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一歩も譲らなかった習近平の中国
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2015年9月27日 天木直人のブログ 新党憲法9条
習近平主席の米国公式初訪問が終わった。
きのうに引き続き、私の評価を書いてみたい。
大げさに書けば2015年9月に行われたこの習近平主席の訪米とオバマ大統領との米中首脳会談は、レーガン・ゴルバチョフによって終わった冷戦後の、あらたな国際関係の幕開けである。
そのあらたな国際関係とは、ソ連に勝利し、向かうところ敵なしになった米国がつくろうとした国際関係とは対照的に、いまや公然と米国の一強支配に挑戦するに至った中国に対し、共存せざるを得ない米国があてなく模索する国際関係である。
新旧覇権国のせめぎ合いで、あらたな国際関係がつくられようとしているということだ。
思えばケ小平主席時代に「養光韜晦(ようこうとうかい)(=能力を隠して力を蓄える意)」を唱えた中国は、ついに習近平主席の時代に、米中による新型大国関係の実現を公言するまでになった。見事なまでの有言実行だ。
かつてジャパンアズナンバーワンと言われて有頂天になった日本が、無策のままに没落していった事と対照的だ。
そしてそのことは対米自立と対米従属の違いでもある。
私が「歴史に残る」と書いたのは、今度の習近平主席の訪米と米中首脳会談が異例づくめだったことでもわかる。
そのひとつが、米国が公式晩餐会の前に非公式夕食を開いて中国と懸案について話し合った事だ。およそ国賓を迎える時のプロトロール(儀礼)としては異例だ。
そこまでして米国は中国に迫ったが、中国は一歩も譲らなかった。
そして首脳会談後に共同声明は発出されず、そのかわりに行われた共同記者会見では、オバマと習近平の発言はまったくすれ違った。これも異例だ。
なぜここまで中国は強気なのか。
それは、軍事的脅威も、サイバー攻撃も、経済問題(人民元切り下げ)も人権問題も、米国に中国を非難する資格はなく、中国が言い返す建前論は正しいからだ。
だからと言って中国の覇権主義が許されるわけではなく、中国が世界を正しく導けるはずはない。
このままいけば、国際関係は米中覇権主義のせめぎ合いの中で、緊張と緩和の繰り返しで翻弄されていくだろう。
それは世界の大多数の弱小国にとっては不幸な事だ。
大国の覇権主義と国益優先主義こそ世界の最大の脅威であり、敵なのだ。
それを世界の大多数の弱小国に代って主張出来る国は、憲法9条を持った日本しかない。
その日本が憲法9条を捨てて米国に従属して中国の脅威を煽りたてる。
安倍政権の最大の誤りがここにある。
残念ながら、今の日本では、正しい外交を唱え、それを実行できる指導者は見当たらない。
安倍首相を倒せないはずである(了)
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