒトラー自身はやりたい事をやり、自由化していった。しかし支持した民衆側は虐げられたという感覚がなかったと書かれていますね」
間宮「小泉総理が出てきた時にこういうことを考え始めました どんどん不自由になっています」
間宮「小泉総理から(人が)上から物を言うようになってきた。虐げられたのではなく、民衆側が喝采し、その独裁者と一体化したいと考えた。例えばイラクでは、フセインと国民が一体となって独裁国家を作り上げたという事を見るべきなんです」
間宮「過去には斎藤隆夫の反軍演説があった。しかし今の政治家で、なぜ自身の政治生命を賭けて愛国的行動を取り歴史に名を残そうとする人がいないのか。自らが加担することで、この国がどんな酷い事になるのかをなぜ考えられないのか。まさに保守ではなく保身」
間宮「そういう人たちが伝統や天下国家を語るんですから、ちゃんちゃらおかしい話です」
岩上「笑止千万なのですが、笑ってもいられなくなってました。安倍総理は24日、来年夏の参院選で憲法改正を公約に掲げることを明言しました」
間宮「これをどう潰すか。米国が憲法改正に賛成するとは思えない。自民党案を英語に翻訳して、米国の知識人に見てもらう。背景にある団体(日本会議)なども外の目に晒し、この異様さをあぶり出す必要がある。国内だけの議論だと通ってしまう可能性があります」
間宮「この自民党案は西洋的価値観とはまったく違いますから、敏感に反応すると思いますよ。最近は米国の憲法学者や歴史学者がこの案に対し批判の声を上げましたから、関心はあるんだと思いますよ」
岩上「三浦瑠璃さんという徴兵制を奨励する国際政治学者を紹介したい。平和のためにこそ徴兵制をと主張されている」
間宮「まずは三浦さんのように好戦的な女性にまず戦争に行ってもらって、平和のありがたさを知って欲しいなと思います」
岩上「戦前の日本は徴兵制だったが平和国家だったか、という話ですよ」
間宮「他に井上達夫さんという東大の法学者も、徴兵制なら総理の子どもも戦争に行くので平和になる、などと主張されていますが、徴兵制の国が平和か、という現実を見なければなりません」
岩上「英国では最左翼のコービン氏が最大野党の労働党の党首になりました。鉄道・電力の再国有化や高所得者への課税強化、対米追従を徹底的にやめるなど、中立ですらない。こうした動きをどう思いますか?」
間宮「これは世界に広がっていくのではないでしょうか」
間宮「英国だけではなく、こうしたパシフィズムが世界に広がる空気がありますよね」
岩上「ギリシャでも同様の動き。面白いのが米国の大統領選で民主党候補をヒラリーと争うサンダース上院議員。自らを民主社会主義者だと自任し、同様の主張を掲げています」
岩上「この人はユダヤ人を隠さず、イスラエルでキブツで働き米国に戻ってきた人。結構なお齢でオールド左翼のような人だが、若者に圧倒的な支持を得ているんです」
間宮「これまでは新自由主義、日本では極右的な動きがずっとあったが、変だと思う人が増えてきた」
間宮「SEALDsやOLDsなどの運動を見ても明らか。極右的な動き、教科書の問題などでも、背後に日本会議があるという事も明るみになってきた。それがはっきりしていくと、自分たちはとんでもない事をしていた、と気づく人が増えてくるんだと思います」
岩上「共産党が国民連合政府を掲げ野党共闘を呼びかけました。これに細野豪志氏、長島昭久氏、金子洋一氏などの民主党右派政治家が反対の声を上げています」
間宮「今日これまで反対運動が広がったのは、様々な人が廃案という目標で一つにつながったから」
間宮「野党共闘に反対する民主党議員は、安保法制に反対したんじゃないんですかと聞きたいですね」
岩上「長島氏は昨年7,1閣議決定はギリギリ合憲と発言しました」
間宮「そういう人は自民党へ行けば良い。それ以外の人が一つにまとまれば良いと思います」
間宮「一致団結して闘わないと、世にもみっともない憲法(自民党改憲草案)が通ってしまいます」
以上で「岩上安身による間宮陽介氏インタビュー」の報告ツイートを終了します。
動画記事は準備が整い次第、IWJのHPに掲載します。
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