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共産まさかの柔軟路線 永田町勢力図に“革命”か〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150930-00000000-sasahi-pol
週刊朝日 2015年10月9日号
安倍1強時代が終わるかもしれない。9月19日、共産党の志位和夫委員長が、「国民連合政府」構想をぶち上げたのだ。
共産はほぼすべての選挙区に独自候補を擁立してきた。それが今回、安保関連法廃止に向けた暫定政権をつくるために他の野党と選挙協力をするというのだ。志位氏は「党の歴史でも初めて」と胸を張った。
「内閣不信任案提出前の野党5党の党首会談でも、志位氏は『不信任案は、このメンバーで政権をつくるという意味ですよ』と発破をかけていた。『確かな野党』じゃないのかよ!と、他党幹部も度肝を抜かれたそうです」(維新の党関係者)
すでに選挙協力の議論を始めた民主党と維新に、共産までもが加わるとなると、その影響は絶大だ。
例えば来夏で改選になる議員を選んだ2010年7月の参院選では、29の1人区のうち21区で自民党が勝利していた。このとき、共産党を含む野党共闘が実現していたと仮定して計算すると、山形、栃木、徳島、長崎、熊本、沖縄の6県で野党が逆転勝利。ほかにも4県で1万票差程度の接戦になる。勝敗がひっくり返りかねないのだ。
今回の決断の理由について「野党がまとまってほしいという国民の声を受け止めた」と志位氏。実際、国会前デモから連なる世論のうねりがある。23日に横浜市内で民主党の枝野幸男幹事長が街頭演説をした際には、「民主党は国民連合政府に協力を!」「民共共闘」などと書かれたプラカードを持った聴衆が多数集結。握手に回る枝野氏に「野党共闘お願いします」などと声をかける人も多く、他の議員の演説中には「野党は連帯!」というコールも起きた。こうした異例の現象が、選挙協力の後押しになる可能性はある。
とはいえ、道のりは険しい。25日には民主・共産の党首会談が行われたが、民主の岡田克也代表は会見で「共産党と政府をともにするというのはかなりハードルが高い」と硬い表情。維新の松野頼久代表も24日に国会内で志位氏らとバッタリ鉢合わせ、「清水の舞台から一緒に飛び降りましょう」と声をかけられたが、苦笑するのみだった。
政治アナリストの伊藤惇夫氏がこう解説する。
「民主や維新の議員や支持者には“共産党アレルギー”も根強く、票が逃げる可能性もあるので全面的な協力は難しい。ただ、共産が一部の選挙区に独自候補を立てず、党員に他の野党への投票を呼びかけるなど、部分的な協力は成立し得るのでは。衆院小選挙区あたり平均約2万票を持つ共産が動く意味は大きい」
“ウルトラ志位(C)”はなるか。
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